幻の放送録音より バルトーク♪ [CD♪]
リパッティのCD「幻の放送録音」より
最後はバルトークのピアノ協奏曲第3番。
バルトークの絶筆となった作品です。
この第3番はピアノはバルトークの弟子でもあったピアニスト、
ジョルジュ・シャンドール、ユージン・オーマンディ指揮の
フィラデルフィア管弦楽団で1946年に初演されています。
リパッティがアンセルメとともにスイス初演をおこなったのは1947年。
この録音の演奏は1948年の5月30日です。
バーデン=バーデンから生中継された時のもの。
CDのライナーノートを書いたブライス・モリッソンによると
リパッティはこの曲がとても気に入っていたのだそう。
「情感があふれつつ汚れのない、奇跡ともいえる作品です。
心が揺さぶられ、私はそこに流れる主張をつかもうと夢中になりました」
と恩師にあてて手紙で書き綴っています。
第1楽章はアレグレットでソナタ形式。
印象的な主題で始まり、次々と音楽が踊っていきます。
明るくテンポのよい澄み切った魅力あふれる楽章です。
第2楽章はアダージョ・レリジオーソで3部形式の緩徐楽章。
神聖な雰囲気で清らかな感じがします。
大きな広がりと光を感じます。
第3楽章はアレグロ・ヴィヴァーチェでロンド形式。
締めくくりにふさわしい華やかなフィナーレ。
民族的な旋律とその展開が魅了してやまない曲です。
残念ながらオーケストラがかなり不安定ですが・・・
リパッティの曲への思いはとても感じられます。
ピアノの素晴らしさにただただ感嘆・・・!
この曲の真価を伝えてくれる一枚ではないでしょうか。
- アーティスト: リパッティ(ディヌ), バッハ, ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団, べイヌム(エドゥアルド・バン), リスト, スイス・ロマンド管弦楽団, アンセルメ(エルネスト), バルトーク, 南西ドイツ放送管弦楽団, ザッハー(パウル)
- 出版社/メーカー: 東芝EMI
- 発売日: 2001/01/31
- メディア: CD
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