hallicrafters S40 ~調整~ [日記(2005)]
hallicrafters S40 コイル部分回路図
間違い発見 →混合と局部発振の表示が逆です。C19があるほうが(右)局部発振です、スミマセン(こんなマイナーな情報見ている人いるのかな・・・)。
〔④=バンド4・・・何れも上からバンド4,3,2,1。回路図の局部発振のコンデンサが切れています、バンド3がC23、バンド2がC24、バンド1C25です。〕
.djvuファイルをirfanでプリントした。50ページの立派なマニュアルである。覚書を兼ねてメーカー非公認マニュアルとして和訳する。
周波数の単位は雰囲気を残したいので当時のままc(サイクル)を使う。
●取りあえず『調整』編
< SECTION 5 >
3.定期的調整
a.受信調整
受信機は工場出荷時に調整されているので、再調整の必要は無い。RF、IF段の真空管を入れ換えたり、感度が低下したり、周波数表示が狂ってきた場合にのみ再調整が必要となる。再調整には、十分な経験、知識が必要であり、細心の注意を払って実施して欲しい。
(1)調整道具
(a)シグナル・ジェネレータ:400c(サイクル)の変調された455kc(KHz)及び500kc~44mc(MHz)が発振可能な信号発生機。
(b)ダミーアンテナ:390Ω(20%以下の精度)のカーボン抵抗。
(c)調整用ドライバ:金属の刃を埋め込んだベークライト棒が良い。
(d)オーディオメータ:1.5W程度が測定可能なもの。
(2)IFアンプの調整
(a)SGのhotリードをメインチューニングのバリコンの真中のステイタ(固定された部分)に直接つなぐ。SGの接地線(SGのマイナス)を受信機のケースに接続する(アースする)。バリコンは抜けた状態にしておく。
(b)出力計をスピーカのボイスコイルに接続し、オーバーロードを避けるためメータを最大レンジにセットする。
(c)受信機を約10分ほどウォームアップし、下記の設定をする。
・SENSITIVITYを最大感度
・VOLUMEを最大音量(右いっぱい)
・AVCスイッチをoff
・NOISE LIMITERスイッチをoff
・CW-AMスイッチをAM
・TONEコントロールをHIGH
・STANDBY/RECEIVEスイッチをRECEIVE
(d)SGの出力周波数を455kcにし、400cの変調をかける。
(e)オーディオメータが最大に振れるように、T-13、T-14、T-15を調整する。SGから約52μV入力し、オーディオメータで500mVの出力が得られるはずである。最大感度になるようT-13、T-14、T-15を繰り返し調整する。図5-1を参照。
(3)BFOの調整
SGを上記(2)の接続のまま400cの変調をoffにする。PIYCH CONTROLのツマミを外し、CW-AMスイッチをCWにしてBFOを発信させ、コアを調整してゼロビートを取る。その状態でツマミを赤い点に合わせて取り付ける。
注)BFOの発振周波数を455kcに合わせる調整であり、周波数カウンタを使う方が簡単である。
(4)RFアンプの調整
(a)SGのhotリードを390Ω(20%以下の精度)の無誘導カーボン抵抗を経由してアンテナ端子A1に接続する。SGの接地線(SGのマイナス)を受信機のケースに接続する。アンテナ端子のA2とEをショートする。SGに400cの変調をかける。
(b)受信機を約10分ほどウォームアップし、下記の設定をする。
・SENSITIVITYを最大感度
・VOLUMEを最大音量(右いっぱい)
・AVCスイッチをoff
・NOISE LIMITERスイッチをoff
・CW-AMスイッチをAM
・TONEコントロールをHIGH
・STANDBY/RECEIVEスイッチをRECEIVE
note-どの調整でも、最大感度でオーディオメータの出力が500mWとなるようにSGの出力を絞る必要がある。
(c)band4. Alignment
(1)シグナル・ジェネレータ(以下SG)から36Mcの信号を入れ受信する。受信機の表示が36Mcであれば調整の必要は無い。ずれているいる場合は、周波数表示を36McにセットしC-19を最大出力となるよう調整する。
(2)SGから18Mcの信号を入れ受信する。受信機の表示が18Mcであれば調整の必要は無い。ずれているいる場合は、周波数表示を18McにセットしT-9のダストコア#8を最大出力となるよう調整する。
note - ♯8が正しく調整されたら、再度(1)に戻りC-19を調整する。表示周波数が大きくずれた場合、コイルを入れ換えた場合など、(1)(2)の調整を数回繰り返す必要がある。
(3)SGから36Mcの信号を入れ、C-1、C-12を最大感度に調整する。
(4)SGから18Mcの信号を入れ、♯5、♯6を最大感度に調整する。
note-#5、#6が正しく調整されたら、再度(3)に戻りC-1、C-12を調整する。表示周波数が大きくずれた場合、コイルを入れ換えた場合など、(3)(4)の調整を数回繰り返す必要がある。
@バンドとコイル(コア)の対応
バンド 局部発振 高周波増幅 混合
4 C-19・T9(#8)、C-1・T1(#5)、C-12・T5(#6)
1.発振周波数の調整 →C(トリマ)とL(コア)を交互に調整してバンドの高い方と低い方で表示周波数=発振周波数となるようにする。
2.高周波増幅の調整 →CとLを交互に調整してバンドの高い方と低い方で感度が等しくなるようにする。
3.混合調整→2.と同じ。
受信周波数=表示周波数=最大感度(受信周波数と発振周波数の差が中間周波数=455kcとなる)トラッキング調整である。
・・・続く
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