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ブルックナー 交響曲第7番(スタインバーグ) [クラシック音楽]

ブルックナー 交響曲第7番
         スタインバーグ:指揮
         ピッツバーグ交響楽団
         録音年月日:不明

久しぶりに聴きましたが、いやー、
現在ではまず聴くことのできないブルックナーですね。
今でもブルックナーっぽくない演奏は星の数ほどあれど
一応それっぽくやろうとしていることはわかるわけですが、
この演奏ははなっからブルックナーらしさなんて目指していないような、
ただ「ブルックナー交響曲第7番」っていう曲を
私の思う通りに演奏したんだよぉ、って感じの、
なんとも突き抜けたあっけらかんとした演奏です。

響きは能天気と言っていいくらい明るく、金管などは硬直しまくって
いかにもアメリカのオケらしいサウンド。
そして特に1楽章に感じましたが「何じゃ、このメカニックな音楽は」
と感じるほどのある意味とてもわかりやすい音楽。
テンポは微妙に動かしているようだけれども、
音楽の作りそのものが「インテンポ」で一本調子な感じ。
メリハリが効いているようでも、それが自然の息使いには聴こえず
「ここにきたらこう音を出しましょうねぇ」と教科書に書かれたかのような
「一本調子」で機械的なメリハリ。
ここにはどこを探してもブルックナーの滋味や崇高さはなく
どこまで行っても人為的でまるで現代音楽のような響き。

ところが一番情緒的でこのオケに合っていなさそうな
2楽章はなかなかどうして。
元々音楽自体がとても情緒的に書かれているので
なかなか誠実でしっとりと歌ってくれるではないですか。
変に大見得を切って感情移入過多の演奏よりもずっと好感が持てますね。
カラヤンの遺作のドロドロした演奏よりもずっと良いように感じますよ。

スケルツォはまたみんな頑張りすぎて違和感アリアリですが、
フィナーレは音楽そのものがスケール小さく突き抜けたような
明るいものなのでそれなりに楽しく聴くことができます。

とまぁ、ブルックナーがまだ今ほど世間に認知されていない頃の
古き良き時代の一つの歴史でしょうかね、この演奏は。
決してお勧めできるCDではないけれども、
面白いと言えば面白いかな?
とにかくブルックナーからは最も遠い所にあるような、そんな演奏です。

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