SSブログ

浅田次朗 プリズンホテル 夏 [日記(2007)]

プリズンホテル〈1〉夏

プリズンホテル〈1〉夏

  • 作者: 浅田 次郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2001/06
  • メディア: 文庫


 浅田次朗は、「鉄道屋」「蒼穹の昴」「活動写真の女」「壬生義士伝」「日輪の遺産」「輪違屋糸里」が既読で「プリズンホテル」で7冊目になる。この手の小説には、小林信彦の「唐獅子株式会社」がある。「唐獅子株式会社」は徹頭徹尾ヤクザ映画のパロディーでスラップステックな抱腹絶倒ものだが、本書もヤクザの親分がヤクザ専用のリゾートホテルを作るというパロディーものであるが、浅田次朗が書くとこうなる。
 ストーリーはこれといって無い。プリズンホテルを訪れる様々な人々、小説家(シリーズの主人公)とその秘書、一家心中を目論む家族、ヒットマン、定年記念旅行の夫婦等と、ヤクザのホテル従業員の織り成すドタバタ劇である。なんと、浅田次朗好みの一家心中をした家族の幽霊まで登場する。ドタバタ劇の中で、この世を生きる不幸(と云うほどでもない)を背負った登場人物が、なんとなく落ち着くべき所に落ち着いて行くと云う「浅田ワールド」。「蒼穹の昴」「壬生義士伝」の重厚さや感動は無いが、気楽に読める一冊、新幹線のビールのつまみにどうぞ。
☆☆☆★★

唐獅子株式会社

唐獅子株式会社

  • 作者: 小林 信彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1981/03
  • メディア: 文庫


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0