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リトルダンサー (2000) UK/France <Billy Elliot> [film reviews]

今、現実逃避したくてたまらなくて、どこかに旅行に行きたい(行けたら)な~と切に願ってます。でも、現実は哀しいかな無理。いつか落ち着いたら、(趣味になりつつある)UKロケ地巡りをしたいな~。そしたら、何処に行きたいかな・・・と思考を巡らしてみた所・・・・・・

Billy Elliot」(リトル・ダンサー)のロケ地に行ってみたい!Durhamというイギリス北東の地域が舞台になったこの映画、戸田訳は「ダーハム」になってたらしい(ダラム、もしくはダーラム)。大好きなUK映画の1つです。 

1984年、ダラムの炭鉱町に住むビリーは、去年母親を亡くしていた。 父親と兄は炭鉱夫(miner)、このシゴトには未来がないと感じつつ、ストライキに参加し、家計は苦しい。お婆ちゃんは最近ボケてきて、すぐ迷子になってしまう。そんな家族の板ばさみになるビリーが、ひょんなことからバレエと出会い、ハマっていき、才能を認められて、ロンドンのRoyal Academyを受けてみることに・・・。

撮影当時13歳やったビリー役のジェイミー・ベルの、とにかく「可愛い」のと、少し大人びていて「格好いい」のが混ざった感じ、なんともいえません。この年なのに、色気さえ感じさせる風貌は、年の差なんて気にせずに、思わず追っかけたくなる(笑)女性なら少しは心惹かれます???大きくなったジェイミー君は、ちょっと小さな頃のイメージから変わってしまっていて、残念。でも、「Dear Wendy」や「King Kong」のリメイクに出演していたりして、これからの活躍にも期待大。

80年代のイギリスは、採算の悪い炭鉱の閉鎖という嵐が吹き荒れた大不況の時代でした。産業の合理化をめざしたサッチャー政権は、終始厳しい態度をとっていて、イギリス炭鉱労組のストライキは1年近くの長期に。1974年にはヒース保守党政権を退陣に追い込む程、イギリスの政治にけっこうな影響力を及ぼしていた炭鉱労組が、この時のストライキは、政府からなんの譲歩も得られないまま、職場復帰者が組合員の 60%を超えてしまった為、ストライキの中止を決定するしかなかったという背景があります。そういうのを知っていると、この映画をより深く観ることが可能かも。イギリスの労働者階級と中級クラスの暮らし振りの差なんかも、映画を観ると歴然としていて興味深い。ここの人達は、基本的に階級差を乗り越えて友達になったりすることはないんです。特に労働者階級の人達の中には、中級クラスの人達が「ハナについて気に入らない」。やから、ビリーのお兄ちゃん(労働)が、バレエの先生(中級)に初対面から掴みかかるような態度やったのも納得。

この映画がイイのは、そういった時代や階級差を丁寧に描いていて、とてもリアルにみえる上に、気の利いたウィットが散りばめられている所。やっぱりイギリス映画ってこうやよなぁってクスクスっと笑えます。後は、爽やかすぎるスポ根にもならず、やからってハリウッド的な大味スポーツ映画にもならずにまとめ上げた点が高評価。単語さえも変化してしまう訛りの強さも、その地域性や文化が垣間みれておもしろい。

ロケ地に行こうとすると、ダラムからタクシーに乗って小さな村に行くらしい。実際に、タクシーの運転手さんにロケ地に連れてってもらった方の体験談もありました。きっと地元じゃ知らない人はいない(撮影場所)映画なんやろなぁ。

 

リトル・ダンサー DTSエディション

 

 

リトル・ダンサー DTSエディション

  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • 発売日: 2005/03/25
  • メディア: DVD

後、サントラも超おススめ!劇中の台詞がうまく曲間におさまってて、映画のシーンが蘇ります☆ 

  • アーティスト: サントラ, T-レックス, スティーヴン・ゲイトリー, ザ・ジャム
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルインターナショナル
  • 発売日: 2000/12/20
  • メディア: CD
 
炭鉱閉鎖を背景にして撮った映画としては、「ブラス!」があります。これも又いい映画なんです。あまりにもハマって、この作品のモデルになったブラスバンド、「グライムソープ・コリアリー・バンド」が東京にきた時、ちょっと高かったチケットも奮発して観にいった程。又いつか、記事にしたいと思います。 

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コメント 6

coco030705

こんにちは。
邦題と原作の題名がちがったんですね。どっちがよかったんでしょう。
イギリス映画は好きです。「ブラス」もよかったです。この映画も、労働者
階級の男の子が成功する話で、心温まりました。
だいぶ前に、5ヶ月ほどロンドンの語学学校へ通っていたことがあって、
そのとき、パブが労働者階級用と中級クラス用に分かれていたので、
なるほど、これがそうなのかと思いましたね。
by coco030705 (2005-09-20 17:50) 

クリス

cocoさんこんにちは!
原題やと人の名前ってことよくありますよね。「ザ・エージェント」がJerry Maguireやったり。「リトルダンサー」はけっこう的を得てていいかと思います。階級によって行くパブが分かれていたり、昔の名残りで別々の入り口が残ってるパブなんかもありますよね。こういう階級制度が、これからもずっと残っていくのかと思うと(もしくは日本にもあったりしたらと想像すると)少し恐ろしいです。
by クリス (2005-09-21 18:44) 

Lucy

こんにちは!
蟻銀さんのブログにお邪魔する度に、「あ。『リトルダンサー』観なきゃ」って思うワタクシです。(^^)
観よう観ようと思い続けているのに、なぜかまだ観ていないんですよね〜。
けっこうどこのレビューでも評価が良いので、期待しています♪
次は必ずレンタルするぞっ!!
by Lucy (2005-09-22 20:47) 

クリス

Lucyさんこんちは!
やっぱりイギリス映画っていいな~と思わせる作品ですよっ。もしご覧になられたら、是非感想をアップしてくださいね~♪
by クリス (2005-09-22 21:24) 

Lucy

またまたおじゃましまーす♪
やっと最近「リトルダンサー」を観ましたよ〜。
訛りのインパクト・大でした(笑)それはさておき。とても爽やかな良い作品ですね。蟻銀さんのお気に入りの1本というのも納得です。思春期の始まりの、爆発しそうな衝動が高まれば高まるほど、ビリー少年のダンスも冴えてくるという感じですね。躍動感がたまりませんでした。音楽もいいし♪女の子にも男の子にもモテちゃうビリーくんは、まだ少年なのに色気がありますねぇ。繰り返し観たくなりました〜☆
by Lucy (2005-11-06 21:38) 

クリス

Lucyさん、こんにちはー。実はこっちも「リトルダンサー」でミホやん達と盛り上がってたんですよー。というのも、もしかしたらダラム(映画のロケ地)へ今月行くかもしれなくって。ミホやんとY君にDVDを貸すところです(2枚持ってるんです(^-^;))。
ビリーのダンスが、彼の心情をよく表してましたよねー!音楽もいいし♪ビリーを取り囲む人達も個性的で人情に溢れてて、何度観ても暖かくなる感じがいいんですよねー。
by クリス (2005-11-07 23:28) 

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