魍魎の匣 [2008年 レビュー]
「魍魎の匣」（2007年・日本） 監督・脚本：原田眞人 原作：京極夏彦
自分ひとりなら絶対に観ようと思わない作品を、妻が観たいと言うので付き合ってみる。
2人とも原作未読。前作「姑獲鳥の夏」も観ていない。
それでも観ようと思わせるのはキャスティングだ。
まず堤真一、阿部寛、椎名桔平、田中麗奈、黒木瞳の主役級5人。
サブに宮迫博之、宮藤官九郎、マギー、荒川良々、堀部圭亮。
抑えに篠原涼子とお久しぶりの清水美砂。
止めに柄本明。
良くぞ集めたもんだと思う。
中でも興奮したのは堤、阿部、椎名の三人芝居だ。僕は一瞬、仮面ライダー1号（本郷猛）、2号（一文字隼人）、V3（風見志郎）の「三人揃い踏み」を思い出した。いやはや豪華。
キャスティングの勢いもあって、本編途中まではなかなか面白い。
オムニバス形式のエピソードが途中ホンの少しずつリンクしていて興味をそそるし、その登場人物たちがやがて“憑物落とし”の京極堂（堤真一）へ収束していく流れも面白い。
しかし、クライマックスの舞台となる美馬坂教授（柄本明）の研究施設に入ると展開は一気にトーンダウンする。連続少女バラバラ殺人という奇怪な事件が、観客の期待しない方向へと転がってしまうからだ。
物語の序盤を牽引するのは探偵の榎木津（阿部寛）。
戦時中、照明弾を直視してから備わった「人の過去を見ることが出来る」という特殊能力を使って、観客に必要な情報をどんどんアウトプットしていく。序盤の榎木津はストーリーテラー的な役回りとも言えるだろう。しかもこのテンポが実にいい。
続いて作家の関口（椎名桔平）にバトンが渡され、事件の概要が明らかになって行く…。
少なくとも僕が期待したのは、猟奇的という形容の元にあり得たかも知れない事件の結末である。分かり易く言うなら横溝正史的なドラマだ。が、残念ながら物語は突拍子も無い方向へと突き進み、後半30分以上は完全に僕の興味の外にあった。
京極堂と榎木津。
この2人のキャラクターに重きを置けば、もっと面白い物語は綴れただろうに、と思う。
「前半がすごく面白かったから期待したのに、もったいない」
とは妻の感想。一言で語るならこれが総て。
田中麗奈のアップをスクリーンで観たい、というコアなファン（僕もだけど）を除いては劇場で観る意味はない。
堤真一は役にハマっていた。こうなったら「姑獲鳥の夏」も観てみるか。
自分ひとりなら絶対に観ようと思わない作品を、妻が観たいと言うので付き合ってみる。
2人とも原作未読。前作「姑獲鳥の夏」も観ていない。
それでも観ようと思わせるのはキャスティングだ。
まず堤真一、阿部寛、椎名桔平、田中麗奈、黒木瞳の主役級5人。
サブに宮迫博之、宮藤官九郎、マギー、荒川良々、堀部圭亮。
抑えに篠原涼子とお久しぶりの清水美砂。
止めに柄本明。
良くぞ集めたもんだと思う。
中でも興奮したのは堤、阿部、椎名の三人芝居だ。僕は一瞬、仮面ライダー1号（本郷猛）、2号（一文字隼人）、V3（風見志郎）の「三人揃い踏み」を思い出した。いやはや豪華。
キャスティングの勢いもあって、本編途中まではなかなか面白い。
オムニバス形式のエピソードが途中ホンの少しずつリンクしていて興味をそそるし、その登場人物たちがやがて“憑物落とし”の京極堂（堤真一）へ収束していく流れも面白い。
しかし、クライマックスの舞台となる美馬坂教授（柄本明）の研究施設に入ると展開は一気にトーンダウンする。連続少女バラバラ殺人という奇怪な事件が、観客の期待しない方向へと転がってしまうからだ。
物語の序盤を牽引するのは探偵の榎木津（阿部寛）。
戦時中、照明弾を直視してから備わった「人の過去を見ることが出来る」という特殊能力を使って、観客に必要な情報をどんどんアウトプットしていく。序盤の榎木津はストーリーテラー的な役回りとも言えるだろう。しかもこのテンポが実にいい。
続いて作家の関口（椎名桔平）にバトンが渡され、事件の概要が明らかになって行く…。
少なくとも僕が期待したのは、猟奇的という形容の元にあり得たかも知れない事件の結末である。分かり易く言うなら横溝正史的なドラマだ。が、残念ながら物語は突拍子も無い方向へと突き進み、後半30分以上は完全に僕の興味の外にあった。
京極堂と榎木津。
この2人のキャラクターに重きを置けば、もっと面白い物語は綴れただろうに、と思う。
「前半がすごく面白かったから期待したのに、もったいない」
とは妻の感想。一言で語るならこれが総て。
田中麗奈のアップをスクリーンで観たい、というコアなファン（僕もだけど）を除いては劇場で観る意味はない。
堤真一は役にハマっていた。こうなったら「姑獲鳥の夏」も観てみるか。
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- メディア: DVD
こんばんは。
わたしはこの映画を試写会で観ました。前作は少し前にレンタルで。
わたしもｋｅｎさんの奥様と同じで、「もったいない」って思いました。
阿部さん、椎名さん、堤さんの3人のやりとりが非常に面白くて楽しかったですね。前作は椎名さんの役が永瀬正敏さんで、なんとなく暗かったので今回の作品のほうが好きです。
（追伸：、あんなに衝撃的な映像があるとはおもいませんでした）
by のん (2008-01-07 23:50)
ほほー、前作は永瀬クンが出てたんですか。
それはそれでちょっと興味があります。
でも、ちょっと線が細すぎかなあ。
追伸：あの映像は、ちょっとなんでしたねえ（笑）。
nice！ありがとうございます。
by ken (2008-01-08 02:15)
kenさん ご訪問どうもありがとうございました。
Oh～ お見事な分析！ 勉強になりました。f^_^;
確かに “もったいない” “惜しい” “残念な” 等々という言葉が出てしまいますね～（苦笑）
こちらへTBさせて頂きました。よろしくです！
by Labyrinth (2008-01-11 01:25)
柄本さんのコント芝居はいけませんねえ（笑）。
あれはなんとかしてあげないと。
nice！ありがとうございます。
by ken (2008-01-11 13:04)
kenさんコメントありがとうございました。
原作未読の方がどういった感想を持つのか興味があったので、感想面白く拝見させていただきました。
でも、近い感想だなぁと思いますw
もし機会があれば原作を読んでみていただければ、結構キャラクターがもっと引き立っていて、猟奇的な加減も増していて面白いと思いますよ。
by にゃっく (2008-01-21 23:49)
こんばんは。
「姑獲鳥の夏」はレンタルで観ました堤真一演じる京極堂は、
なかなかでした。
ミステリータッチの落ち着いた作品で、ゆったり見れましたよ。
昔懐かしい日本の風景描写も良かったです。
by 芸夢人 (2008-01-24 22:04)
>にゃっくさん
亀レス失礼しました！
原作はもうちょっと猟奇的なカンジが出てるんですね？
それを聞いて安心しました（笑）。
nice！ありがとうございます。
>芸夢人さん
やっぱり観てみます！
原田知世も出てましたよね？
by ken (2008-01-25 02:04)
非常に遅くなってすいません。
＞原田知世も出てましたよね？
そうですね。
久遠寺涼子／梗子（二役）を演じています。
この女優さんといえば「時をかける少女」しか思い浮かびません・・。
他には田中麗奈や篠原涼子も出ていますね。
「トリック」の阿部寛にも注目ですよ。
by 芸夢人 (2008-05-11 14:50)
原田知世だけが観たくて観るかもしれません。
ずいぶん時間が経っちゃったけどｗ
by ken (2008-05-12 00:09)
最近見ました。
大好きな原田監督ですが、京極夏彦の世界とはちょっとミスマッチだったような気がします。谷村美月ちゃんがとても可愛かったです。
TBさせてください。
by satoco (2009-02-23 11:49)
研究施設でのシーンなんて、ダウンタウンのコントかと思いましたよw
ミスマッチでしたねえ。
nice！ありがとうございます。
by ken (2009-02-23 17:19)