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プレステージ (2006) US/UK <The Prestige> [film reviews]

観たいなと思う作品を選ぶ基準は大きくわけて三通りあって、①作品の雰囲気②良い監督③好きな役者の中からほぼ決まります。最近は特に③の比重が高く、今作も①、②共にあるけれど、③がいちばんの楽しみだった。誰かというと、天才マジシャンの一人、ボーデン役のクリスチャン・ベール。良い役者だなといつも感じているけれど、顔が特に好きな訳じゃない。なのに惹かれる理由はただ一つ、彼の声が大好き。いくらしゃがれても、かすかに低音を感じさせる所がセクシーすぎてクラクラきます。そんな彼を思う存分堪能しました、これ以上申すことはありません(笑)

"グレート・ダントン"ことアンジャー(ヒュー・ジャックマン)と"ザ・プロフェッサー"ことボーデン(クリスチャン)は、若い頃から互いの才能を認め合い、マジシャンとしての腕を競っていたが、ある日アンジャーの妻が脱出マジックに失敗し亡くなる事故が起こり、アンジャーは彼女の腕を縛ったボーデンへの復讐へと駆られる。ボーデンはサラと出会い幸せな家庭を築こうとするが、二人の確執は激しさを増していき---

原作は、世界幻想文学大賞を受賞を受賞した、クリストファー・プリーストの「奇術師」。終盤、アンジャーの有り得ないマジック(というか発明装置)に現実感がかなり薄らぐけれど、あれは原作に忠実らしいということから納得するしかない。ニコラ・テスラという、かのエジソンと「直流(エジソン)・交流(ニコラ)」の対決があった実在の人を使ってああいう発明装置(ネタバレ回避)を作るというのは、観客はそれをどう捉えたら良いのか落ち着き所がない感じだ。実際日本人は、ニコラについて私も含めて今回初めて知った人も多いことを考えれば、あの設定が飛び抜けて非現実的に思えるのはいたしかたない。

マジシャンを扱った作品らしく、至る所にトリックのトリックや、トリックに関するキーワードが散りばめられていて、観終わった後に"あの時のあれはこうだった"風な話が延々と続けられるのは楽しい。そういうオチかよ、ズルいぞとガッカリした人、天才マジシャンの二人共に嫌悪感を持ってしまった人、スカーレット・ヨハンソンが観たかったのに、チョイ役程度の扱いにガッカリした人、その気持ちはよく解る。けれど今回はクリスチャン・ベールの渋い声に、うっとりしっぱなしだった。もちろん作品の鑑賞目線はずっとボーデン、たまにはそういう鑑賞も良いかと勝手に納得させてみた。

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◇監督:クリストファー・ノーラン <Christopher Nolan> ◇原作:クリストファー・プリースト <Christopher Priest> ◇脚本:クリストファー・ノーラン <Christopher Nolan> ジョナサン・ノーラン <Jonathan Nolan> ◇撮影:ウォーリー・フィスター <Wally Pfister> ◇編集:リー・スミス <Lee Smith> ◇プロダクションデザイン:ネイサン・クロウリー <Nathan Crowley> ◇衣装デザイン:ジョーン・バーギン <Joan Bergin> ◇音楽:デヴィッド・ジュリアン <David Julyan> ◇出演:ヒュー・ジャックマン <Hugh Jackman> クリスチャン・ベイル <Christian Bale> マイケル・ケイン <Michael Caine> スカーレット・ヨハンソン <Scarlett Johansson> パイパー・ペラーボ <Piper Perabo> レベッカ・ホール <Rebecca Hall> デヴィッド・ボウイ <David Bowie>


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Catcat44

蟻銀さん、こんばんわ!
私個人的にはヒュー・ジャックマンの方が好きなのですが・・・(笑)
あのSF的な展開は、意見が分かれるだろうなと思いました。
アンジャーの、小鳥生還マシーンは、うわ~っと思いましたが。
ニコラ・テスラって実在の人物だったんですか?一番の驚きです。
by Catcat44 (2007-07-15 20:59) 

coco030705

こんばんは~。おひさしぶりです。
クリストファー・ノーラン、私はバットマン・ビギンズしか見ていませんが、
すごくおもしろかったです。いい役者ですよね。彼ってそんないい声でしたっけ?この映画も見てみないといけませんね。
by coco030705 (2007-07-16 00:23) 

こんにちは。どうもヒュー・ジャックマンが軽く見えてしまい、あと一歩って感じの映画でしたね。未来的な機械が出てきたと思ったら、あんな原始的なトリックのオチかよ~と突っ込みたくなってしまいました(笑)。
by (2007-07-16 11:30) 

クリス

LICCAさん、
二人のうち、どちらかが好きなら肩入れしてしまいますよねー♪
小鳥のシーンは、そういうことかと残酷な気持ちになりましたね。ニコラ役のデヴィッド・ボウイがデヴィッドにみえなくてビックリしました~。nice!をありがとうございます☆

cocoさん、
お久しぶりです♪この監督の作品は、やっぱり『メメント』がいちばん良い気がします。クリスチャン・ベールの代表作はなにかなぁ?と考えてみましたが、彼の初期の作品は余り観てないことに気がつきました。これからいっぱい観るぞー!nice!をありがとうございます☆

katoyasuさん、
悪くはなかったんですけどねー、けっこうな緊張感を持って観てましたがネタを知って気が緩んだかなという感じです。おっしゃるとおり、トリックの落差が激しかったですよね。あそこまでいろんなトリックをみせられて、あのオチには繋がりませんでしたよー。nice!をありがとうございます☆
by クリス (2007-07-16 22:10) 

ヒュー・ジャックマンより、クリスチャン・ベイルのがキャラ立ちしてましたよね。そのバランスの悪さみたいのはあったけど、クリスチャン目線の蟻銀さんには満足のいける構成だったのかな(^^)
観る前の印象と観終わった後の感想がかなりずれる映画でしたね。
それでも意外と楽しめましたよ!
by (2007-07-18 00:42) 

クリス

トチオさん、こんばんは~。nice!をありがとうございます。
やっぱりヒューはちょっと軽くみえちゃいましたかね。というか、ベールしか真面目に観てなかったですけど(苦笑)観る前は、もっとエンターテイメントしてるかと思ったら、意外と暗かったような。そのほうが好みだったりはします。悪くはなかったと思いますよ。とりようによってはムツカシイですけどねー。
by クリス (2007-07-20 23:57) 

Sardanapalus

途中で最後のオチが読めてしまいましたが、私はそれでもまあまあ楽しめた作品でした。アンジャーの瞬間移動トリック(?)もボーデンの瞬間移動とムラッ気のある性格のオチも、冷静に考えれば無理があるとは思いますが、2人の騙し合いと邪魔し合いが段々エスカレートしていく展開はそれこそマジックショーを見ているようでした。あのちょっといかれ気味の性格設定のテスラには驚きましたが、ボウイが動いているのを見るのは久しぶりだったので、それはそれで(^^)何より、個人的にはロンドンの劇場がいっぱい登場したのが嬉しかったです♪
by Sardanapalus (2007-07-21 22:07) 

クリス

Sardanapalusさん、
わー、コメントが遅くなってしまってスイマセン!完全に気がついていませんでした、、、o(_ _)o そうそう、私もボウイの今の姿って久しぶりに観た気がして、嬉しかったです。最初、え?彼が?みたいな驚きがありましたけどね。クリスチャンにはもっと英国を舞台にした作品にでて欲しいなーと、個人的には思っています。
by クリス (2007-08-11 02:19) 

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