SSブログ

メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」(クレンペラー) [クラシック音楽]

J.シュトラウス  喜歌劇「こうもり」序曲
リスト        ピアノ協奏曲第1番
メンデルスゾーン 劇音楽「真夏の夜の夢」
     アニー・フィッシャー:ピアノ(リスト)
     ヘザー・ハーパー(S)
     ジャネット・ベイカー(Ms)
     フィルハーモニア合唱団(以上メンデルスゾーン)
     フィルハーモニア管弦楽団
     オットー・クレンペラー:指揮
     1961年10、12月(J・シュトラウス)
     1960年5月、1962年5月(リスト)
     1960年1、2月(メンデルスゾーン)

一昨日に続き今度はクレンペラーの「真夏の夜の夢」を。
これは前回の小澤盤よりもさらに少ない10曲収録の抜粋版。
それが大変残念でならないほど素晴らしい演奏。
小澤盤が真夏のファンタジーを気楽に愉しめる名演ならば
こちらはメンデルスゾーンで心底感動できる名演。
全体的に同じくメンデルスゾーンの「スコットランド」と似た
ほの暗いロマン溢れる演奏で少々曲自体の趣と異なっていて、
そこでこの演奏の好き嫌いが分かれそうだけれども、
あの「スコットランド」に一発KOを食らうようなリスナーならば全然OKな演奏。
序曲のみ晩年のクレンペラー特有の壮大なスケールの巨匠風な演奏だけれども
”本編”にはいると意外に真っ当なテンポで愉悦感よりは幻想的、神秘性重視な演奏。
「結婚行進曲」は壮麗で厳かな演奏で、通俗曲を楽しむ、という感じではなく
かなり「本気(マジ)」で心して聴きたいもの。
この曲自体の魅力から一歩踏み外した感のあるクレンペラー盤、
一度その魅力にはまったらもう他の演奏は生温くて生温くて。。。。。

自分が今所有している盤は20年近くも前に買った輸入盤で、
そのカップリングがJ・シュトラウスとリストというなんだかなぁ、
という組み合わせですが、「こうもり」序曲はなかなか聴かせる演奏。
この調子で全曲聴かされたらちょっと疲れそうだけれども、
序曲だけ聴くとなかなか良い。
オケの音全体がまろやかにブレンドされたような感じで、
切れ味や軽快感には欠けるけれども、流れ重視の
愉悦感にも欠けないなかなかのシュトラウス。
もちろんスケールが大きいのは言うまでもない(笑)。

リストの方は完全にクレンペラー主導の演奏になっているようで、
ピアノが一生懸命クレンペラーの骨太な解釈に”付けている”ように感じて
”競”奏曲的な面白みに欠ける。
しかもピアノがミスタッチスレスレの危うい場面が結構あり、
そこに逆にソリストが必死にクレンペラーについていこうとする
”一生懸命さ”が伝わってきたりもするけれども。。。。。
それにしてもここまで重々しく骨太なリストも珍しい。
私にとっては少々聴き疲れがする演奏。

メンデルスゾーン:劇付随音楽「真夏の夜の夢」

メンデルスゾーン:劇付随音楽「真夏の夜の夢」

  • アーティスト: クレンペラー(オットー),メンデルスゾーン,フィルハーモニア管弦楽団
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2002/06/19
  • メディア: CD



皇帝円舞曲(巨匠クレンペラーの世界)

皇帝円舞曲(巨匠クレンペラーの世界)

  • アーティスト: クレンペラー(オットー),ワイル,クレンペラー,J.シュトラウス,フィルハーモニア管弦楽団
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2002/07/26
  • メディア: CD



シューマン:ピアノ協奏曲

シューマン:ピアノ協奏曲

  • アーティスト: フィッシャー(アニー),シューマン,リスト,クレンペラー(オットー),フィルハーモニア管弦楽団
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2002/08/28
  • メディア: CD


にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
nice!(49)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 49

コメント 0

コメントの受付は締め切りました

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました