SSブログ

村上春樹 村上朝日堂はいかにして鍛えられたか 新潮文庫 [日記(2006)]

村上朝日堂はいかにして鍛えられたか

村上朝日堂はいかにして鍛えられたか

  • 作者: 安西 水丸, 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1999/07
  • メディア: 文庫

 村上春樹が週間朝日に連載した随筆、又は雑文。カットを安西水丸が描いている。

 小説家にとって、小説以外の文章を発表することの意味は何なんだろうと考える。本業では無いのだから、云わば雑文と呼ばれるのだろうが、小説家の名前(ブランド)で書き、商品として流通する以上それなりの存在意義があるはずである。↓の『半眼訥訥』は高村薫の小説を切り離して独立しても(本来そういう仮定は無理があるが)、読むに耐え得るものであり感心した。

 で、『村上朝日堂』が面白くないかと云えば、これはこれで結構面白いし笑える。
『長寿猫の秘密・出産編』などは出色である。猫の手を握って、出産に立ち会う描写は・・・
「猫はときどき後ろを振り返って、『どこにも行かないでね、お願い』というようななまめかしい目つきでじっと僕を見る。」どこか凄みさえ感じる。
「だからうちの奥さんはよく『それ、ひょっとしてあなたの子供じゃないの?』と云っていたが・・・」笑える。
 鮨の乗っていない回転鮨のベルトコンベアを前に、「ハマチ、烏賊」と頼みながら鮨を食べる『真昼の暗黒の回転鮨』もいい。嘘か誠か詮索は無用、素直に騙されるか創作と思えばよい。

100円の古本だからまあいいか →☆☆☆★★


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0