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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」(クレンペラー、PO、ライヴ盤) [クラシック音楽]

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」
     オーセ・ノルドモ・レーヴベリ(ソプラノ)
     クリスタ・ルートヴィッヒ(アルト)
     ワルデマール・クメント(テナー)
     ハンス・ホッター(バス)
     フィルハーモニア合唱団
     フィルハーモニア管弦楽団
     オットー・クレンペラー:指揮
     1957年11月15日ライヴ

EMIのプロデューサー、ウォルター・レッグが大編成の合唱曲を録音できるように
バイロイトで活躍していた合唱指揮者ウイルヘルム・ピッツを招聘して組織した
合唱団のお披露目公演。
海外の第九の録音は合唱部が薄く物足りないことが多いけれども、
これは厚みも声量も十分でさすがに素晴らしい。
ただ、何故かバスのホッターがイマイチ?
スタジオ録音盤も物足りなかったのでこの時期ちょうど調子が悪かった??
こんなもんじゃないと思うんだけど・・・・・。

クレンペラーの指揮も素晴らしい。
後日UP予定のスタジオ盤に比べて数段いい。
1楽章の無限を感じさせる広がりを見せる深遠さ、
ティンパニがこれでもかというほど気持ちよく鳴り響く2楽章、
2楽章がリピートを全て実行しているとはいえ、2楽章よりも
短い所要時間、意外に速めのテンポで、しかし木管郡を十二分に
歌わせてこれはこれで十分美しい3楽章、
そしてこの演奏で最も素晴らしいフィナーレへ。

まだこの頃のクレンペラーは最晩年ほどテンポを落とすことなく、
まぁ普通の、しかしクレンペラーをイメージすると若干速めのテンポの4楽章。
しかし、慌てず騒がず、どっしりと落ち着いたテンポ、
風格ある低い重心の演奏は巨匠風そのもの。
オケも合唱も充実し切っているのが手に取るように実感できる。
終結もオケ、合唱はライヴの雰囲気で走り出しそうになるのを
うまくコントロールして、決してドラマティックになることなく、威風堂々、
ベートーヴェンの楽譜のみを信じて余情を差し挟むことなく
立派に締めくくる。

そして全体的にドイツのオケ以上にドイツっぽい重厚な響きを聴かせるオケに拍手。
クレンペラーの指揮も「ウドの大木」と揶揄されるように一本調子ではなく、
テンポの伸縮もうるさくない適度な程度あり、録音のおかげか響きも柔軟で
スタジオ録音のようなゴツゴツ感は感じられない。
ライヴの熱気も十二分に伝わってきて、そして特筆すべきは録音の優秀さ。
この時期のEMI本家のスタジオ録音に比べて数段素晴らしい音!!
いまだステレオ録音の第九としては最上位にランクされてよい演奏なのでは?

ベートーヴェン:交響曲第9番

ベートーヴェン:交響曲第9番

  • アーティスト: ベートーヴェン,クレンペラー(オットー),フィルハーモニア管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1999/12/08
  • メディア: CD


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