ラトルの「ロマンティック」 [クラシック音楽]
ブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」
サイモン・ラトル:指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
2006年10月19-21日(ライヴ)
賛否両論真っ二つに分かれているラトルの「ロマンティック」。
私としてはバーミンガム市響との7番ほどの感慨はなかったなぁ。
全てのフレーズがくっきりと浮かび上がってしっかりと聴こえてくるのはいいのだけれども
ラトルの心情が全く見えてこない冷め切った大理石の彫刻のような響きには少々がっかり。
同じようなスタイルの演奏なのに、あの7番の温かいサウンドが懐かしい。
7番の時は懐が深く呼吸もゆったりとしていて開放的に感じた響きも
この4番では何故か窒息気味で居心地が悪い。
それ故か、テンポの動き1つとっても7番ではそれなりに「はまっているな」と
思えていたものが、ここでは恣意的に聴こえどうも自然に息づかない。
局所的には「おやっ」と感心するところも少なくはないのだけれども、
曲全体を見るとひとつの大きな流れになっていない、そんな感じですかね。
ヴァント、ベルリンPOのコンビの演奏でも似たように感じるので、
このコンビのブルックナーが最高!!という人にとっては最高の贈り物かもしれない。
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