ブラームス 交響曲第1番(ミュンシュ) [クラシック音楽]
ブラームス 交響曲第1番
シャルル・ミュンシュ:指揮
パリ管弦楽団
1968年1月
一部評論家が「フルトヴェングラー以上にフルトヴェングラーらしい演奏」と
評して以来すっかりその評価が定着して今でも同曲のベストを争っている演奏。
でも、本当に「フルトヴェングラー以上にフルトヴェングラーらしい演奏」??
以前からずっとこの評価には疑問を持っていたし、
ミュンシュに対してもフルトヴェングラーに対してもとても失礼なことだと思う。
音楽の表面しか聴いていないからこういう評が出てくるとしか思えない。
確かに堂々たる遅めの基本テンポや激しいテンポの動き、高揚感などは
なるほどフルトヴェングラーっぽいけれども、音楽の根底に流れる
生命力、精神力は全く異なるもの。
フルトヴェングラーは精神の深淵を覗き込むような凄みと
生と死の局地を彷徨うような壮絶な生命力を持ち合わせているけれども、
ミュンシュはもっと直接的に音の迫力、若々しい生命力、躍動感を有する演奏で、
決してこの二人を同列に語ることはできないと思う。
この演奏を「フルトヴェングラー以上にフルトヴェングラーらしい演奏」と
評するような音楽評論家は全く困ってしまう。
まぁ、わかりやすい例えって言えばわかりやすいんだろうけど。
で、この演奏が良いかどうか。
こういう演奏大好きだし、確かに興奮もする。
でも、やっぱり「音の裏に隠された何か」が感じられず
(裏に何かあるのかもしれないけれども私にはあまり合わず)
今までこの演奏を「私的」ベストに挙げたことはないし、今もそれは変わっていない。
十分名演だとは思うけれどももう1つ隠し味がほしいといったところ。
この曲は未だフルトヴェングラーとベームの来日公演の名演の呪縛から
解き放つことができないでいる。。。。。
フルベンのブル8を買って聞きました。1949年の録音で音はあまり良くありませんでしたが、ハッキリ言ってやられましたね。眠くなるどころか、頭が冴えてきました。嵌りましたね。またお金に余裕が出来たら他の演奏も聴いてみます。
by 名忘れ (2007-11-12 12:00)
正統派のブルックナーかどうかはおいておいて、
フルトヴェングラーの演奏はある意味とてもわかりやすいですね。
歌うべきところは歌い、盛り上がるべきところは盛り上がり、
いい意味で誇張されていると思います。
ちょっと「神に届くような」演奏ではないと思いますが(笑)。
by haru (2007-11-13 05:00)
ミュンシュはどちらというとトスカニーニ的な印象があったのですが、名盤と呼ばれている幻想交響曲の演奏を聴いてもあまりピンと来なかったですね。ムーティの演奏の方が輝いていて好ましかったです。ミュンシュのベートーヴェンの第九はよかったですが、フルトベングラー版とは、まったく正反対の印象でした。
by タッケピー (2007-11-18 11:59)
ミュンシュ、パリ管の幻想はちょっと劇場型過ぎて、
テンポも速過ぎ私もついていけない口です。
1954年録音のボストンSO盤はもっと真っ当な表現の
名演なんですけどね。
ミュンシュをトスカニーニ的と言うのにはあまりに縦の線が
揃っていない演奏が多いような気がしますが、
割り切ったような明快な響きは確かにトスカニーニに
通じるものがあるかもしれないですね。
by haru (2007-11-19 05:44)