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エウロパの海を目指して [▼科学ニュース New!]

エウロパという星がある。木星の衛星だ。英語読みでユーロパとも呼ばれる。
ユーロパは表面が氷で覆われているが、どうもその下には海が広がっているらしい。
しかもその深さは数十kmから100kmにおよぶとか!
もしかしたら生命がいるかもしれない!
そのユーロパの海を調査すべく、NASAは深海探査ロボットを作り、現在テスト中なのだとか。

●NASAが開発中の深海探査ロボット「DEPTHX」、目標はユーロパの海中探索
 http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200705212043

「DEPTHX」とは「未知の深さまで潜ってやるぜ!」という意味だろうか?
ユーロパに探査機を打ち上げるための予算はなく、計画ももちろん未定なのだが、
こういった形で着々と「地球外生命探査」の準備を進める米国の姿勢は学ぶべきだ。
っていうか、単純に楽しい。老弱男女に夢を与えるように思う。

DEPTHXの写真が下記サイトで公開されている。
●Field Robotics Center
 http://www.frc.ri.cmu.edu/projects/depthx/
製作過程や調整・実験中の写真もある。科学的実験というよりも、まるで映画の撮影のようで、
手作り感にあふれていて、見ていて楽しい。
こういった実験には当然失敗がつきものだが、そんなものは感じられない。

- - -
さて、日本はどうだろうか?
例えばJAMSTECの「しんかい6500」は、映画ではあれだけ活躍したにもかかわらず、
公式ホームページは堅く、お役所的な雰囲気。手作り感は感じられない。
http://www.jamstec.go.jp/j/about/equipment/ships/shinkai6500.html

しかし実際には「手作り」の潜水艇なのだ。
JAMSTECの技術者達は常に直面する技術的困難をまさに”創意工夫”で乗り越えてきた。
それでも困難は続く。いま直面しているのは、潜水艇のハッチの問題だ。
●有人潜水調査船「しんかい6500」安全確認のための試験潜航の実施について
 http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20070522/index.html

こういう問題はメーカーに丸投げして片付くわけではない。潜水艇運用のノウハウは
JAMSTECに蓄積されているのである。ハッチの問題はまだ解決していないようだ。
JAMSTEC技術者はいま一生懸命がんばっている。しかしそういうを姿を誰も知らない。
こんなときだからこそ、「しんかい6500へ励ましのお手紙を出そう!」くらいの企画が
あってもよいとおもう。いや悪ふざけじゃなくて、まじで。


   去年の「しんかい6500」
   はやく元気な姿を見せて!

そしてユーロパの海に潜りに行こう! H2Aロケットで!(無理か)

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- - -
おまけ:
上記のプレス発表ページよりも、新聞社の発表のほうがわかりやすいし詳しい。
(詳しい、っていうのは問題だ)
例:「しんかい6500」ハッチ付近に異常 調査潜航を中止(asahi.com:5/22)

つまるところ、国民への公表姿勢がまだまだ「お役所的」なのであろう。
科学技術の研究所は、国民をもっと楽しくさせなければダメだ、とおもう。


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honyapin-turedure

ホントに・・・もうちょっと くだけた感じで読ませてくだされば・・・とシロウトのワタシも思います
by honyapin-turedure (2007-07-06 12:08) 

MANTA

- ご意見ありがとうございます。
子供向けのページもあるんですけどねぇ
http://www.jamstec.go.jp/j/kids/index.html
一つ一つのコンテンツはおもしろそうなんですけど、全体を見ると
印象的ではない感じですね。
by MANTA (2007-07-06 12:36) 

HMS

 うーん.無理な注文でしょう.「開発失敗は税金の無駄遣いであり,叱責の対象となり,出世の道も閉ざされる」と眼前でほざいた人間がいましたから.

 公表することによって外部から譴責されたり、財務省から「予算カット」(日本の場合,中途で改造要求など出したら「新しい知見が得られた」とは思われずに,「当初の見積もりが甘い」と突かれます)を言い渡されるのがよほどイヤなようです.
by HMS (2007-07-07 10:32) 

KADOTA

こんにちは。読んでいるブログに加えていただきありがとうございます。
今晩のサイエンスZEROの水中ロボット特集をぜひご覧ください。そちらの機構の西村さんというがこの関係で熱心に取り組んでおられます。
by KADOTA (2007-07-07 11:55) 

MANTA

- HMSさん、コメントありがとうございます。
たしかに私の記事もちょっと脳天気すぎでした。「励ましのお便り」は
なんに対しての励ましなのか、ってつっこみもあちこちから入りそうです。

一方で、大学や国の研究所は、科学技術研究を誰のためにやっている
のでしょうか?財務省のためですか?自分達のためですか?
私は国民のためだと思っています。国民への情報開示に消極的で、
夢をあたえることもできないようでは、そんな研究はいりません。
国民の満足度なしに、財務省も満足しないでしょう。

あれこれ考えると、情報公開のタイミングやバランスが重要に思えます。
by MANTA (2007-07-07 17:47) 

MANTA

- すでに録画予約しました!ありがとうございます。 > KADOTAさん
今日は浦先生も出演されるんですね。
by MANTA (2007-07-07 19:02) 

MANTA

- 「情報公開のタイミングやバランス」について、次の記事に少し
書いてみました。といってもほとんどは「ブログ開始時の回想録」ですが(苦)
> HMSさん、みなさん
by MANTA (2007-07-07 19:43) 

エウロパには海があるかもという話は有名ですね!
ナノーブの出現で、これまでは考えられなかった場所でも、生物がいるかもしれないとワクワクしている人が出てきたご時世です。
エウロパにだって生物がいても何の不思議もないかも知れませんね。
話は地球に戻って、深海というものは、最も手の届きそうな地球上での人類未踏の地なのかなと思いました。
宇宙に飛び出すよりも、足元の深海の謎を紐解いた方が、得られることは多いのではないのだろうかと個人的には期待してます。
もしかしたら映画「アビス」のような別世界が広がっているかもしれないですしね(笑)
by (2007-07-16 02:31) 

MANTA

- 深海もそうですが、最近は海底下や地中にも生物が結構いるらしいと
いわれています。彼ら「極限生物」達はどうやって生きているのか?
どうやって繁殖しているのか?興味はつきません。

ナノーブ、という言葉は初めて聞きました > さすけんちさん
調べてみました。「極小生物」のことのようですね。極限生物に注目する学者も
ナノーブに注目しているようです。ナノーブは彗星の中にもいるのではないか?
あるいは宇宙空間などに普通に漂っているのではないか?と考え始めている
ようです。深海・地中・宇宙空間・他の惑星の生命の様子が分かると、生命の
起源の謎に迫ることになりますね。
by MANTA (2007-07-16 23:06) 

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