マンハッタン殺人ミステリー (1993) US <Manhattan Murder Mystery> [film reviews]
ウッディ・アレンがミア・ファローと別れた後の作品。『アニー・ホール』(1977)の16年後につくられた今作は、もしもあの二人(アルビー&アニー)が結婚して子供も授かっていたら、こんな夫婦になっていたんじゃないかとつい考えてしまいます。ウディも、そんな狙いを少なからず期待していたんじゃないかな?
マンハッタン暮らしのラリー(ウディ・アレン)とキャロル(ダイアン・キートン)は、倦怠期の夫婦。お隣のハウス夫妻にお茶に招かれるが、翌日ハウス夫人が心臓発作を起こして亡くなったことに驚く。キャロルは妙に明るいハウス氏に疑心暗鬼となり、友人のテッド(アラン・アルダ)と共に私的捜査に乗りだすが---
ウディと元カノ・ダイアンは、なぜ別れてしまったの?と首をかしげてしまう程、息のあったところをみせます。ウディのアドリブと思わせるセリフに対してダイアンが本気笑いしている姿は、観ているこちらも微笑ましい。ハウス氏に脅迫テープを聞かせるくだりなんか、繰り返し観ても心底笑えるし、ほかにも可笑しなシーンがコロコロ転がっていて、ウディのコメディ作品No.1ともいえます。とにかく、2008年初笑いはウディにやられっぱなし。
ミステリーの謎解きは、素人くささがドタバタを生みなまぬるさもあるけれど、探偵気どりのキャロルと対照的に、いつもの暮らしを貫こうとするラリーの凸凹ぶりが可笑しく、こういう夫婦と夫婦友達になりないと心から思いました。
二人をみていて感じたのは、若い頃は女性が安定を求め男性は変化を好むのに、結婚してしまうと若い頃と逆の思考をお互いに持つ傾向があるのかなということ。それって、世の夫婦にあてはまるとドンピシャな気が。年月を重ねてあんな夫婦になれたらそれはけっこうな幸せかもしれない・・・けれど、そこ迄ちゃんと辿り着くのかはまったく自信がないな(私)とか、結婚がある意味キーワードとなっていて、既婚や経験者は我が身と重ねてみても面白いハズ。
「ワーグナーを聴くと、東欧侵略したくなる」は名セリフ。前にも書いたけれど、インテリなのに自身をネタに笑いがとれる人って魅力的。ウディは、ちょっとタイプじゃなけれど・・・(笑)
おしどり夫婦
◇監督:ウディ・アレン 『インテリア』、『マンハッタン』、『僕のニューヨークライフ』
◇脚本:ウディ・アレン 『アニー・ホール』、『ハンナとその姉妹』、『ギター弾きの恋』
マーシャル・ブリックマン <Marshall Brickman> 『インテリア』、『マンハッタン』
◇撮影:カルロ・ディ・パルマ 『欲望』、『ブロードウェイと銃弾』
◇出演:ダイアン・キートン 『ゴッドファーザー』、『ミスターグッドバーを探して』、『恋愛適齢期』
ウディ・アレン 『007/カジノロワイヤル』、『ワイルドマンブルース』、『CIAの男』
アラン・アルダ 『カリフォルニア・スィート』、『世界中がアイラブユー』、『アビエイター』
アンジェリカ・ヒューストン 『郵便配達は二度ベルを鳴らす』、『ダージリン急行』
ロン・リフキン 『夫たち、妻たち』、『マジェスティック』、『エイリアス』
こんばんは。
これは私も大好きな作品です。ウディとダイアンは息が合ってますよね~。別れた後もいっしょに映画を撮れるなんて、いい関係ですね。大人だわぁ。この作品ではダイアンのファッションも素敵でした。
クリスさんはウディのことタイプじゃないんですね。私はやっぱり、結構タイプかも。思い出すのは、「アニー・ホール」でダイアンが部屋に蜘蛛が出たからといって、真夜中にウディを呼びつけ、ウディはあたふたしながら駆けつけるくだり。こういうおとこの人って、かわいいと思うんだけど……。(外見は好みじゃないんですけど。)(^^)
by coco030705 (2008-01-15 21:35)
私もウディみたいな性格は好きですね。アニーのときの彼もそう。やっぱみかけがちょっと・・・(苦笑)
ほんと、この二人がいちばんお似合いな気がします。今はウディも落ち着いちゃってるけれど。また、共演してほしいですね!
by クリス (2008-01-16 22:56)