トゥモロー・ワールド [2007年 レビュー]
「トゥモロー・ワールド」(2006年・アメリカ/イギリス) 監督:アルフォンソ・キュアロン
原作がどの程度の面白さなのかイメージできないくらい映像のパワーが凄まじい。
冒頭のつかみ(爆破テロのシーン)から素晴らしく、カメラワークもプロダクション・デザインも俳優たちの演技も見事。映像作品としての完成度は極めて高いが、ただ説明の足りない脚本だけが惜しい。原作には当然時代背景の書き込みがされているのだろうけど、その肝心の部分が脚本からは欠落しているのだ。
舞台は人類が子供を産めなくなってから18年後のイギリス。
「なぜ子供は産まれなくなったのか?」
「なぜイギリスに不法入国しようとする人間がいるのか?」
この理由がなかなか明かされなくて時間と共に不満が溜まっていく。結局それは最後まで明らかにされないのだが、登場人物以下、劇中の人々がその事実とどう折り合いを付けているのかは絶対に描くべきだった。それが無いために黒人の少女の妊娠が世界にどういう影響を及ぼすかが、いまひとつ実感を伴わないエピソードに成り下がっているのだ。
そんなわけで僕は途中から「出生率の低下」に歯止めがかからない今の日本を思いながら観ていた。
子供が生まれないということは「未来を失う」ということだ。
核でもなく、バイオハザードでもなく、子供を産み育てようという気にさせない社会が、人類滅亡を引き起こすかも知れないという恐怖。そう思いながら観ていたら、出産シーンは涙が出そうになるほど感動的だった。赤ん坊の姿を認めた人々の視線と差し伸べられた無数の手も感動的だった。
日本はこのまま未来を失っていいのか?
アイディアはいいがシナリオは駄作。
1時間23分から7分間の長回しは圧巻だし、クライヴ・オーウェンもマイケル・ケインもジュリアン・ムーアもいい。
だから観て欲しいのだけれど、そのためにはストーリーの背景を知っておく必要がある。
わずか109分に仕上げるのなら、なぜあと11分を使って状況の説明をしなかったのか、最後まで悔やまれた。
原作がどの程度の面白さなのかイメージできないくらい映像のパワーが凄まじい。
冒頭のつかみ(爆破テロのシーン)から素晴らしく、カメラワークもプロダクション・デザインも俳優たちの演技も見事。映像作品としての完成度は極めて高いが、ただ説明の足りない脚本だけが惜しい。原作には当然時代背景の書き込みがされているのだろうけど、その肝心の部分が脚本からは欠落しているのだ。
舞台は人類が子供を産めなくなってから18年後のイギリス。
「なぜ子供は産まれなくなったのか?」
「なぜイギリスに不法入国しようとする人間がいるのか?」
この理由がなかなか明かされなくて時間と共に不満が溜まっていく。結局それは最後まで明らかにされないのだが、登場人物以下、劇中の人々がその事実とどう折り合いを付けているのかは絶対に描くべきだった。それが無いために黒人の少女の妊娠が世界にどういう影響を及ぼすかが、いまひとつ実感を伴わないエピソードに成り下がっているのだ。
そんなわけで僕は途中から「出生率の低下」に歯止めがかからない今の日本を思いながら観ていた。
子供が生まれないということは「未来を失う」ということだ。
核でもなく、バイオハザードでもなく、子供を産み育てようという気にさせない社会が、人類滅亡を引き起こすかも知れないという恐怖。そう思いながら観ていたら、出産シーンは涙が出そうになるほど感動的だった。赤ん坊の姿を認めた人々の視線と差し伸べられた無数の手も感動的だった。
日本はこのまま未来を失っていいのか?
アイディアはいいがシナリオは駄作。
1時間23分から7分間の長回しは圧巻だし、クライヴ・オーウェンもマイケル・ケインもジュリアン・ムーアもいい。
だから観て欲しいのだけれど、そのためにはストーリーの背景を知っておく必要がある。
わずか109分に仕上げるのなら、なぜあと11分を使って状況の説明をしなかったのか、最後まで悔やまれた。
こんにちは。
ワタシは劇場で観ました。見返してないからうろ覚えですが、子供が生まれなくなった理由は確かに明かされないものの、イギリスに不法入国したがるのは、確か他の国が既に崩壊していたからだったような・・・どこも絶望感から内戦状態といった説明がどこかでされていたような気がしました。
話は変わりますが、先日NHKの番組で、ポーランド人(?)の結構な人数が長距離バスで英国に出稼ぎに来ている、という番組を見ました。ただ英語の出来ない人が多く、出稼ぎに来たはいいけれど仕事に就けず、なけなしの持参金も使い果たし、浮浪者化している人もいるそうです。
そういう背景があると言われると、実は劇中の話も英国人にはとても身につまされる話なのかも、と思った次第です。
まぁ、近い将来他人事ではなくなるかもしれないですね・・・。
by tomoart (2007-08-25 16:22)
そうか。イギリスより先に崩壊した国がたくさんあるってことなんですね。納得。
100年後、日本の人口は4000万人になるという試算もあって、なんだか
おっかない映画でしたが、いろんなことを考えさせてくれる佳作だったと思います。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-08-26 00:52)
こんばんは。
> 「なぜ子供は産まれなくなったのか?」
私もそれが知りたくて、原作本を読んでみました。
原因は解明できず不明なままでした(^_^.)
日本をはじめ各国で研究してもダメだったようです。
しかも映画は原作とはかなり違うストーリーでした(T_T)
(どうもアイディアを拝借してオリジナルのストーリーを作ったみたいです。)
でも、赤ちゃんの誕生シーンは本当に感動でした☆
by non_0101 (2007-08-26 23:05)
世界的不妊の理由は分からなくてもいいんですよね。
ただ、「分からない」ということをちゃんとアピールして欲しかったと思います。
え?原作と映画ストーリーが違う?それは意外でした(笑)。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-08-27 00:48)
こんばんは(^-^)
>子供が生まれないということは「未来を失う」ということだ。
なんか、この言葉。。すごくドキッ☆としました。
by ジジョ (2007-08-29 03:42)
でも、そういうことなんですよね~。
「復活の日」を観てもそう思いました。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-08-29 09:23)
こんにちは。
時代設定がもう少し先だと、恐怖感もましたかなと思いました。
でも、近年ではけっこう骨太な良い作品かなと。
by クリス (2007-09-09 10:23)
きらきらした未来じゃなかったのはとても良かったと思います。
精神は骨太でしたけど、脚本は折れてましたねえ。
by ken (2007-09-09 12:17)
こんにちは。「トゥモロー・ワールド」で検索しておじゃましました。
私は先日DVDで観たのですが、(賛否両論あるようですが、)
私は面白かったです。
by YaCoHa (2007-10-08 23:56)
大テーマは良かったんですけどねえ。
も少し頑張ってくれたらなあ。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-10-09 00:26)