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キンキーブーツ (2005) UK <Kinky Boots> [film reviews]

この映画は、イギリスはNorthampton(ノーザンプトン)と呼ばれる地方を舞台にした物語。ノーザンプトンって聴いたことあるのに何処かわからんなーって思って地図をみたら、けっこうロンドンに近いイングランド中央部にありました。ロンドンはEuston駅からBritish Railに乗って約2時間です。

丁度、赤点の辺り。

 ノーザンプトンの人口は2万人程。地球の歩きかたにも一切ページを割かれてません(苦笑)しかしこの小さな町は、英国にて生産される靴の8割を生産しているんですねー。

タイトルにある「Kinky Boots (キンキーブーツ)」とは、膝、またはももにとどく、黒革の女性用ブーツ。 SMのサド役のファッションから、一般のファッションになった―――と某辞典にあります (^-^;

記二点から、この作品がだいたい掴めるような気がします。

チャーリー(Joel Edgerton)の家は先祖代々靴工場を経営する、地元じゃちょっと名の知れた家。彼の父が突然亡くなり、急に家業を継ぐことになったチャーリー。ところが順調やと思ってた紳士革靴の売れ行きは、実は外国産低価格品に押されて、在庫をさばききれない状態になっていたことに気がつく。工場をたたむことも考えるチャーリー。しかし先祖代々続いてきた工場を守ろうと決めた時、チンピラに絡まれた所を助けたローラ(Chiwetel Ejiofor)との「出会い」をヒントに新製品「Kinky Boots」を思いつく。デザイナーとして工場にローラを迎えいれるチャーリー、しかしドラッグクイーンのローラは、ノーザンプトンという田舎町じゃかなり浮いた存在となり、工場員ともなかなかうまくいかない。チャーリーは果たして「Kinky Boots」を成功させることができるのか―――?

この映画は、一連のイギリス映画、「フルモンティー」や「カレンダーガールズ」と趣向の似通った作品かなーと思います。「フルモンティー」は、イギリス北部のシェフィールドという田舎町を舞台にした、失業者たちがそれこそ一肌脱ぐ話。「カレンダーガールズ」の舞台もヨークシャーにある田舎町にセンセーションを巻き起こした〔婦人会ヌードカレンダー〕にまつわるもの。「Kinky Boots」は、脱がない代わりに、インパクトの強いドラッグクイーンを登場させることによって、田舎町の地味な話に花を添えてます。展開的にはメリハリはあるし起承転結もしっかりしてて面白かったものの、二番煎じならぬ三番煎じ(?)っぽい感じが拭えなかった点は残念。

でも、イギリス映画っぽいシニカルな部分がいっぱいあったし、ハリウッド系のような大袈裟の演出ももちろんなくて、なのにエンターテイメントしてる所は評価大やと思う。

そんな中、ドラッグクイーンを演じたのはChiwetel Ejioforというムツカシー名前の彼。彼の名演が光ってたなー。芯が強そうにみえて、実はけっこう繊細やし傷つきやすい。でも、人の気持ちがわかるローラを好演。

ラブ・アクチュアリー」じゃキーラ・ナトレイの旦那役。

メリンダとメリンダ」じゃ、ピアノ弾きの素敵な彼。

Pretty Dirty Things」じゃ、アメリのオードレ・トゥトゥとも共演。

この彼がドラッグクイーン・・・・・・???ちっともイメージが沸かなかったのに、めちゃくちゃハマり役やったからビックリ!おネエ言葉や仕草、立居振舞から衣装まで、完全に成りきってましたから。ダンスや歌唱シーンもえらい決まってるんですよね。さすが役者ー!って感じ。

こんなメイクにカツラ被ってました。

彼の映画デビューは、スピルバーグが97年に作った「アミスタッド」。錦糸町にある安い映画館のチケットがあって、錦糸町が何処とも知れず観に行ってしまった作品(えらい遠かった!)たぶん熱演してた奴隷役の彼なのかな?後、忘れてはならない主演の彼はJoel Edgertonというオーストラリア人の彼。イギリスアクセントが完璧やったから、イギリス人やと思った程「英国紳士」っぽい雰囲気が漂ってた彼。「スターウォーズ」にも出演してたらしい(気づかなかったぞ)。

顔をもっと細くして眼鏡をかけさせたら、うちのスーパーバイザーJにも似てなくもない。

この映画をキッカケにして、ノーザンプトンの田舎町が少しばかり脚光を浴びたよう。主演のジョエルや監督らが映画のPRの一環として地元の地方自治体を訪れたり、伝統産業となっている革靴をメインに、ノーザンプトンを世界にアピールする絶好の機会を得た☆と地元新聞が書いたり。この映画はWorking Titleというイギリスのプロダクションが、UK Film Councilというイギリスの公的機関の資金を元に作った、いわゆる「純イギリス映画」といえる作品。「フルモンティー」は、実は20世紀サーチライトというアメリカ系のプロダクションが支援した作品だったから、利潤のほとんどは海を超えたUSAに持ってかれてしまってます(涙)「カレンダーガールズ」にもアメリカのプロダクションが関係しているし。こうした点から、「Kinky Boots」がイギリス内の企業や機関の支援を得て製作、完成したことはけっこう意味があって、これからの国内映画産業を元気づける1つのキッカケとなれば嬉しいなーと、イギリス映画ファンの私は思うのでした。

日本公開の際には、みなさんに観て頂けますように☆

キンキーブーツ

キンキーブーツ

  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • 発売日: 2007/02/23
  • メディア: DVD


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コメント 7

はるちー

♪Yes Sir I Can Boogie♪
耳から離れません。サントラ買うかもです。
Chiwetel Ejioforよかったですよねー。
私も観た後、どんな俳優か調べたのですが、
かなりのベテランさんだったのですね。
Joel Edgertonも存在感ありました♪
日本で公開されるといいのですが……(←ちょっと心配)。
by はるちー (2005-11-29 00:18) 

haruta_blog

蟻銀さんこんばんは。
Kinky Bootsの主演はJoel Edgertonでしたか!
そのジョエル氏、SWではEP2とEP3でオーウェン・ラーズ役を演じていらっしゃいます。
アナキンの義兄弟で、ルークの義父に当たる役ですね。
優しげな目が印象的な方だなぁと思います。
by haruta_blog (2005-11-29 20:31) 

クリス

はるちーさんこんにちは!nice!、ありがとうございます♪
ほんと、Chiwetel Ejioforはこれを機会にして、ちょっと気になる役者さんになっちゃいますよねー。Joel Edgertonの役は、かなりタイプでした。有限実行というか、物静かそうなのに行動力があって。いいなー・・・。
ちょっと時間が掛かっても、きっと日本でも公開されると願ってます!私がバイヤーやったら、文句なしに買うぞーって。

>春田さん、nice!をありがとうございます。アナキンの義兄弟でしたか、さすがSWファンの春田さん。今度、SWを又観る機会があったら、じっくり彼も観てみたいです。なかなかいい感じの彼でした☆
by クリス (2005-11-29 21:11) 

ミホ

オカマちゃんに1票!
というのが、わたしの感想♪あの声と、キャラクターが格好良かった。
DVDを買ってしまいそうな予感なのです~。
by ミホ (2005-11-29 22:29) 

クリス

ミホやん
声ならやっぱりクリスチャン・ベールやないの?(笑)予告で彼が映る度に惚れ惚れ~してしまう今日この頃・・・。
私もDVD欲しいな。ノーザンプトンの見所押さえとかないと(ロケ地巡りの為に?(笑))
by クリス (2005-12-01 03:52) 

berry

こんばんは〜♪
記事の中で私がわかるのは「カレンダーガールズ」・・・かなしいっ!(笑)
娘がロンドンに3年半いました。ロンドンもトロント同様行き損なってます・・・かなしいっ!(笑)
ロンドンを起点とした地名はいくつか覚えたんですけど、ノーザンプトンは記憶にないです。
Kinky Boots 「あらすじ」の最後が知りたいなぁ〜。どうなったのかしら・・・。映画の前に知りたい・・・あはっ!ダメですよね。(苦笑)
by berry (2005-12-02 22:14) 

クリス

娘さんはロンドンだったんですねー。息子さんはトロント・・・なんてグローバルな家族なんでしょう!
「Kinky Boots」は楽しみにしてて下さい☆そして、日本公開の暁には、この記事のことを思い出して観に行って頂けたらと思います☆
nice!、ありがとうございます!
by クリス (2005-12-03 01:17) 

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