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スパイダーマン 2 (2004) USA <Spider-Man 2> [film reviews]

   前にも書いたことがあったけれど、『スパイダーマン1』は私にとって思い出深い作品。渡英してしばらくは言葉にかなりの不自由を感じていた為、幾ら映画禁断症状が表れたって観ても解からないんじゃ余計にストレスを感じると、新作に関しては1本も観なかった(観れなかった)空白の時期がありました。

   約5、6ヶ月経った頃にそろそろかなと劇場に観に行ったのが、今シリーズ1作目。かなりの集中力を駆使して観たから終了後にどっと疲れたのと、斜め前の孫連れのお婆ちゃんが、上映中ずっとペンライトを点けて読書していたのをよく覚えています(笑)あれから5年経ち、パート3の為にも2をそろそろ観なきゃと思い、前にKちゃんにもらったDVDをようやく開けてみました。

   ウィリアム・デフォー扮するグリーン・コブリンとの死闘から2年後が舞台。ピーターは新聞社へ(自身=)スパイダーマンの写真を売り込み生計を立てつつ、NYの街を守っている。舞台女優となったMJとは前にもまして距離が遠のき、とうとう彼女は別の人と交際をはじめてしまう。

   父(コブリン↑)を失った親友ハリーも、スパイダーマンへの復讐に執念を燃やしていて、スパイダーマンとの関わりを感じるピーターに執拗に情報提供を迫る。複雑化していく二人との関係に悩む日々のピーターは、ある日スパイダーマンとしての能力を失いかけていることに気づく。そんな中、Dr.オクタビアスが実験中の事故から怪人ドック・オクとなってしまう。

   この種のポップコーンムービーもしくはアメコミヒーロー映画において、これ程ドラマ部分を堪能した作品はないかもしれない。3も観た今となっては、このパート2がいちばん好き。トビー好きな気持ちが溢れて、ピーターの苦悩をモロ私の悩みのように重ねて観てしまった。ヒューマンを感じられるヒーロー像を、上手く作ったと思います。

   彼への贔屓目抜きにこの作品は語れないけれど、スパイダーマンとしての使命がピーターの人生に負担となっていく所は、ドラマパートの作品への効果を期待していなかった分グッときた。ピーターがヒーローを続ける上においては、避けては通れない必然性にみちたストーリー展開となっていたのも、ファンタジック要素と現実感が上手く融合したMARVELらしい作り。

   しかしMARVEL作品は、『ブレイド』や『X-MEN』は良かったとしても『ハルク』や『デアデビル』etc 露骨に失敗したケースも多い。すると、何故今作は成功したのか? というところが気になります。『ハルク』だって『デアデビル』だって、ドラマに重点を置いて作られています。ハルクは、アン・リーが監督したことからも想像つくと思いますが。

   メインとなるスパイダーマンと怪人ドック・オックとの対決シーンの凄まじさが挙げられる。ドック・オックの変幻自在な攻撃手法は、かつては天才博士だったDr.オクタビアスがコントロールしているという点からもその強さにスキが感じられない。ボロボロに身を削って戦うスパイダーマン=ピーターにニューヨーカー達が感じたシンパシーを感じずにはいられません。

   又、サム・ライミという絶妙な監督選も引き続き効果を上げている。彼特有のマニアックさが作品完成度をあげる傍ら、大衆をターゲットとしたバランスも上手く保っている。『ハルク』のアン・リーや『デアデビル』のマーク・スティーブン・ジョンゾン(『サイモン・バーチ)』は、ドラマが重すぎてアクションが上手く撮れなかったのが敗因だろう。

   しかしラストは、ああいう展開になるのが嫌いな私にとっては、少々後味悪く感じた。あそこ迄行く前に止められなかったのかと、相手の気持ちも考えろよ(>MJ)といいたい。ほんと、最後の最後になって結婚をドタキャンするドラマって、好きじゃないんですよね。故に、『卒業』も素敵~なんて思えません。結婚って1人の問題じゃないし、傷つく人がそこにはいるから。


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ken

3部作品はまんなかのパートが面白い、とはよく言われることですが、
僕もスパイダーマンはパート2が一番よく出来ていると思います。
ピーターの人間としての描き方が、一番好感が持てるんですよね。
あとはヒーローであるが故の苦悩の「追い込み方」が上手かったと思います。
by ken (2007-06-10 15:33) 

tomoart

ピーターに感情移入出来ないワタシでも、2はそれなりに楽しめましたw

それにしても登場人物達が全員ひねくれているのは恐ろしい程ですねぇ(爆)。ドック・オクが真っ当な人間に見えます(笑)。その辺りのドラマ的な作りは、ワタシは逆に今イチ乗れませんでしたが・・・・。
by tomoart (2007-06-11 00:35) 

クリス

kenさん、こんばんは♪
そうそう、ピーターらしさがよく表現されていて、とっても好感が持てます。3はちょっとやりすぎちゃったかなf^-^; とトビー好きな私さえひきそうになりました。

tomoartさん、こんばんは♪nice!をありがとうございます。
ドック・オクは純粋すぎたんですよね、わかりますが暴力激しくて怖かったです(苦笑)
by クリス (2007-06-17 22:05) 

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