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エアポート [旅]

2月1日(水)
もともと海好きで港町に愛着を感じるのに似て、旅好きの私はエアポートと言う場所にとてもドラマを感じる。外国から飛行機で飛んでくると最初に接触するのが空港。それぞれの地域の特徴を凝縮して表現してるようで面白い。様々な方角から人々が集まり短い間空間を共にし、そして散り散り去って行く。

海外旅行をした人なら誰もが知ってる感覚だろう。
飛行機が着陸態勢に入り高度を下げて行き、小さい窓から見慣れた景色が見え始め、そしてど~ん、と言う衝撃と逆噴射のごお~っと言う音がする着陸の瞬間。
“あ~帰ってきた”と言う何とも言えない安堵感。

新しい土地に住み、どこかに旅にでかけた後、空港に戻って来てこの安堵感を感じ始めると、私はこの土地がやっと私の家になったのだなあ、と認識する。大体1年半位はかかるだろうか・・・。

この安堵感を、成田に戻って来ても感じなくなってる自分に気づく。
長旅を終えた安堵感はある。故郷に戻って来た、と言う喜びもある。
でもそれは、家に帰って来た、と言う安堵感とは違う。

私は日本人と言う事は絶対変わらないけれど。ここには住んでいない。

日本に滞在すればするほど、この感覚は強くなる。
知ってるけど、知らない所がたくさんある。懐かしいけど、驚きがある。

私は日本が大好きだ。あらゆる意味で。

デパ地下の食料品売り場をただ見てるだけで何時間も過ごせる。日本の豊富な食品数。綺麗な陳列とパッケージ。開けやすい様にさりげなく付いてる切り口やはがしやすいカバー。丁寧な店員さんの対応。どれをとっても感動する。アメリカでは絶対ありえない。無いから感動するし、その有難さがわかる。アメリカのスーパーは大きさにしたら日本の100倍位はあるが、品数は日本に比べてかなり少ないのではないか。せいぜいコーンフレークの箱が100メートル位の棚に百種類位並んでる程度か。アメリカ人の友達がこれじゃないとバナナが違うから嫌だ、とかこだわりを見せていたが、私にはどこがどう違うのやらわからん。そもそも何でアメリカは何でも無駄に大きいんだろうね。洗剤にしても牛乳やソーダーのペットボトルにしても。

千家の元家元が、日本の国連の平和大使になり、茶の湯を通して日本の良さを海外にアピールしていくという新聞記事を読んだ。その背景には、日本の国連加盟50年を記念し、又常任理事国になると言う目標を果たす為の各国の同意を得る為。

千家の彼は言う。日本は、礼に始まり礼に終わる国。余裕のある、おもてなしの心の国。思いやりのある国。

本当にその通りだと私も思う。日本人の相手に対する気遣い、心配り、思いやり、礼儀。私の経験する限り、こんな国は世界中どこを探してもない。

しかし彼は同時にこう嘆く。いつの間に物の有難さを忘れ、目先の利益だけにこだわる国になってしまった事は悲しい。

ライブドア事件、耐震偽装事件、今の日本の状態の象徴なのだろうか。
お客様や仕事のパートナーに対する気遣い、思いやり、心配り、礼儀。これがあれば起こりえない事件だっただろうに。

アメリカに住む一日本国民として、私は日本の良さを周りに伝えて生きたいものだな。アメリカにもそして日本にも。

この歌が頭の中を流れ、つい引用したくなる。

ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土の乞食となるとても
帰るところにあるまじや
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
遠きみやこにかへらばや

室生犀星 (でた!薀蓄・・・)

この歌の意味が前はよくわからなかったのだが、今は何となくこう思える、。
ふるさと、とは。遠くにあって思っている方が良いのかもしれない。
そうすれば、良い所だけが思いだされるからね。。。。

4日間の短い滞在を終え、明日成田からアメリカに戻る。成田を旅たつ時。どう感じるだろうか。

今は・・母の料理をお腹がはちきれんばかりに食べ続けて超ご満悦。心理的には、両ほほをふくらませてるリス状態。”当分食べられないから今のうちに突っ込んでおくぞ”と。後で取り出して食べられないのが残念(笑)


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tatsuya

ハリウッド映画 『ラスト・サムライ』を見た時、
アメリカ人の方が日本人よりも日本の良さをよく知ってるんじゃないかと、少々危機感を感じました。
日本人が消えた・・・と外国から言われないように、僕たち若い世代が
日本の良さを引き継いでいかなきゃいけないですよね。。。

空港がすき・・・というZunkoさんの感覚に似て、僕は”駅”が大好きです。
by tatsuya (2006-02-01 23:01) 

うーん、アメリカ生活が長くて第2言語で不自由なく生活が出来る方が「日本が大好き!」っておっきな声で言ってくださると、日本人の私はとてもうれしいです!アメリカで英語が話せなくて情けない人生を送っている私が「日本に帰りたいようー!」と言って泣くのとは、言葉の重みが全然違いますもんね!
by (2006-02-02 11:10) 

Zunko

tatsuya さんへ
日本文化は日本人が気付いてる以上に海外の国々から尊敬を集めてる。変化は必要だけど。懐古主義になれとも言わないけれど。良い部分は残し、変える所は変える、メリハリが必要だと思います。私は小泉内閣は評価してますが、このバランスが欠けてると思う。本当に改革する必要のある部分と残す部分を見極めずに、ただ構造改革、と唱えた所で闇雲に変えよう、と言う風潮ばかりが先立ってしまってる気がする。まあこれは、ワンマンのトップが方向のビジョンを口にするけどそのビジョンをもとに実際にどうするか何をするかの行動計画を立てられる中間管理職(大臣ども)がいない悲劇の様な気もします。
(この辺りも今度書いてみようか)

私も駅、好きですよ。特に上野駅。東北の玄関だったでしょう?
とても風情がありました。駅と言うより、停車場、と言う呼び名の方が好きだな。 ふるさとの訛りなつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく 石川啄木(コメントにも薀蓄、ごめん)。 私もカリフォルニアの空港に行った時は、結構日本人見て喜んだりしています(笑)
by Zunko (2006-02-03 12:30) 

Zunko

i-pod mini子 さんへ

私、日本大嫌いだったんですよ。その’嫌い’がエネルギーになってこうして海外に出てこられたのだと思うのですが、離れて暮らして日本を見れば見るほど、日本の良さが見えてきて大好きになったんですよ(逆もしかりですけどね。嫌な所もたくさん見えてきて、嫌いだと思ったのも当然だなんて今は思います)。所詮、肌の黄色い人は欧米ではマイノリティー(黒人やヒスパニックと同じカテゴリー)なので、黄色いだけで見下したりこ馬鹿にする人達がいるので、逆に日本の良さに目が向いたのかもしれないですね。’こんちきしょ~日本を馬鹿にするなよ’みたいな感じです。 
by Zunko (2006-02-03 12:37) 

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