SSブログ

6室しかないホテル「QUARTIER65」/マインツ [旅/ホテル]

3月13日から三日間、少し遠出しました。シュツットガルト中央駅からICEに乗り、マンハイムで一度乗り換えて、さらにICEでハゲンへ。そこからローカル線RBに乗ってイザローンまで、順調なら約4時間の旅のはずでした。でも、念のため、さらに一本早いICEでマンハイムに向かったのですが、途中、アクシデントで約30分停車してしまい、予定の列車に乗り継げず、しかもハゲン行きのICEは2時間に一本だけ。とりあえずマンハイムからケルンに向かい、そこからICでハゲンに行くことにしました。

ICEは超高速のインターシティエクスプレス(Inter City Express)。ICはインターシティ特急。RBはレギオナルバーン(Regional Bahn)で、いわゆる普通列車のことです。

結局、予定より約3時間遅れて、イザローンに到着。これから2日間は仕事です。イザローンは森と湖の静かな景勝地でした。翌日、イザローンからデュッセルドルフ、フランクフルトをクルマで一日で移動して、ぼくはさらにフランクフルトからマインツへ。マインツ到着は22時。そこで、以前予約した6室だけの小さなホテル「QUARTIER65」まで駅からタクシーで向かいました。ホテルにしては少々不便な立地です。

おじさんが一人で切り盛りしている民宿みたいなホテルなので、当然夜は、入り口が施錠されます。呼び鈴を押したら、隣の家から現れ、扉を開けてくれました。部屋に案内される前に、ゼクト(ドイツの発泡ワイン)を一杯、フロントカウンター兼バーカウンターで。笑顔のウェルカムドリンクです。それから階段で3階までのぼり、宿泊する部屋へ。荷物は運んでくれます。


http://www.quartier65.de/

客室の窓からはライン川の流れとSバーンの線路が見えます。正直言って、人の家に泊まりにきたような感じです。でもとても良い雰囲気。シティホテルのようなサービスこそありませんが、何事にも気持ちがこもっていてぼくはとても気に入りました。シャンプーの匂いとタオルとバスローブの肌触りが自分好みで、それだけで得した気分になれます。でも、至れり尽くせりのホテルライフを求める人には、残念ながらあまりお勧めできないかも知れません。宿泊費が87ユーロだから、そんなサービスはもともと求めないか。

朝食は天然の有機素材を使っているらしく、翌朝、予約時間に1階に降りると、バーカウンターの中でおじさんが黙々と朝食を用意していました。パン、ゆで卵、チーズとハムとヨーグルト……その他。確かにゆで卵は、これまで食べた中でいちばん美味しかった気がする。ヨーグルトの中にはバルサミコ酢を通したリンゴとブドウが入っていました。

その日は朝からフランクフルトだったので、朝食後すぐにチェックアウト。パンフレットの代わりに、このホテルが掲載されたドイツの建築雑誌を1册手渡されました。おじさんは終始笑顔。しかし、どう考えてもこれだけで生活が成り立っているとは思えない。道楽でホテルをやっているのだろうか。この日の宿泊客は4名だったようです。またマインツに来て、ここに泊まりたい。

行き来のタクシーの窓から見ただけですが、マインツはとても美しい街でした。その前の日に滞在したのがデュッセルドルフ、フランクフルトという大都市で、クルマも人も多く、街は大きな建物ばかりだったので、マインツのようなヒューマンスケールに適った街を見るとほっとします。水辺も気持ち良さそうです。住むならこんな穏やかな街が良いなと思いました。


nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(1) 
共通テーマ:旅行・地域(旧テーマ)

nice! 0

コメント 4

mashumix

道楽でホテルをやっている…
オジサンのキャラも含め、かっこいいホテルですね。
by mashumix (2005-03-16 14:22) 

hsba

支配人は客商売とは思えないくらいシャイな人でしたよ。
ホテルのダイレクトリーが全部ドイツ語で、ほとんど
分かりませんでしたが、アルマーニ氏のコメントらしき
文面が載っていたので、宿泊したことがあるのかも。
しかも87ユーロという比較的良心的な価格。

きっと面倒くさいときは、宿泊客を断るんだろうな。

昔、パリのサンルイ島にあるHôtel du Jeu de Paumeという
ホテルに泊まった事があって、その時もすごく感動したんですけどね。
一日遅れで合流した人が、サービスがぜんぜんダメだと大激怒。
そりゃー、ノヴォテルやヒルトンみたいなモダンなサービスもないし、
格式のあるホテルの心配りに比べれば、見劣りするところもある
かも知れませんが、個人商店に百貨店のサービス求めてもねえ。
Hôtel du Jeu de Paumeは、17世紀の貴族の木造スポーツ施設、
Jeu de Paume屋内コートを改装したホテルで、10年前に泊まったときは
古い建物なのに調度がすごくモダンで、泊まった部屋はメインの建物から
中庭のガラスの渡り廊下を経た先にあって、1階がバスとクローゼット、
急階段で上った2階がベッドルーム、部屋と同じ広さのテラスが中庭に
面して設けられ、初めてルームサービスで、しかもテラスでも朝食を採った
思い出の超快適ホテルでした。
冷蔵庫の中味はシャンパンが3本とトリュフチョコレート、あとは水。
ものすごく静かで、フルクサスの美術作家ベン・ヴォーティエの手書き文字
の作品がいたるところに置かれていました。
4月にはパリに行く予定なので、さきほどウェブでチェックしたのですが、
べたべたで重厚なフランス伝統インテリアになっていて、しかも当時は
なかった星が四つも付いている。さらに料金が2倍以上に……。
経営者が変わったのでしょうか。昔のクールな面影はありませんでした。
http://www.jeudepaumehotel.com/
by hsba (2005-03-16 20:54) 

akane

このホテル、本当に可愛いですね。
しかも、私好みのおじさまが経営してるだなんてっっっ。
ホテルにも泊まってみたいし、おじさまにも会ってみたい...。
by akane (2005-03-17 08:55) 

hsba

ホテルのおじさんは英語が苦手なので、ただ微笑むばかりで、
ぼくも同様なので、ドイツ人と日本人のおじさんが向かい合って
二人でただニコニコしているだけという、不思議な状況でした。

いわゆるデザインホテルは、どんなにしょぼくても、当然のように
1泊250ユーロとかするのに、ここは87ユーロですからね。
従業員がおじさん一人なんでなんとかやっていけてるんでしょうね。
次はもう少しゆっくり滞在したいです。おじさんはかなりの趣味人と見た。

ずいぶん前に、ブログの中でベルリンの建築家がデザインしたと
書いた気がするのですが、スイス人建築家の間違いでした。
by hsba (2005-03-17 22:05) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。