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ブラームス 交響曲全集(ラトル) [クラシック音楽]

ブラームス 交響曲第1~4番
     ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
     サイモン・ラトル:指揮
     2008年10月29日~11月14日(ライヴ)

久し振りに音楽ネタを。
しかも普段パブリックドメイン(著作権切れ)の年代の古い録音ばかり
好んで聴いているのに珍しく最新録音。

ラトルのブラームス、チョン・キョンファとのヴァイオリン協奏曲、
ツィマーマンとのピアノ協奏曲第1番くらいしか聴いたことがないけれども、
この交響曲全集、良くも悪くも何の驚きもない”普通の”秀演。
ラトルならばもう少し目新しいことをやってくれるかな、と思ったけれども
意外に伝統的な解釈の演奏。
これならば驚きの大きさはアーノンクールの全集の方がはるかに上。
これはこれで驚かされたけれども全く趣味ではないんだけど・・・・・。

1番はベートーヴェン全集でも見せなかったベートーヴェンっぽさ全開。
冒頭から落ち着いたテンポで実に立派、フィナーレも巨大な構築感がなかなか。

2番は明る過ぎず”ブラームスの「田園」”的な演奏が嫌いな私には
なかなか渋くて好きな演奏のタイプ。
終楽章は踏み外すことなく、しかし最高の高揚感を魅せる。

3番はしっかりと演奏し過ぎて逆にブラームスの味が消えてしまった感じ?
この曲”ブラームスの「英雄」”(いい加減こんなニックネームは不要だと思うけれども)
なんて呼ばれていて実に立派な演奏が多いけれども
全楽章ppで終わる、こんな退廃的な曲は他にないと思うけれども。
そういう意味では立派過ぎて×。
3番はつくづく難しい曲だなぁ、と改めて確認。

4番も傾向としては3番に似ていて、私にとっては少々聴くのに肩がこる演奏。
3番も4番も楽譜をしっかりと音をしていて、その一歩先のブラームスの
渋~い世界まで到達できていない感じ。

1~4番まで一貫した演奏ではあるけれども、
逆にそれぞれの曲の個性があまり捉え切れていないような印象。
この中では1、2番はまずまず秀演(名演と呼ぶにはライバルが多過ぎ・・・・・)
3、4番は及第点ではあるけれどもちょっと物足りない。
全集としてはまずまずだと思うけれども、”立派な演奏”としては
古くはフルトヴェングラー、ワルターのモノラル盤、新し目の録音でも
バーンスタインなんかがあって、そこら辺と比べるとやっぱり格下な印象。
目新しいことをやっている演奏も現在では数知れず、
ラトルならもうちょっとそこら辺をうまくブレンドして聴かせてくれると
期待していたんだけど少々消化不良。

ブラームス:交響曲全集(DVD付)

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  • アーティスト: ラトル(サイモン),ブラームス,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン
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  • メディア: CD


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junbouママ

凄いです・・・・。
haruさんはクラシックの評論家でもあるんですね。
小学校低学年から中学校までピアノを習い、同じく小学校から中学校まで
ブラスバンド部に所属してコルネットやクラリネットの演奏をしていましたが、私生活ではあまりクラシックを聴く事がなかった私です。
聴く事より、演奏する楽しさの方が良かったのかな・・・?
しかし、地元の社会人で構成するオーケストラの演奏会に行ったことがあり、鳥肌が立つくらい感動した記憶があります(^^)
たまには、クラシックを聴いて気分をリフレッシュするのもいいかな・・と思いました。
長々と、どうでも良いコメントをしてすみません(^^:)
by junbouママ (2010-04-23 12:14) 

haru

評論家なんて恐れ多い・・・・・(汗)。
ただ趣味で聴いているだけです。
ちゃんとした楽器なんて中学生の頃遊びでホルンに
触ったことがある程度、本格的にやったのは
リコーダーくらいで(リコーダーはソプラノ、アルト、テナー、バス、
全部こなしましたが)今では子供に教えるために¥100ショップで買った
ソプラノ・リコーダーが1本あるのみで・・・・・。
by haru (2010-04-23 15:49) 

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