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緊急地震速報は無駄か? [▼科学ニュース New!]

伊豆東方沖で地震が相次いでいますが、4/21の地震(最大震度4)の時に緊急地震速報システムは「震度7」の誤報を出していたそうです。
<地震速報>伊豆沖で震度7?システム運用前に誤報 気象庁 (毎日新聞 5/2)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060502-00000049-mai-soci

緊急地震速報とはなんでしょう?明星電気のホームページの図が大変分かりやすいです(緊急地震速報とは)。地震発生直後、震源に近い地震観測点では初期微動(P波)が観測されます。この情報を元に震度や余裕時間を推定して、地震の強い揺れが来る前に地震速報を送る、これが緊急地震速報システムです。すでに試験運用は開始されており、昨年8月の宮城沖で起きた地震(震度6弱)ではうまく稼動したようです(大揺れ11秒前に「警告」 読売新聞)。今年の夏ごろまでに鉄道や病院、報道機関などの"特定利用者"へは情報配信が開始される予定です。また来年3月頃までにはわたしたち一般市民へも一部配信が開始されるようです(市民への予測速報は「震度5弱以上」、来春までに導入 読売新聞2/10)。

しかし残念ながら宮城沖のときとは違い、今回は誤報でした。震度4が震度7では揺れ(加速度)は10倍くらい違います(震度 Wiki)。ちょっと違いすぎるのはシステムのバグか?あるいは海底で起きた地震のためか?今後の原因解明と対策が期待されますが、あまり無理して夏までに導入しなくていいのではないかと思います。近い将来、緊急速報を受けて電車は急停車、信号はすべて赤、ガス・電気は停止といったことが自動的に行われるでしょう。誤報による経済損失はばかにならなりませんし、"急停車で怪我をしたけど地震は来ず"なんて人もでるでしょう。今回の誤報を含め、試験運用のうちに経験を積み重ねてほしいです。

もう一つの疑問は「そもそも緊急速報って役に立つの?」です。宮城沖の地震のときは11秒。さて何ができようか?機械が自動で行うものは効果大でしょう。先にあげたものに加えて、家電製品の制御、自動ドアの開錠・解放、エレベータの最寄り階での自動停止、建築現場ではクレーン操作室への警報などなど。民間の取り組みは徐々に始まっています(例:電子情報技術産業協会←いーわんさんのブログ:http://ten-thousand.at.webry.info/200604/article_23.html

携帯電話には「もうすぐ地震!」ってメールも届くでしょう。携帯に命を救われる日ってのもありえます。でもそれをうけとって、あるいはTVで警報をみて、さて我々人間はどうしましょう?10秒でできることなんてないよー、と私も思ってました。でも先日の地震。初期微動を感じて「小さい地震だったなあ、もう揺れはおさまったかな?」と思った直後に横揺れが来てびっくりしました。最初の揺れが初期微動だと分かっていれば次の大きな揺れには備えられたと思います。緊急地震速報があれば、もちろんより気持ちに余裕を持って地震を迎えられます。ということで個人的感想のレベルですが、「緊急地震速報、(無理しないでいいからそれなりにできあがったら)超役に立つので、はやくサービス開始して!」と思う次第です。無駄じゃないっす、うん。

ただ緊急地震速報を含む地震速報の出し方は考えないといけない。いまの地震速報と同じくやたらとTVに出しまくると、ブログ南雲研究室に書かれているように「オオカミ少年」といわれても仕方ないかも… 気象庁さん、がんばってくださいー

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fumifumi

コメントありがとうございました。緊急地震速報10秒前でもかなりありがたいのでしょうが、シュミレーションして行動できるように訓練しとかないと私としては即反応できる自信がないです。。なんかフリーズしてしまいそうで・・
by fumifumi (2006-05-08 21:33) 

乾物屋

自分は、あえて「オオカミ少年」になりたいと考えます。

写真でもいきなり撮られるのと、「はいチーズ」とでは、写りが違います。揺れを感じてから地震と判断するのと、地震がくると警告されていて揺れに備えるのは、大きな差が出ます。

最近問題となっているEV閉じこめ事故ですが、PS時間内にボタン乱打して最寄り階で停止開扉できれば、数万人と予想されるEV閉じこめ要救護者を無傷で避難させることで、救助に必要な地震発生から48時間以内のマンパワーを大きく向上させます。助ける側も被災することを忘れてはなりません。そしてこれはMANTAさんが指摘されているように自動化の効果が絶大ですが、危機意識を持った住民に「適切な」情報が伝達できればそれなりに効果がでます。

阪神大震災を知るものとしては、誤報によるデメリットを、緊急地震速報によるの減災が上回ると信じます。先月お亡くなりになった災害社会学の広井脩先生なら、どうお考えになったかと考えると逝去が残念でなりません。インフラやハードウェアだけでは防災はできないことを痛感してしています。

(緊急調査 ~結果速報~のエントリーで ※ところで乾物屋さんのページ、最近の記事が消えてしまってますが…なぜ?>イリーガルな引用なので、やばくないように速報性が薄れたら消しています。せっかくいただいたNiceは残念ですがご容赦くださいませ)
by 乾物屋 (2006-05-08 22:38) 

MANTA

- fumifumiさん、乾物屋さん、コメントありがとうございます。
乾物屋さんの 「インフラやハードウェアだけでは防災はできない」というご意見、同感です。
・緊急地震速報に甘えることなく、日本人自身が防災への意識をしっかりもつこと
・政府や関係機関はパニックなどにならないように防災教育をしっかりやること
・仮に誤報となっても、政府や企業がそのあとのフォローができるようにすること
が今後のリアルタイム防災で重要なのかな、とご意見を頂いて思いましたです。

※乾物屋さんの記事の件、理解しました。なるほど
by MANTA (2006-05-09 07:48) 

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