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狩人と犬、最後の旅 [2007年 レビュー]

狩人と犬、最後の旅」(2004年・フランス/カナダ/ドイツ/スイス/イタリア) 監督・脚本:ニコラス・ヴァニエ

 コイツはまず邦題にダマされました。だって実際は「最後の狩人」ってタイトルじゃないですか!(笑)。ちょっとセンチメンタルなタイトルに引っ掛かった僕は観終わって思わず苦笑しました。が、見どころは充分にある作品だったと思います。

 一番は雄大なロッキー山脈のロケーションを舞台に繰り広げられる「人」と「動物」と「自然」のガチンコ対決でしょう。監督自身、犬ソリで8000キロに及ぶシベリア横断を成功させた冒険家だけに、切り取る映像の美しさは筆舌に尽くし難く、僕はファーストカットからすでに感動を抑え切れませんでした。中国映画以外でロケーションに感動したのは恐らくこれが初めてだと思います。
 邦題にある犬たちも素晴らしい働きをしていました。
 僕は特にソリだけが崖下に転落したシーンでの犬たちの表情が眼に焼きついて離れません。一番近いところに住む友人に会いに行くだけで命を落とすかもしれない、という過酷な現実を伝えるにはこれ以上無いシーンだったと思います。
 犬好きは必見。これを観て「かわいそう!」と悲鳴を上げる人もいるでしょう。でもこんな現実があることもゼッタイに知るべきです。例えば「映画のために犬を危険な目に遭わせるなんて!」というクレームは極めてナンセンス。脚本にこんなシーンを書いた瞬間から、万全の安全対策で撮影に臨むのは当たり前じゃないですか。

 繰り返しますが、この作品に劇的なクライマックスは存在しません。だって「最後の旅」じゃないから。ただ安っぽいお涙頂戴ドラマになっていないところが、より自然な映画だなと思います。
 そして、バブル期に「BE-PAL」とか読んでた人は間違いなくハマります(笑)。

狩人と犬、最後の旅 コレクターズ・エディション

狩人と犬、最後の旅 コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2007/03/21
  • メディア: DVD

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ミホ

実家でシベリアンハスキーを飼っている身としては、kenさんのレビューとDVDのジャケットを見ただけで泣いてしまいそうです・・・(笑)。
犬映画は大好きなので、チェックしてみたいと思います♪
by ミホ (2007-03-23 10:48) 

ken

一時期シベリアンハスキーって流行りましたよね。
でも、僕はあの犬を都会で飼うことには大反対で、
この映画を観てますますそう思いました。
あの犬に限っては、寒冷地以外で飼っちゃダメだと思います。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-03-23 15:33) 

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