ベートーヴェン交響曲第9番「合唱」(フリッチャイ) [クラシック音楽]
ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」
イルムガルト・ゼーフリート(ソプラノ) モーリン・フォレスター(アルト)
エルンスト・ヘフリガー(テノール) ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:フェレンツ・フリッチャイ
1957、1958年
年末「第九」第3弾。
まだフルトヴェングラー時代の名残が残る、
飼いならされていないBPOの圧倒的なパワーがまず凄い。
インターナショナルではない、
「ドイツの」BPOの響きがまだここにはある。
フリッチャイの指揮も素晴らしい。
「フルトヴェングラーの再来か!?」というほどの
生き生きとした人間味溢れる名演。
全編テンポの収縮が激しくかなり動的な演奏。
特にアダージョはフルトヴェングラーに次ぐ絶品。
静寂の彼方から聞こえてくる調べ、それを打ち消す
男性的な金管の咆哮、やっぱりこうでなくては、という感じ。
ただ、やっぱりフルトヴェングラーの域に達していないな、
と思われるのは、それらの解釈が即興的に聴こえず
全て計算ずくでされているかのように聴こえること。
それだけにテンションが上がっている部分でも
ちょっと冷たい感触が残る感じがする。
F=ディースカウのバリトンも存在感抜群だけれども
巧すぎて他のソリストから抜きん出過ぎている感じ。
それだけ惹かれる歌っていうことだけど。
と、不満も言ってはみたけれども、フルトヴェングラーでは音が古い、
という向きには超お勧めの1枚だと思いますよ。
ピリオド奏法しか受け付けない、っていう人でもなければ
この演奏を聴いて文句をつける人はまずいないでしょう。
- アーティスト: フリッチャイ(フェレンツ), ゼーフリート(イルムガルト), フォレスター(モーリン), ヘフリガー(エルンスト), フィッシャー=ディースカウ(ディートリヒ), 聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊, ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, ベートーヴェン
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2001/02/07
- メディア: CD
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