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真空管受信機 Hallicrafters S40 (3) [日記(2005)]

   
○分解と掃除
分解する。シャーシ、フロントパネル、筐体の3つに分解できる。筐体はタッピングビスでフロントパネルとシャーシに固定されている。フロントパネルはスピーカとスイッチ類でシャーシとつながっている。このビスがくせ者で、ピッタリ合うナットドライバが無い。そういえばアメリカはインチネジである。ビスの頭が痛むので避けたいがペンチを使う。

 

・筐体、フロントパネル、ツマミを取り外して中性洗剤で洗う。シャーシの裏側を覗くと、なんと蜘蛛の巣がある。
・シャーシの上部は埃が積もりこびり着いている。真空管をすべて外し、歯ブラシで埃を落としエアーで飛ばす。真空管は銘を確かめて雑巾で拭う。

■課題→錆も浮いているので、紙ヤスリで磨いて高周波ニスでも塗りたい。

真空管は、低周波増幅管に6V6、整流管に5Y3Gが使われている他はオリジナル通りであった。IFTは3本とも異なる。特に小さいアルミのケースに入ったIFTは、プリント基盤を使って取り付けられている。このIFTの配線が腐食しており接触不良の原因となっていた。

■課題→不安なIFTを交換するか、セラミックフィルタに置き換えるかしたい。

・シャーシ内部
内部はCR類、配線コードとも相当劣化が進んでいる。内部を覗くと、これで音が出る方が不思議である。部品の劣化は激しいがさすがメーカである、配線はしっかりなされている。配線材を端子にからめという正当派のハンダ付けである(プロ機では当たり前のことらしい)。この辺が50年経った今も立派に稼働する秘密であろうか。hallicraftersの名誉のために言うと、私のS40で不調となった箇所は後で手を加えた箇所である。

 ○フロントパネル

中央の大きなダイヤルは選局用で、左がメイン、右がバンドスプレッド。円形の周波数スケールの下部にある銀のノブがバンドセレクトで、0.56MHz
~43MHzまで4ポジションでカバーしている。左端から、
・sensitivity(感度調整):スイッチ付きのVRで、左に回すと感度が落ちる。右に回し切りスイッチを切る?と最大感度となる。
・band(バンド切り替えスイッチ):上記参照
・audio(音量)
・AVCスイッチ(自動音量制御)
・ANLスイッチ(自動雑音制御)
・CW、AM切替スイッチ(BFO)
・電源スイッチ兼tone control(音質制御):4ポジションあり、切→hi→middle→low。
・ピッチコントロール(BFO周波数制御):BFOの発信周波数の可変を、バリコンではなくダストコアを出し入れすることによっておこなっている。
・standbyスイッチ:右に倒すとstandbyとなる。
・イアフォーンジャック

○リアパネル
・fuse:ヒューズホルダ
・外部スタンバイソケット
・Sメータソケット
・ANT:A1、A2、アース

○ダイヤグラム

・高周波増幅:6SG7
・局部発信、周波数混合:6SA7
・中間周波数増幅(2段):6SK7×2
・ノイズリミッタ:6H6
・BFO:6J5
・検波、低周波増幅:6SQ7
・電力増幅:6F6
・整流:80

 局部発信と周波数混合を6SA7 1本ですませている。標準的な高1中2の構成である。tone control、スピーカ内蔵されている点は家電としてのラジオに近く、スタンバイ回路、BFO回路を備えている点で通信機の顔を持つ。ラジオとしてのS38と通信機としてのSXシリーズの中間と考えられる。
7/26追記
S40のPDFマニュアルを見つけた。古いラジオの回路図のアーカイブ。
http://www.nostalgiaair.org/Resources/

9/10追記
la5ki hallicrafters gallery、すごい! →http://www.qsl.net/la5ki/halli.htm

next →http://blog.so-net.ne.jp/e-tsurezure/2005-07-26-1


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