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シベリウス ヴァイオリン協奏曲 [クラシック音楽]

シベリウスの没後50年企画第3弾。

ハイフェッツ(vn)、ヘンドル、シカゴ交響楽団(1959)
チョン・キョンファ(vn)、プレヴィン、ロンドン交響楽団(1970)
オイストラフ(vn)、オーマンディ、フィラデルフィア管弦楽団(1959)
クーレンカンプ(vn)、フルトヴェングラー、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1943(L))
前橋汀子(vn)、カム、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(1991)

推奨盤はこの5枚。
オイストラフ以外は全てヴァイオリン・ソロの音色が清澄で研ぎ澄まされており、
透明感溢れる色彩感も見事。
おかげで重くなりがちなフルトヴェングラーの伴奏は逆に野趣溢れる
北欧の自然のように響くし、前橋汀子盤のロイヤルPOの洗練された響きは
全く機械的に陥らずにソロと融和して冴え冴えとしたリリシズムのシベリウスを
描き出しています。
オイストラフはもっと男らしい骨太の響きで、振幅の大きい幻想的な味を醸し出していて、
フィラデルフィアOの響きがそれをあまり重くなり過ぎないように好サポートしています。

他に手元にあるのはムター、サラ・チャン、ムローヴァ、だけかな?意外に少なかった。
ムター盤、世間の評判は良いようですが私的には最悪の1枚。
粘りつくようなムターのヴァイオリンがもう我慢ならなくて(笑)。
上記フルトヴェングラーの響きもドイツそのものですが、あちらはクーレンカンプのソロと
上手く溶け合っていたのに、こちらはソロもオケもドイツ・ロマン派丸出し。
とてもシベリウスを聴いている気分になれません。
サラ・チャンはまだちょっとシベリウスは荷が重いかな、といった印象。
フレージングがたどたどしくなる所が散見されます。
この「間」が個性だ、と言われたらそれまでですが。
ムローヴァも評判は良いようですがあまりピンとこなかったなぁ。
小澤征爾の伴奏も含めて悪くはないんだけれどもなんかモヤモヤ感が・・・。
冴えきった透明感みたいなものが物足りないのかも。

映像で庄司紗矢香(vn)、コリン・デーヴィス、ロンドン交響楽団の来日公演(2004)
というのを持っていますが、これはサラ・チャンと同じくまだちょっとシベリウスは
難しいかな、といった印象。
チョン・ミュンフンとのチャイコフスキーのライヴ(東京フィル)はなかなか
良かったですが、やっぱりシベリウスはもうちょっと「大人の女性」に
なってからの方がいい曲なのかなぁ。
庄司紗矢香はもう数年後に期待ということで。

あっ、でもチョン・キョンファはデビュー盤でしたね。
彼女は若くしてもう精神的に成熟しきっていたのかな?
この頃の彼女は色々(東洋人に対する偏見とか諸々)大変だったみたいだし。

シベリウス:VN協奏曲ニ短調

シベリウス:VN協奏曲ニ短調

  • アーティスト: カム(オッコ), 前橋汀子, ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団, シベリウス, ブルッフ
  • 出版社/メーカー: ソニーミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1992/06/21
  • メディア: CD


シベリウス:VN協奏曲

シベリウス:VN協奏曲

  • アーティスト: フルトヴェングラー(ウィルヘルム), クーレンカンプ(ゲオルク), ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, シベリウス
  • 出版社/メーカー: 東芝EMI
  • 発売日: 2000/12/06
  • メディア: CD


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