グッドナイト&グッドラック [2007年 レビュー]
「グッドナイト&グッドラック」(2005年・アメリカ) 監督:ジョージ・クルーニー
ジョージ・クルーニーが自宅を担保に入れてまで作った(!)「赤狩り」映画。
この映画は外国人向けに作られていませんから、せめてウィキペディアで「赤狩り」と本作の主役である「エドワード・R・マロー」の項を読んでおくといいでしょう。簡単に言っておくと、赤狩りに対抗したCBSニュースキャスターの物語です。
と、マジメなハナシの前に僕がこの映画でまず驚いたのは、「オイ!タバコ吸いながらテレビに出ていいのかよ!」ってところでした(笑)。
これに関する事情はよく知らないのですが、当時のCBSの社長ウィリアム・ベイリーが大手タバコ製造会社の御曹司だったことと関係があるのかも知れません。本編にも「KENT」のCFが挿入されたりしてましたから。まあそれにしても皆が皆、本当によくタバコを吸ってます。久しぶりに自宅で酒を飲みながらこの映画を観た僕は、タバコをやめて7年になるんですが、それでも「ちょっと吸ってみたいな」と思ったくらいですから、子供には見せないほうがいいかも知れません(笑)。
ちなみに主役のマロー(デヴィット・ストラザーン)も吸いまくりで「アンタ、大丈夫?」と心配してたんですが、ホンモノのマローは57歳のとき肺ガンで亡くなってました。そりゃそうだって。
本題に入りましょう。
先にも書いたとおり、これは「赤狩りのことを知るアメリカ人のために作られた映画」です。その証拠に本作には親切な史実の説明が一切なく、そのおかげで上映時間はわずか93分に仕上げられています。と言うわけで、事件の背景を知らないで観ると、この映画の面白さは半分も分かりません。裏を返せば、1950年代前半に起きた反共産主義運動に興味がない人は観なくてもいいってことです。
ただし。テレビの仕事に関わっている人間は観たほうがいい。本編のオープニングとエンディングはマローのスピーチで構成されていますが、エンディングのスピーチはきっと耳に痛い内容だと思います。
モノクロに徹した美しい映像と、観客に“思考する時間”を与えるスローズームを幾度となく使ったカット割りに、僕はジョージ・クルーニーのセンスを見ました。
ロバート・ダウニー・Jr.(42歳)とパトリシア・クラークソン(48歳)の2人が夫婦役を演じているのだけは違和感があったけれど。
タバコ吸いながら出演しているのは一種のコマーシャルだったみたいですね。マローはタバコ会社と契約していて、そのためにあのスタイルだったみたいです。
この映画、シンプルだけどとても面白かったです。私の該当記事、TBしますね。
by 瑠璃子 (2007-03-16 16:28)
契約してるからって、あのスタイルで出演させるテレビ局と
それを赦す「時代」が怖いですねえ(笑)。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-03-16 16:47)
コメント、ありがとうございます。
カープの件です。
それは、そうと、
ものすごく映画みてらっしゃいますね。
羨ましいです。
by れいちゃん (2007-03-16 17:22)
カープの記事もちょいちょい書いてます。
またいらしてください(笑)。
by ken (2007-03-16 23:14)
こんにちわ。この映画、私も結構好きな映画です。
音楽がとても良かった。ダイアン・リーヴスのサントラ、素晴らしいですよ。
by midori (2007-03-17 12:45)
こんにちは(^-^)
ほんと、この映画タバコ吸いたくなりますねー☆
確かに歴史を知ってたら観た方がいいかも。
わたしは知らなかったので、後で調べて納得しました。。
by ジジョ (2007-03-17 14:48)
>midoriさん
劇中挿入される歌が、仕事終わりの息抜きの感じをよく現してましたね。
あのセンスも見事だなと思ってました^^
>ジジョさん
先にしろ後にしろ、映画をきっかけにして歴史を知ると言うのは
いいことだと思います。今はもうタバコ吸いたくありません(笑)。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-03-17 16:07)
こんにちは。
いや確かに、タバコを吸うシーンが多かったですね。
でも私の子供の頃は、男の人たちはぷかぷかタバコをすっていました。
時代が変わりましたね。
by coco030705 (2007-10-17 17:32)
今思うとぞっとすることがたくさんあります。
まず飛行機や電車の中でもタバコが吸えたこと。
僕も吸ってた側なんですけど(笑)。
もう絶対に考えられなーい!
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-10-17 19:51)