雪に願うこと [2007年 ベスト20]
「雪に願うこと」(2005年・日本) 監督:根岸吉太郎 脚本:加藤正人
先日、「2006年の映画興行収入で邦画が洋画を21年ぶりに追い抜いた」と言うニュースが配信されました。
映画産業が盛んな国では公開作品を「自国映画」と「外国映画」に分けて括ります。
日本の場合もそれを「邦画」「洋画」と表現し分類してきましたが、最近僕はこれに「アジア映画」という括りを足してもいいんじゃないかと思います。
日本に多くのアジア映画が上陸するようになったのは、DVDとインターネットの普及が大きな要因でしょう。時を同じくしてハリウッド映画がマンネリ化してきたのもきっかけのひとつ。その反動で「恋する惑星」、「八月のクリスマス」、「初恋のきた道」と言った良質のアジア映画に注目が集まり、日本人にとっても身近なアジア映画の人気が高まって行くのです。
僕たちが期待するアジア映画は、まさしくハリウッドの対極にあります。
「低予算で作られる良質なドラマ」
これこそ、洋画でも邦画でもない、第3のジャンルだと僕は思うわけです。
「雪に願うこと」はかなり地味な映画です。
この作品が2006年の邦画興収にどれほど貢献したのか分かりませんが、ランキング上位の作品(1位「ゲド戦記」、2位「LIMIT OF LOVE/海猿」、3位「THE 有頂天ホテル」、4位「日本沈没」、5位「デスノート the Last name」)と比べれば足元にも及ばない数字だったと思います。そういう意味でも今、勢いのある邦画というジャンルにあってこの作品は、ますます地味な印象を増幅させているような気がします。
しかし、この作品は2005年の東京国際映画祭でグランプリを受賞しました。その年の審査委員長だったチャン・イーモウはこんなコメントを残しています。
「満場一致。審査員全員がこの映画を好きになった」
僕もこの映画が好きです。そしてこう思いました。「雪に願うこと」はハリウッドかぶれした「邦画」なんかじゃなく、世界に通用する「アジア映画」なのだと。
ばんえい競馬の調教師。こんな役をやらせたら日本一の佐藤浩市が完璧な仕事をしています。が、それ以上に驚くのが伊勢谷友介、小泉今日子、吹石一恵の3人。根岸吉太郎監督の演出力が優れているのか、3人ともここでしか観られない素晴らしい演技を披露しています。
なかなか見ることのないばんえい競馬の調教シーンもみどころのひとつ。特に気温の低い早朝にソリを引く馬の姿はまるで蒸気機関車のようで、その神々しい姿は感動の一言。
今さらですがこれは東京国際映画祭グランプリに相応しい名作。
個人的には、ばんえい競馬に対する偏見が消えた「開眼」の1本でもありました。
先日、「2006年の映画興行収入で邦画が洋画を21年ぶりに追い抜いた」と言うニュースが配信されました。
映画産業が盛んな国では公開作品を「自国映画」と「外国映画」に分けて括ります。
日本の場合もそれを「邦画」「洋画」と表現し分類してきましたが、最近僕はこれに「アジア映画」という括りを足してもいいんじゃないかと思います。
日本に多くのアジア映画が上陸するようになったのは、DVDとインターネットの普及が大きな要因でしょう。時を同じくしてハリウッド映画がマンネリ化してきたのもきっかけのひとつ。その反動で「恋する惑星」、「八月のクリスマス」、「初恋のきた道」と言った良質のアジア映画に注目が集まり、日本人にとっても身近なアジア映画の人気が高まって行くのです。
僕たちが期待するアジア映画は、まさしくハリウッドの対極にあります。
「低予算で作られる良質なドラマ」
これこそ、洋画でも邦画でもない、第3のジャンルだと僕は思うわけです。
「雪に願うこと」はかなり地味な映画です。
この作品が2006年の邦画興収にどれほど貢献したのか分かりませんが、ランキング上位の作品(1位「ゲド戦記」、2位「LIMIT OF LOVE/海猿」、3位「THE 有頂天ホテル」、4位「日本沈没」、5位「デスノート the Last name」)と比べれば足元にも及ばない数字だったと思います。そういう意味でも今、勢いのある邦画というジャンルにあってこの作品は、ますます地味な印象を増幅させているような気がします。
しかし、この作品は2005年の東京国際映画祭でグランプリを受賞しました。その年の審査委員長だったチャン・イーモウはこんなコメントを残しています。
「満場一致。審査員全員がこの映画を好きになった」
僕もこの映画が好きです。そしてこう思いました。「雪に願うこと」はハリウッドかぶれした「邦画」なんかじゃなく、世界に通用する「アジア映画」なのだと。
ばんえい競馬の調教師。こんな役をやらせたら日本一の佐藤浩市が完璧な仕事をしています。が、それ以上に驚くのが伊勢谷友介、小泉今日子、吹石一恵の3人。根岸吉太郎監督の演出力が優れているのか、3人ともここでしか観られない素晴らしい演技を披露しています。
なかなか見ることのないばんえい競馬の調教シーンもみどころのひとつ。特に気温の低い早朝にソリを引く馬の姿はまるで蒸気機関車のようで、その神々しい姿は感動の一言。
今さらですがこれは東京国際映画祭グランプリに相応しい名作。
個人的には、ばんえい競馬に対する偏見が消えた「開眼」の1本でもありました。
アジア映画
イイ響きですねぇ~
静かに展開する人間ドラマ・・・・
大好きです
by 魚河岸おじさん (2007-02-06 16:28)
表彰式に立ち会ったのが懐かしいですね。
あのときは、こんなにいい映画だなんて思いもしませんでした。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-02-07 02:54)
こんばんは~^^
私は今まで何度となく、伊勢谷友介さんを見てたはずなのに、
何故だか、何となく覚えられない俳優さんでした^^;
でも、この作品でシッカリ彼を認識しました!
学役がとても似合っていました。
by てくてく (2009-07-30 00:32)
伊勢谷友介って、なぜか空気みたいな存在なんですよね。
それがこの映画では佐藤浩市さんのおかげで、地に足の着いた芝居が
出来ていたと思います。
nice!ありがとうございます。
by ken (2009-07-30 11:50)