天然コケッコー (2007) Japan [film reviews]
記憶が正しければ、2007年になって初めて観た邦画かもしれません。邦画って、コレが観たい!! という気持ちになかなかならなかったけれど、今作がけっこうイケてて俄然もっと観たくなりました。問題は一つ、うちの彼がいない時に抜け駆けして観なきゃいけないこと。英語字幕がつけば良いのにって、思ってます。
ど田舎といっても決して大げさじゃない木村町。小中学生合わせて6人しかいない分校に、中学二年生の右田そよは通っていた。ある日、東京から同級生の男子生徒が転校してくる。彼、大沢広海は都会っぽいお洒落な雰囲気をもっており、そよは心なしか浮かれる。しかし、田舎の暮らしに馴染めない大沢は、ことあるごとにそらと衝突するが・・・。
くらもちふさこの漫画が原作って、懐かしい名前を聞いたなぁと思いました。彼女の漫画は「海の天辺」一冊しか読んだことはないけれど、思春期の頃に読んだこの漫画は、大人になってからも度々読みましたね。くらもちふさこが原作ということしか知らなかった今作、嬉しいサプライズが二つありました。
一つは、脚本が「ジョゼと虎と魚たち」を書いた渡辺あやだということです。観る前から知っていたら、もっと安心して観ていられたかもしれませんね。もう一つは、ほんとうに驚いたけれど、ロケーションが島根県、それも浜田市の協力を得て行われていたことです。方言からいって、広島のほうかと思うちょりました。
うちの父母は島根県出身、浜田は偶然にも母の故郷なんです。小学生の頃、毎夏通ったお婆ちゃんの家が、野球やったり虫とりに走り回ったあの頃が、スクリーンをとおして走馬灯のようによみがえりました。夏祭りのシーンに映る石見神楽の「大蛇」は、ついこの盆に実家に帰って母と一緒に観たばかりだったし。
実は、うちの会社のエンジ・コンサル部には、珍しく島根出身者が二人もいて、その一人Nさんに石見神楽を撮ったビデオをダビングしてもらっていた。浜田駅前の、そよと大沢君がしばし立ち止まる石見神楽人形のことも、「こげなもん作っちょーよ」と叔父さんからTELがありました。地元にとっては、オオゴトだったようです^^
観るタイミングがどんぴしゃだったと感じたのは、作風のせいもあります。近頃、やけに純粋な想いに触れたくなる・・・。そういうのに弱いってことは、よくわかっているのに。前の月9ドラマ、『プロポーズ～』を真剣になって観てしまったせいかな（密かに社内ファンが多かったこのシリーズ、途中迄は最高の展開だったのに! 6回くらいからえらくつまらなくなりました）。
そらがいう、「もうすぐ消えてなくなるかもしれんと思やあ、ささいなことが急に輝いて見えてきてしまう」ことが、「もう消えてなくなって幾年も経っているけれど、今も輝いてみえている」ってことなのかもしれないなと、ちょっとうまく言葉にはならないけれど、気持ちにはダイレクトに感じるものが多くありました。DVD欲しいかも。そして、ロケ地巡りしたいな～。
◇監督:山下敦弘 ◇原作:くらもちふさこ ◇脚本:渡辺あや ◇撮影:近藤龍人 ◇編集:宮島龍治 ◇音楽:レイ・ハラカミ ◇出演:夏帆 岡田将生 夏川結衣 佐藤浩市 柳英語里沙 藤村聖子 森下躍梧 本間るい 宮澤砂耶 斎藤暁 廣未哲万 黒田大輔 大内まり
こんばんは～
蟻銀さんの記事で邦画は珍しいですね。
とにかく、良い雰囲気の映画でしたよね。個人的には夏帆恐るべしって感じです。渡辺あやさん脚本の映画は結構観てますが、本作は非常に良くまとまっていて凄いなぁと感じましたです。
邦画結構良いですよ～！
個人的に次は『めがね』です！
by (2007-09-02 01:46)
こんにちは〜！
私も学生の頃、「海の天辺」を読んでました。で、社会人になってからも、あの優しいのんびりした空気が好きで「天然コケッコー」も読んでました。（でも、単行本13巻あたりでフェイドアウトしてるんだけど...）あの方言は、島根県の設定なんですね。
今、蟻銀さんのレビューを読んで初めて知ったのですが、レイ・ハラカミが音楽担当なんですねっ！！島根の風景に彼の音。ものすごく興味あります〜。観なくちゃ〜♪
by Lucy (2007-09-02 11:35)
トチオさん、こんばんは♪
夏帆って初めてみましたが、どんぴしゃって感じがしました。
日本にいなかった間に公開された作品も含めて、時間を作って観ていかなきゃと思った次第デス。「めがね」は私も予告を観て、観たいなと狙ってます☆nice!をありがとうございます。
Lucyさん、ご無沙汰してます！
やっぱり「海の天辺」読みました？なかなか、良いですよね、あの雰囲気。「天然コケッコ－」はまったく知らなかったんで、漫画喫茶とか行って読もうかなぁと。レイ・ハラカミも知らなかったんですが、音楽は開放感がありました。nice!をありがとうございます。
by クリス (2007-09-04 00:09)
ヨイ作品でした
何の期待も持たずに見たので
余計に心に染みてしまいました
浜田は、義姉の故郷でもあったので
二度ビックリの作品でした
by 魚河岸おじさん (2007-09-05 16:26)
魚河岸おじさん、こんにちは♪nice!をありがとうございます。
私も、余り期待せずにいったせいか、大きな拾い物をしたと嬉しくなりました。浜田が舞台だったことも大きいです。久しぶりに行きたくなっちゃいました。
by クリス (2007-09-08 10:09)
いい映画でしたね。
すーっと心に入ってくる感じで、無理せずともその世界を堪能できます。
14歳は遠いんですけどね^^;
by 江戸うっどスキー (2007-09-24 23:46)
江戸うっどスキーさん、nice!をありがとうございます。
14歳、遠いですよねぇ。でも、又戻りたくなりましたよね。
もっと素直にものを感じられる青春を送りたかったです。斜めに読むクセがあったからなぁ・・・。
by クリス (2007-09-25 22:38)
14歳はワシの青春じゃったんよぉ。
ハナからそのつもりで観ればよかったワイ。
…クリスさんも、邦画観ることあるのねｗ
それにしても、こんなに素敵な場所で夏を過ごしていたなんて
羨ましすぎます。
by ken (2008-02-23 01:30)
kenさん、
nice!をありがとうございます。
邦画も、観ないって決めてる訳じゃないんですけどね。
子供の頃は、かぶと虫を捕まえたくて、いつも追っかけてた記憶があります。
by クリス (2008-02-23 12:51)