モンスーン・ウェディング [2006年 レビュー]
「モンスーン・ウェンディング」(2001年・インド/米/仏/伊) 監督:ミーラー・ナーイル
2001年ヴェネチア国際映画祭グランプリ(金獅子賞)受賞作品。
ニューデリーで暮すインドの上流階級層のバルマ家。
長女が親の決めた相手と結婚をすることになり、家長のラリットは世界中に散らばった親戚縁者を集めて、伝統にのっとった豪華な結婚式を挙げようとする。しかし人が集えば集うほど今まで沈黙していた様々な問題が噴出してくる…。
映画の前半は登場人物の人間関係を把握するのに苦労します。
だからDVDで観るなら特典映像の「人物相関図」を観ておくといい。詳細に目を通す必要はありませんが、映画が進むに従って徐々に増える登場人物が「一体何者なのか」把握できないと面白さが半減します。
僕はそんなこと何も知らずに観ちゃったので、前半はなかなか乗り切れませんでした。ところが後半、結婚式を挙げる長女が婚約相手にある秘密を告白する辺りからすごい勢いで面白くなります。
家長のラリットが抱える苦悩とやがて迫られる決断。
口の悪いウエディングプランナーの恋。
結婚どころか恋愛にすら興味を示さない姪。
秘密を打ち明けられた婚約者。
幸せを夢見るメイド。
俳優たちの演技がどれも素晴らしく、ドキュメンタリー的な撮り方と合間って、ときおりドラマであることを失念しそうになるほどです。
またインド・パンジャブ地方の伝統的な結婚式の様子を垣間見られるだけでも充分に楽しい。世界にはいろんな国や地域と伝統があるのだということを再認識させてくれます。
映画の中で起こるいくつかの問題も、その着地点が美しく違和感が無いのも観ていて気持ちよかった作品でした。特に2つの結婚式をカットバックで見せたクライマックスは美しい!
ハリウッド映画や韓流映画に飽きた人にはオススメです。
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