マリアナ釣り紀行? ~回収の様子~ (5) [ シリーズ実況 Old..]
乗船レポートつづきです。
では先ほどのアニメーションのように装置を釣り上げて回収してみましょう。
まず、船のブリッジの一角にある「指揮室」で船の底に備え付けられている超音波発振器
(トランスデューサ)と、超音波の発生装置を接続します。船の底で超音波を出すんです
が、ブリッジで操作をするんですよね。
準備ができたら海底の装置に向けて超音波信号を送ります。
ビヨビヨビヨ… = 生きてるか〜?(超音波信号ってだいたいこんな音)
待つこと数秒、海底から返事が返ってくると一安心。海底に装置があることが確認されました。
次におもりの切り離し指令を超音波で送信。
ビヨービヨービヨー… = あがってこい〜
これでおもりが切り離されるはずです。
おもりの切り離し方法にはいろいろありますが、多少時間がかかる場合があります。
待つこと10分… この時間が一番いやですね、私は。
指揮室でどきどきしているオーストラリアの研究者たち。
装置が海底から浮上しはじめたかどうかを知るために、超音波を送ってから帰ってくるま
での時間を繰り返し測ります。水中では音波のスピードは毎秒約1500mなので、
測った時間(秒)x1500÷2=船から装置までの距離(m)がわかります。
この距離(スラントレンジといいます)が急に短くなり始めたら、それは装置が浮き始め
た証拠です。
おっ、スラントレンジが縮み始めました。よしよし、装置が浮上を開始しました。
暗い海底から明るい海面へと、徐々に登っていきます…
装置が海面まで浮いてくる間、船はボーっとしているわけではありません。浮上中の装置に向けて
定期的に超音波を送信して、スラントレンジを測りまくります。
こうすることで、浮上予想位置と予想時刻を割り出すことができますので、
海面に浮上後の装置を見失うことなく、効率よく回収できるわけです。
:
約2時間経過
:
:
装置は無事、予想時刻に予想位置へ浮上してきました!
えっ、どこ?!見えません。いや確かに見えているのです。
写真の解像度のせいでもありますけど、実際に海面に浮いた装置はこんな程度にしか
見えません。近眼の私では見つけるのは無理。努力してますがいつも船員さんに先に発見いただいてます。
さてこの後、いよいよ「釣り上げる」わけです。
手順としてはこんなかんじ。
つづく。
※この記事の続きをよむには下記を御覧ください。
http://obem.jpn.org/field042.html
船員さんも大変ですね。
by ごとう@ふぉんど房 (2006-09-30 10:01)
- はい、いつもお世話になっております > ふぉんど房さん
今回は特に。なんかで恩返ししたいけど、私ができるのはせいぜい新聞やTVに調査の様子や成果を宣伝するくらいだなあ。論文にしても学会発表しても、船員さんは見れないし。
by MANTA (2006-10-03 17:57)