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ハリーの災難 (1955) US <The Trouble with Harry> [film reviews]

ヒッチコックをこよなく観てる訳じゃないけれど、いちばんのお気に入りは『北北西に進路を取れ』(『裏窓』も好き)。ケイリー・グランドが忍び込む、絶壁の上に建つフランク・L・ライトっぽい屋敷に暮らすのが夢。『ハリーの災難』は借りる予定はなかったのに、"ヒッチコックのスリラー/コメディ" とあって自然と手が伸びてました。

バーモントの田舎町を舞台に、ハリーという名の死体を巡るコミカルな謎解き。とにかく死んだハリーが埋められたり、掘り起こされたりを繰り返すプロットがシュールな笑いを誘う誘う(笑)傍ら、ロマンチックな展開もきっちり描く進行が、死体を弄ぶブラックな要素を、明るく朗らかな印象にしている。昨今のチャラチャラしすぎるロマコメが飽きた方には、ちょっと風変わりなこの作品は楽しめるハズ。なのにアメリカじゃ作風が受け入れられず、散々な成績だったとか(逆にヨーロッパは大成功)。バーモントののどかな風景(写真↓)はイギリスの田園風景のようだし、ヒッチ監督はイギリス人気質を遺憾なく発揮してこの作品を撮った感も伺える。

又、この作品はシャーリー・マクレーンのデビュー作。監督の好みだった、いわゆるハリウッドビューティー達とは一線を画すけれど、ちょっぴり垢抜けた田舎娘らしさがイイ。『愛と追憶の日々』の時の芯の強さ-のようなものも、このデビュー作から感じられる。可笑しいのはキャプテン(エドマンド・グウェン)のおとぼけ振り♪「それはないやろ~」なんてひとりツッコミして観ても良し。

 

ハリーの災難

 

 ハリーの災難

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • 発売日: 2005/01/01
  • メディア: DVD

 

愛と追憶の日々

 

 愛と追憶の日々

  • 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/11/02
  • メディア: DVD

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コメント 4

berry

チャラチャラしすぎるロマコメは元々好きじゃないからオススメのこの作品は観てみたいけど、ヒッチコックのスリラーと聞くとビミョーに恐いんですよ。
でも、コメディーとあるからコメディーなのね。(笑)
「シュールな笑い」って翻訳してくださ〜い♪
by berry (2007-01-19 18:12) 

クリス

berryさんnice!をありがとうございます♪
このヒッチコックはちっとも怖くないですから、安心してくださいね。シュールな笑いって非現実すぎて笑えるって意味で使ったんですが、ちょっと辞書とか調べてみると違う意味あいなのかもしれませんね(苦笑)スイマセン~。
by クリス (2007-01-20 13:12) 

kenta-ok

ヒッチコックのストーリーの制約が好きです。例えば、救命艇(これのヒッチコック自身の登場が傑作)や裏窓など、カメラが、それぞれ船の上、部屋の中など。感心します。
by kenta-ok (2007-01-20 20:35) 

クリス

ご無沙汰してます。そうですね、制約を逆手に取って個性を遺憾なく発揮してるという感じでしょうか。やっぱりストーリーも面白くて、もっとヒッチコックを観たいなと思いました。nice!をありがとうございます♪
by クリス (2007-01-21 17:48) 

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