ネバーランド [2005年 レビュー]
「ネバーランド」(2004年・イギリス/アメリカ) 監督:マーク・フォースター
まったく棘のない映画です。最初から最後までとにかく柔らかい。
これは監督とジョニー・デップの力によるものです。2人のおかげで「ピーター・パン」誕生のドラマに相応しい、穏やかさと温かさを兼ね備えた作品に仕上がっています。
しかし、だから良いというわけではありません。
「棘が無い」とは「抑揚が無い」と同義語の場合があります。波風の立たないドラマが面白いわけありません。これは観た人それぞれで評価が分かれるでしょう。
具体的に気になるポイントはふたつ。
まず主人公であるジェームズ・バリ(ジョニー・デップ)が、ディヴィズ家の4人兄弟の中で三男のピーターにフォーカスを合わせる理由が希薄。後付けの説明はいくらでも出来るだろうけれど、映画を観ている中でその説明が薄いのはダメだと思う。
そのピーターが父を失った悲しみとどう闘っていたのかの描写も足りない。この2点は非常に残念です。
その逆に編集は素晴らしく巧かった。
ディヴィズ家の子供たちと海賊ごっこをするシーンと、「ピーター・パン」の初演が始まってからのシーン2箇所はずば抜けて素晴らしい。
またバリが「ピーター・パン」の初演に招待した子供たちの表情がとても良かった!一体子供たちになにを見せながら撮影したんだろう?と、嫌なことを考えてしまいました(笑)。
ダスティン・ホフマンの存在感も抜群。「キャスティングこそ最大の演出」を地で行ってます。
そしてやはりジョニー・デップはすごい、と思いました。彼は「俳優」などという枠に収まる人じゃありません。その佇まいがすでに「芸術」の域にある偉大な「アーティスト」です。
社会の荒波に揉まれ過ぎてクタクタになった中年にはちょっと食い足りない作品ですが、家族で観るには申し分のない作品、ということにしておきましょう。
まったく棘のない映画です。最初から最後までとにかく柔らかい。
これは監督とジョニー・デップの力によるものです。2人のおかげで「ピーター・パン」誕生のドラマに相応しい、穏やかさと温かさを兼ね備えた作品に仕上がっています。
しかし、だから良いというわけではありません。
「棘が無い」とは「抑揚が無い」と同義語の場合があります。波風の立たないドラマが面白いわけありません。これは観た人それぞれで評価が分かれるでしょう。
具体的に気になるポイントはふたつ。
まず主人公であるジェームズ・バリ(ジョニー・デップ)が、ディヴィズ家の4人兄弟の中で三男のピーターにフォーカスを合わせる理由が希薄。後付けの説明はいくらでも出来るだろうけれど、映画を観ている中でその説明が薄いのはダメだと思う。
そのピーターが父を失った悲しみとどう闘っていたのかの描写も足りない。この2点は非常に残念です。
その逆に編集は素晴らしく巧かった。
ディヴィズ家の子供たちと海賊ごっこをするシーンと、「ピーター・パン」の初演が始まってからのシーン2箇所はずば抜けて素晴らしい。
またバリが「ピーター・パン」の初演に招待した子供たちの表情がとても良かった!一体子供たちになにを見せながら撮影したんだろう?と、嫌なことを考えてしまいました(笑)。
ダスティン・ホフマンの存在感も抜群。「キャスティングこそ最大の演出」を地で行ってます。
そしてやはりジョニー・デップはすごい、と思いました。彼は「俳優」などという枠に収まる人じゃありません。その佇まいがすでに「芸術」の域にある偉大な「アーティスト」です。
社会の荒波に揉まれ過ぎてクタクタになった中年にはちょっと食い足りない作品ですが、家族で観るには申し分のない作品、ということにしておきましょう。
こんばんは、ココです。
いい映画でしたね。アカデミー賞を逃したのが、なんとも残念です。
でも、ジョニー・デップなら、きっと近々主演男優賞を取ってくれるだろうと
期待しています。
by coco030705 (2005-08-05 22:10)
自分で読み返してみると、どうも歯切れの悪い記事になってますね(笑)。
確かにある部分では感動して泣けたんだけど、
もうちょっとどうにかなったんじゃない?という気がしないでもありません。
ジョニデがアカデミー賞を獲る日はいつなのか?
これはかなり楽しみですね。
by ken (2005-08-06 00:21)
私がこの映画の物足りないと思っていた部分を、
見事にkenさんが代弁してくださったと思います。
そう、ピーターに関する心理描写が少なすぎるんですよね。
前半がやや退屈な展開だったので、余計に惜しまれます。
とても良い素材の映画だけに勿体無さを感じました。
でも、子ども達がピーターパンを観てわくわくする表情は、
こちらまでわくわくしそうなくらい印象的でした。
先ほどはTBありがとうございます。私の方もTBさせていただきました。
kenさんのブログは映画選びの際にとても参考になります。
これからも更新を楽しみにしています!
by みわぽん (2005-08-12 00:37)
舞台を見ながらワクワクしている子供たちと同じ表情に僕たちもこの作品を
観ながらしたかったんですけどね。全編そうとは行きませんでした。
それだけがちょっと残念です。nice!ありがとうございました。
by ken (2005-08-12 00:46)
ついさっき、ネバーランド見ました。
相変わらず、すごい洞察力ですね。見る前に来なくてよかったです。(笑)
公園やネバーランドの映像も美しく、悲しい話なのですが温かみが感じられました。
ここ2週間で、「ショコラ」、「シークレット・ウインドウ」も見ましたが、作品ごとの
演じ方というか、のめり込み方の違いにデップの才能を思い知らされます。
また、ピーター役のフレディ・ハイモアの演技もかなりのものだと思います。
デップとハイモアの誕生日が同じ6月9日というのに運命を感じます。
この二人は「チャーリーとチョコレート工場」でも共演するそうですね。
監督はあのティム・バートンなので、楽しみです。
by なおしげ (2005-08-21 23:59)
新作でのフレディ君はちょっと成長してましたね。当たり前だけど(笑)。
「シークレット・ウィンドウ」はなんとなく怖そうな映画なので観ていません。
でもジョニデ狙いで観てみようかな。
by ken (2005-08-22 00:23)