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素晴らしき哉、人生! [2007年 ベスト20]

素晴らしき哉、人生!」(1946年・アメリカ) 製作・監督:フランク・キャプラ

 痛快な18禁曽根風呂を運営する瑠璃子さんが「毎年クリスマスに観る」という映画を、すっかりそんな気分じゃない1月13日に観てみる。
 しかし“そんな気分じゃない”のはあくまで世の中的なことであって、個人的には“今だから観てみよう”と選んだ1本だった。というのもここ数日、自身の仕事に対するモチベーションが著しく低下しており、これを打開するためのきっかけとなる映画が何か無かったか?と考えていたら、「絶対に前向きになれる映画」と瑠璃子さんがどこかで書いていたのを思い出したのだ。
 
 これは、クリスマスの夜にあるトラブルで自分の会社の存続が危うくなり、自殺を図ろうとする社長を半人前の天使が助けようとする物語。
 本編の構成は、半人前の天使が主人公ジョージ(ジェームズ・スチュワート)を助けに行く前に、ジョージの生い立ちを確認するという体で後半近くまで作られていて、天使が下界に下りるまで、つまり天使がジョージの目の前に現れるまではすべてが“助走”部分に当たるため、中だるみが無いわけじゃない。ところが天使とジョージが対面してからの展開はそれまでと打って変わって俄然面白くなる。
 特に自殺を考えたジョージに半人前の天使が「生きる意味=存在理由」を教えるシーンは感動的で、天使がジョージに語りかける止めのセリフは、いま生きる意味を見失いかけているすべての人に伝えたくなるほど素晴らしい、“命を繋ぎ止める”メッセージだった。
 
 「一人の命は大勢の人生に影響しているんだ。一人いないだけで世界は一変する」
 
 胸を打たれるセリフだ。
 永らく映画を観てきたけれど、僕はこんなに感動的なセリフを今までに見たことも、聞いたことも無かった。
 エンディング。
 クリスマスだから「奇跡」も起きる。天使が登場するような映画だからどんな奇跡かと思って観てみるといい。このエンディングだからこそ「絶対に前向きになれる映画」なんだと思う。
 誰にでも起こる可能性がある感動の奇跡。そう。生きていれば必ず「いいこと」があるのだ。

 この作品は仕事でへこんでいた僕に立ち直るきっかけを与えてくれたかも知れません。
 クリスマスと言わず、落ち込んだときには繰り返し観たい感動の名作です。

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素晴らしき哉、人生〈特別版〉

素晴らしき哉、人生〈特別版〉

  • 出版社/メーカー: 東北新社
  • 発売日: 2001/12/21
  • メディア: DVD

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コメント 14

satoco

私も大好きな映画です!エンディングいいですよね。

ところでご紹介のDVDはカラーなのですか?私が持っているDVDはモノクロなのです。カラーで見たい...。
by satoco (2007-01-14 10:04) 

ken

パッケージがカラーなだけで、本編はモノクロですよ^^
確かに総天然色で観てみたいですね。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-01-14 13:45) 

lucksun

ごぶさたしております。
わたしもこの映画、昨年のクリスマスに初めて観ました。
ラスト、主人公が自分の知らないところで
多くの人に支えられているとわかるシーンが感動的でした。
生きていれば一つくらいいいことあるんじゃない? なんて……。
kenさんがおっしゃるとおり、
落ち込んだときに繰り返し観たくなる一編ですね。
by lucksun (2007-01-15 01:13) 

ken

僕は、さんまさんが愛娘を「いまる」と名付けた意味。
「生きてるだけで丸儲け」を思い出しました(笑)。
今年のクリスマスにもう一度見直してもいいですね。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-01-15 01:36) 

瑠璃子

>「一人の命は大勢の人生に影響しているんだ。一人いないだけで世界は一変する」

この言葉!あの映画は見るたびに発見があります。今年もまた見なきゃ。あの映画が最初は全く支持されず、クリスマスシーズンに繰り返しテレビに流すことで国民的映画になっていったという経緯がまた面白いなと思いました。天使がでている映画なのに、奇跡は驚くほど「誰にでもおこりうる」ものなのがいろんな意味で素晴らしいなと思います。
こんな映画を作る人が「毒薬と老嬢」のようなキョーレツなのも生み出している事実にびっくりですw
by 瑠璃子 (2007-01-16 10:26) 

ken

いやいや、この映画は本当に素晴らしい映画だと思います。
紹介していただきありがとうございます。
この映画の「奇跡」も本当に素晴らしい。
「毒薬と老嬢」もすごいタイトルですね。ぜひ観てみたいです。
1111個目のnice!ありがとうございます。
「確変」引いたみたいで気持ちいいです(笑)。
by ken (2007-01-16 22:52) 

魚河岸おじさん

見なければ・・・
by 魚河岸おじさん (2007-01-17 13:09) 

ken

観てください!
by ken (2007-01-17 15:29) 

Sho

私もこの映画、絶対見ます!もうレンタルしてきました(笑)。
週末の楽しみにとってあります。
きっと見たら感動するだろうなあ。
ken さんの記事を読んで、気持ちがすごく盛り上がってます。
by Sho (2007-01-17 21:23) 

ken

あまりハードル高くしないで下さいね。
by ken (2007-01-18 14:34) 

Sho

いや~、いい映画見させてもらいました!・・・
なんか「グレン・ミラー物語」とか「ローマの休日」とか「旅情」にも共通するような、センスの良さとユーモアが素敵でした。
最後15分は涙・涙・・・・
私悲しい映画はあまり泣かないですけど、こういうの弱いです。(笑)
本当にいい映画でした。
確かにどんなに仕事で否なことあっても「おめでとう!!」っていっちゃいそうです。ベルの音が聞こえたら「あ、今天使が一人・・」とも思いそうです。
by Sho (2007-01-20 23:59) 

ken

ベルの音が聴こえたら、そのときは…というエピソードは
なかなか巧い作りでしたね。nice!ありがとうございます。
by ken (2007-01-21 01:36) 

プラテーロ

はじめまして。私のブログにも「nice!」をいただき、ありがとうございます。「K-20」のほうでも頂き、嬉しく思います。kenさんの文章を読ませていただくと、感動するポイントが似ているようで親近感を覚えます。『素晴らしき哉、人生!』は傑作ですよね。それでは。
by プラテーロ (2009-03-09 00:14) 

ken

プラテーロさん、ようこそ。
映画ブログは「感動を共有するもの」であるのと同時に、
「新たな観かたを発見をするためのもの」でもあると思います。
お互いに楽しみながらやりましょう。
nice!ありがとうございます。
by ken (2009-03-09 00:23) 

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