黒いドレスの女 [2007年 レビュー]
「黒いドレスの女」(1987年・日本) 監督:崔洋一 脚本:田中陽造
原田知世が大人の女優に脱皮できるように、と角川春樹が崔洋一に預けて撮らせた北方謙三原作のハードボイルド風映画。
初めて観ました。
…なんで観ちゃったんだろうなあ。今まで観なかったんだから、観なくても良かったのに。とほほ。
これは「私をスキーに連れてって」の8ヶ月前に公開された映画なんですが、いや~ヒドイです。
知世の芝居もヒドイけど、それ以上に驚くのは崔洋一の仕事っぷり。映像も音楽も編集もセンスはゼロ。誰も脱がない絡まないポルノ映画かと思うほどチープで完成度低すぎ。崔洋一はのちに「血と骨」を撮る人とは思えないくらいセンスがなくて本当にビックリしました。多分崔洋一は泥臭い映画しか撮れないんだろうなあ。全然スタイリッシュじゃないもん。そういう意味じゃ角川春樹の監督人選ミスです。
原田知世を大人の女優にしたかった角川春樹の親心は100歩譲って許すとしよう(個人的には許してないけど)。だったら脚本を練らなきゃ。大人の女の役をこなせる女優にしたいなら、市井の女を演じさせる脚本を作らなきゃ。どうしてヤクザのケンカに巻き込まれる女なんかやらせるのよ。例えば「ある愛の歌」とか「愛と死をみつめて」とか、芝居がうまくないと観てられない脚本を作りなさいよ。ハードボイルドにする理由が分からねーよ!しかも監督がヘタレだからハードボイルド“風味”にしかなってねーし。
…でもこんな映画、原田知世ファンじゃなかったら絶対観ませんよね。だからいいんです。皆さんには関係ありません。
原田知世ファンって悲しいなあ。「時をかける少女」を超える作品って無いもんなあ。
彼女は角川春樹に見出されなかったらデビューは無かったんだけど、もっと早くに角川春樹の手を離れてたら、今とは違う女優人生だっただろうなあ…。
映画を観てここまでヘコんだのは久しぶりです。やれやれ。
私、ほんとにファンですからこのころの知世ちゃんの映画みんな観てますよ。もちろんこれも。なんじゃいこりゃ、って感じでしたが。
最近の「紙屋悦子の青春」とかどうなんでしょう..。
でもあんまり女優女優してないから知世ちゃんがいいような気もしないでもないです。
by satoco (2007-08-22 22:29)
この映画、チラッと観た記憶があります。あれだけ角川が力を入れてた薬師丸ひろ子がほんとに野暮ったいチョイ役で、「今角川映画は、完全に原田知世に力を注いでるんだなあ。前だったら、絶対主役は薬師丸ひろ子だっただろうなあ」と思いました。同時に「原田知世には、ちょっと荷が勝ちすぎてるんじゃないか?」と思っていたのですが・・・
でも、観てみたいなあ。
by Sho (2007-08-22 22:54)
>satocoさん
今日、新しいブレンディのCMを観ました。
このCMの知世ちゃんはカワイイですよね。
笑いジワも全部ひっくるめてやっぱり可愛かった…(ToT)
こんな普段の彼女が映画で観たいですぅ。
>Shoさん
角川春樹の気持ちの移り変わりを楽しむためなら観てもいいかも(笑)。
by ken (2007-08-23 00:39)