楡周平 Cの福音 宝島社文庫 [日記(2006)]
全8章が、Cからなる単語で成り立っている、第1章 CADAVER(死体)、第2章 CADET(息子)・・・第8章 COMBAT(戦闘)。Cの福音と題される所以であろう。さらに物語りの主旋律がもう一つのC(書く訳にはいかないが)。巻末の解説で、主人公朝倉恭介を大薮春彦「野獣死すべし」の伊達邦彦と比べているが、どう考えても褒め過ぎだろう。大薮春彦のヒーローは1958年の造形である。ドラッグ、台湾マフィア、パソコン通信と今風の風俗を纏っているものの、1996年の伊達邦彦はいささか干からびていると思う。大沢在昌とも比肩されているが、「新宿鮫」は未だ読んでいない。
100円の古本だからいいが →★★☆☆☆(星二つ)
楡 周平 のcの福音を読んだ
もう10年前のデビュー作だが図書館で目についたのでトライ
日米を股にかける麻薬密売組織をテーマにしたサスペンスモノ
展開に無理な所が多々あるが、密輸のリアルさは読み応え十分
今はキャリアが十年近くになっているわけで
文章や構成は洗練されてきているはず
機会があればまた読みたい作家です
by danonihachi (2007-05-11 11:29)