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華氏911 [2004年 レビュー]

華氏911」(2004年・アメリカ) 監督:マイケル・ムーア

 ドキュメンタリーの持つパワーは凄まじい。と、同時に編集次第で作り手が如何様にでもメッセージを操作できることも言い表している1本。
 ただ、今頃観て僕が思ったことは、「なぜジョージ・W・ブッシュが再選されたのか」ということに尽きます。
 仮に僕がマイケル・ムーアだったなら、ブッシュの再選は21世紀最大の悲劇と公言する。
 でも、ちょっと待てよ。それはこの「華氏911」を観たからじゃないか?観ていない人間からすると馬づらのケリーに投票するのもどうかと思うよな。
 だって実際に選挙ってやつは、ケネディv.sニクソンの頃から「見た目」は重要だったのだ。いくらブッシュのやり方がひどいからといって見た目はケリーよりもいい。
 あら? じゃあどうして前回、ゴアは負けたんだ??? と思ったら、このドキュメンタリーは観る価値がある。
 話は少しそれる。
 僕は10代後半の頃、世の中からドロップアウトし、やむなく新聞配達員として生きていたある人に「戦争はなぜ起きるか」と真顔で聞かれたことがある。
 聞かれた場所は当時僕が住んでいた早稲田の小さな居酒屋で、まだ未成年だったにもかかわらず生ビールと日本酒でほろ酔い加減だった僕は少なからず面食らった。しかも何も答えられずにいると、「じゃあどうして世界大戦は起きたのか」と再び聞かれた。
 「第1次大戦はオーストリアの皇太子が暗殺されて…」とうる覚えの歴史的事実を喋ってみたら、その人は僕を一喝した。
 「バカ。経済だよ、戦争の根源は金がすべてだ」
 そう言われたことは、20年を越えた今も忘れられない。そうか世の中金がすべてなんだ、と。
 
 「華氏911」は日本人に理解しがたい部分も少なからずある。
 ただしエンディング間際の、マイケル・ムーアの提案にはきっと誰もが賛同するだろう。
 「あなた(上院議員)の息子をイラクに送っては?」
 そのアプローチから逃げる議員たちの姿を観て、誰が共和党に1票を投じるのだろう???
 ブッシュが再選されたのは、ムーアの力不足? 僕はそう思う。メディアの力が権力に負けたのだ。同業者としてそれは許されるべきことではない。断じて。

 それにしてもマイケル・ムーアはよく殺されないよなあ。いつ撃たれてもおかしくないと思うけど。
 「がんばれ、ムーア!ブッシュに殺されんなよ~」 

華氏 911 コレクターズ・エディション

華氏 911 コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2004/11/12
  • メディア: DVD

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コメント 2

vivi

初めまして
映像編集で反ブッシュを見せてくれたこの映画に喝采を送ってました
私もムーアが暗殺されないでいる事にほんの少しのアメリカの良心をかんじます。
まさに小泉首相も息子をイラクに送れって思ってます
by vivi (2005-03-18 08:52) 

ken

viviさん、ようこそ。
小泉孝太郎をイラクへ。いいアイディアですね~。
気がつきませんでした。
うん。このネタは何かに使えそう^^
by ken (2005-03-18 12:12) 

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