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ニコラス・ケイジのウェザーマン [2007年 レビュー]

ニコラス・ケイジのウェザーマン」(2005年・アメリカ) 監督:ゴア・ヴァービンスキー

 「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの監督が1作目と2作目の間に撮った、ビックリするほどシニカルで地味なコメディ。
 ニコラス・ケイジが演じるお天気キャスターのデイブはほとほと嫌な男です。
 まずは何をやっても裏目に出てしまうタイプの男なんですけど、それを「まったくの不運」か「自分以外の誰かのせい」だと信じていて、やたら「F××K!」を連発し他人に当り散らす。正直言ってそんなの観てても面白くありません。
 だから僕は途中で観るのを止めようかと思ったんですけど、しばらくしたらデイブが曝け出す“嫌な性格”は、実は僕の中にもある“嫌な部分”だと気が付いた。この映画を観ていて面白くなかったのは「自分の欠点を他人に指摘されているような」居心地の悪さを感じたからなのです。そう思ったら「最後まで観なきゃ」と思った。それは、“嫌な自分”と対峙できるちゃんとした大人になりたいと思ったからです。
 つまりお天気キャスターのデイブは世界中の男たちの反面教師というわけ。そう思えなければ、これはかなりつまらない作品になってしまいます。ま、そこまで達観して映画を観ようって人もいないだろうから、日本未公開だったのは正解だと思いますけどね(笑)。

 ただしニコラス・ケイジファンなら観ておいても損はないです。
 ニコラスはこれまで「リービング・ラスベガス」などに代表される“根っからのダメ人間”を演じることはあっても、“中途半端なダメ人間”を演じることって無かったと思うからです。この作品のニコラス・ケイジは今まで僕が観たことの無い一面を見せていたと思います。ホント懐の深い役者だなあ。
 別れた妻の役を演じたホープ・デイヴィスが美しい。久しぶりにいい顔をしたブロンド女優を観た気がします。
 父親役を演じたマイケル・ケインの抑えた演技も見事。
 
 結論。
 お天気キャスターがたどり着く「天気も人生も予報なんて出来ない」というゴールが面白いと言えば面白い。なぜアーチェリーを背負っているのかは不明(笑)。

ニコラス・ケイジのウェザーマン スペシャル・コレクターズ・エディション

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  • 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • メディア: DVD

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コメント 4

**feeling**

ニコラスケイジ大好き~。
毛が多いところ以外は~★

ああ、あいたいのう。
by **feeling** (2007-07-18 09:09) 

ken

男性ホルモン満タンな人ですよね。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-07-18 10:44) 

banana

>“嫌な自分”と対峙できるちゃんとした大人

はっ・・・それ、いまのわたしに必要かもしれないです^^;^^;
ニコラス・ケイジも好きだし・・・見てみます、この映画・・・^^;

P.S.
「ちひろのひきだし」読みました^^幸福な子供時代を思い出させてくれるポカポカした本でした^^教えてくださってありがとうございます!
by banana (2007-07-18 23:16) 

ken

ニコラスの「芸」を楽しむつもりでご覧になってください!
nice!ありがとうございます。
「ちひろのひきだし」も楽しんで頂けたようで良かったです!
by ken (2007-07-19 12:23) 

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