種を蒔こう〜実生苗〜

今日も朝から雨空だが、ガーデナーは半笑いである。いくら口を閉じようとしても、頬が緩んできて、使いものにならないゴムの様にだれている。玄関の扉は今、幸せへの入口だ。朝からボサボサ頭でパジャマ姿のまま、鉢の前で半笑いになっているご近所さんを見かけても、皆さん、どうか咎めないで頂きたい。

雨空と言っても、今日は明るい。ガーデナーが半笑いだから、明るく見えている訳ではない。ちゃんとオステオスペルマムさんに証言してもらおう。

午後から仕事なので、時間と気分は揃っている。あとはピートモスさえあれば、懸案の実生苗づくりができる。ガーデナーは足取りも軽やかに、どうにも閉まらない口元を隠しながら、近くのスーパーに買いに行く。帰って、エレベーターを降り、渡り廊下を見たら、やっぱり笑いが止まらない。

さて、恩師の講義メモを振り返りながら、半年ぶりの実生苗づくりに取り掛かる。材料は、種、浅めの鉢、ピートモス、培養土。園芸店の培養土が少し重たいので、軽い土にするため、ピートモスを適当に混ぜていく。今日の気分が軽いので、やっぱり土も軽めである。

鉢一杯にふわっと土を盛ったら、別の鉢の底で押していく。これで2cmぐらいは、土が沈む。

その上に種を置いていく。そして、種が隠れるぐらい、土をかぶせる。目安は種の厚みの倍ぐらい。これで終わってもいいが、代わりにバーミキュライトを蒔くと便利だと教わった。軽くて水を吸ってくれるし、コケが出にくく、土が固くならない。上から軽く抑える。今回は結構荒いバーミキュライトだったので、少し土をかぶせてから、蒔いてみた。

以上で種蒔きは完了。今回植え付けた種は、西洋朝顔のヘブンリー・ブルー(写真左上）、そしてグラス類を２種、スキザクリウム・スコパリウム（写真右上）とペニセタム・ルブラム（写真左下）。ちゃんと品種名と日付を、札に鉛筆で書いていく。鉛筆が一番残るのだそうだ。札は取れないように深く差す。

恩師の学び舎、英国王立園芸協会ウィズリーガーデンでは、万全を期すため、一つの品種に三つ差せと言われたそうだ。それぐらい、札は重要だ。苗が混ざってしまうと、ある程度大きくなるまで見分けがつかなくなってしまう。家だとそこまで厳密にならなくてもよさそうだが、記憶力に自信がないガーデナーはせっせと札をたてた。

そして細心の注意を払っての水やり。種が流れてしまうので、バケツに水をはり、20分ほどつけておく方法をとってもいい。ジョウロを使う場合は、優しい雨を降らす感じで、左右に振りながら、でも振りすぎてトップがはずれてしまわないように、慎重に水をやる。種が流れては元も子もない。

このあとは明るい日陰に置く。いつでも見張れるように台の上に置くといいのだが、あいにくスペースがないので、低い棚に置く苗もある。小さな鉢やポット苗は、ジッパー付きの保存袋に入れた。乾燥を防ぎ、この後発芽まで水やりが要らない。入らなかった鉢も、これからは表面を湿らす程度の水やりでいい。

これでちゃんと発芽してくれるといいのだが、可愛い双葉を見るまではやっぱり不安だ。どれ一つ出て来なかったら…。いやいや、これで大丈夫なはずだ。

土を片付け、掃き終わったら気分よく、昼食の準備。パソコンに画像を取り込んでいたら、ふと何気に小さな紙袋が目にはいる。

わあ、バジルの種の事をすっかり忘れていた！道理で鉢が余るなと思っていたら…。まあ、これは六月までに撒けばいいから、大丈夫。今日はどうなっても大丈夫なのだ。靴に羽が生えた様な軽快な足取りで、ガーデナーは仕事に向かった。

渡り廊下から見たベランダ、Xデーまであとわずか。

コメント 12

とっても丁寧に種蒔きをされていて凄いですね。私も今日は
クリスマスローズの種を蒔きました。せりさんのも我家のも
無事に発芽してくれると良いですね。
by 絵瑠 (2006-05-17 22:38) 

ふふふ。楽しそうですね。
私も朝、ゴミを捨てに行くのが楽しくて仕方ありません。そして、ゴミを捨てに行ったら、しばらく戻ってきません♪
by チョコまる (2006-05-17 23:11) 

懸案の種まき、終わってなによりですね。
テレビで見たとおりの丁寧な種まきに感心しちゃいます。私は、こういうのをちゃんと真似ないからダメだよなぁ。
これだけやれば、ちゃんと発芽しますよ。たぶん。；－）
by いむら＠fintopo (2006-05-18 07:30) 

こんにちは。私も思いました、絵瑠さんと同じ、丁寧な種まきです。私なんかザーッと入れて土を、ぱらぱらと種まいて、札は・・・勉強になりました。
　ベランダがきれい・・・見習わなければ。
by (2006-05-18 12:19) 

苗作りも大変な作業ですね、後のことまで考えて・・・
後は花が咲くまで、楽しみが増えましたね。
by (2006-05-18 18:09) 

種まきってワクワクしますよね♪
しばらくは土との睨めっこの日々ですね（≧ｍ≦）
私はまた夏の終わりにでも秋蒔きの種を蒔くつもり。
そのときせりさんの師匠直伝の種まき法、参考にさせていただきますね♪
by ゆうこ (2006-05-18 20:15) 

芽が出てくるの待つのって楽しいですね♪
いつも適当なので、とっても勉強になりました。
密閉するっていいですね～水遣り過ぎちゃうみたいなので^^;
by ごまかん (2006-05-18 21:17) 

とおっても丁寧に作業されているのですね！すごいです☆
芽が出てくるの楽しみですね～♪出てきたばっかりの芽ってなんだかかわいいですもんね！
by (2006-05-18 22:40) 

そうか！バーミキュライトを上に蒔けば良いんだ
良いこと教わったぁ
先週の土曜日は原種の朝顔の種をもらったので
蒔いてみました
ちょっと発芽率が悪いみたいだけど・・・・・
by アッキー (2006-05-19 15:44) 

＞皆様へ、ご訪問＆コメント有り難うございます。

＊絵瑠さんへ
来年はもっとクリスマスローズが増えるのですね。実生苗から育てると、花色が変わるので、楽しみですね。今の所実生苗に音沙汰はありませんが、無事育ってくれるのを願うばかりです。

＊チョコまるさんへ
ゴミ捨てに行く時に、半笑いにはなっていませんか？？本当に楽しい季節になりましたね♪これで、もう少し青空になってくれればいう事ありません。

＊いむらさんへ
ちゃんとテレビ通りに出来ていましたか？メモを見ながら、記憶を辿りながらやってみたのですが、メモも要領を得ていないので、少し不安でした。土をかぶさず、バーミキュライトだけにすればよかったかなとか、水やりの量はよかったかなと、あとで不安にはなりましたが、発芽さえすれば万事OKです。

＊しゅうさんへ
私も土を混ぜただけで、あとはザー、パラパラ、パンパンって感じですよ。札はあった方がいいと思います。ベランダは、綺麗な所しか写していないだけの話です^ ^;片付けましょう。

＊g＿gさんへ
作業自体はすぐ終わるんですよ。ただ今回は写真を撮るのが面倒でした。久々の朝顔が楽しみです。昔は深く考えずに植えて、発芽した記憶があるので、大丈夫じゃないかと楽観視してます。

＊ゆうこさんへ
種蒔きはやり始めると、はまってしまいますね。そんなに育てて、どうするんだとも思いますが、、、。今日も見張ってみましたが、当然の事ながら音沙汰はありません。可愛い双葉が楽しみです。ゆうこさんの所の実生苗も見事に育っていますね。

＊ゴマフさんへ
蕾も発芽も見張るのが楽しいですね。ちゃんと土を抑えたり、バーミキュライトを使ったり、ちょっとした点を気をつけるだけで違うんでしょうね。これで、出なかったらという不安はあります。水やりが大丈夫だったかな。やっぱりドキドキしますね。

＊ゆっちょすさんへ
やってみると簡単ですよ。合理的だなと思いました。芽って、なんであんなに可愛いんでしょうね。生命の神秘を感じます。

＊アッキーさんへ
バーミキュライトは、先輩ガーデナーも感心してました。原種の朝顔ですか。とっても気になりますね。原種の種は1〜２年出ない事もあると聞いたので、気を長く待ってみると出てくるのかもしれませんね。いきなり陽を当てたり、表面の土をかき混ぜたりすると、出る事もあるそうです。ショック療法ですね^ ^
by せり (2006-05-19 17:18) 

タンポポの綿毛のような種ですね。
ジッ○○ックのような袋が、発芽に役に立つんですねえ☆
なんかホントに勉強になります。
あ、あたしはせりさんのようにガーデナーになるなんて気持ちはないんですけど･･･父が植木屋やってたし、母も植物の世話するの好きなので。少なからず影響は受けてます(＾▽＾)
by Riyo-Lyon (2006-05-21 12:46) 

＞Riyo-Lyonさんへ
今朝確認したら、袋の中の子が一部芽を出していました。朝顔の方が一足早く、発芽していたので、袋から出して日光浴させてます。袋の中の朝顔さんの方が、発芽率がいいような気もします。不思議ですね。Riyo-Lyonさんは、ガーデナーになる遺伝子をお持ちですね。そのうち、その遺伝子が「発芽」するかもしれませんね^ ^ご訪問＆コメント有り難うございます。
by せり (2006-05-23 07:12)