花様年華 [2004年 レビュー]
「花様年華」(2000年・香港) 主演・トニー・レオン、マギー・チャン
「恋する惑星」のウォン・カーウァイ監督が撮ったプラトニック不倫物語。
「恋する惑星」のウォン・カーウァイ監督が撮ったプラトニック不倫物語。
当時37歳だったマギー・チャンが何より美しくて驚きます。演出の半分はマギー・チャンをキャスティング出来た段階で終わったと言ってもいい。
ちなみに「花様年華」とは、中国語で「花のように華やかな日々」くらいの意味だそうです。
英語の題名は「In the Mood for Love」。日本では「満開の花のように、成熟した女性が一番輝いているとき」と紹介されました。
僕はこの言葉をそのままマギー・チャンに贈りたいと思います。
彼女のことはジャッキー・チェンの監督作品「ポリス・ストーリー」(1985年)で初めて知ったんだけど、歳を重ねて本当にいい女優さんになりました。
トニー・レオンはともすれば線の細いキャラクターになりがちな役者なんだけど、円熟味を求められる役どころをうまく演じていました。
不幸な恋愛モノの作品は、ストーリー序盤で「ああ、これから泥沼に突入するんだな」と思わせるところがあって、そこがうまく処理されていないと僕は途中で観るのをやめてしまうことがあります。「わざわざ嫌な気持ちになるものを見る必要ないだろ」って思うからなんだけど、この作品はその処理が上手かった。これは人間関係の設定の勝利です。
恋愛におけるドラマ要素に「タイミング」というものがありますが、この作品でも愛し合った2人のちょっとしたタイミングのずれがその後の人生に大きな影響を及ぼす展開になっています。
この「タイミング」は僕自身が今一番書きたいと思っているテーマでもあって、この「花様年華」を観ながら、一人の人間を軸として、その「人生のタイミング」を掘り下げたドラマはきっと面白いものになるだろう、と確信をさせてくれた映画でした。
この映画がツボにはまったのも、
kenさんの言う、2人の「タイミングのズレ」でした。
自分の場合は、不倫じゃないですけど、そういうことがあったので
これを観て、シンクロしてしまいました。
by type (2005-04-10 12:55)
marcさん、nice!ありがとうございます。
僕も自分の人生を振り返るような作品でした。
もしごらんになっていなければ、同じくマギー・チャン主演の
「ラブソング」も強力にオススメします。
by ken (2005-04-10 15:00)
やっぱり出来た映画って誰が見ても素晴らしいんですね。
おっしゃる通りタイミングはまったくすきがなく、
ストーリのみでなく映画尺でのタイミングも完璧で
随所に入るスローモーションやシャッタースピードの変化は、
暗くなりがちなテーマにほんの少し明かりを灯していました。
マギーチャンは大好きな女優さんの一人に仲間入りです。
再見!
by wataru (2005-07-29 17:12)
重複になってしまいますが「ラブソング」もぜひご覧になってください。
またのお越しもお待ちしております。
by ken (2005-07-29 17:17)
これはものすごーく後を引く映画ですね。大好きです。
いわゆる「ラブシーン」は無いんだけど、すごくエロスを感じる作品でした。
多分五十になっても六十になっても好きな映画だろうなあと思います。
気持ちが通じてても実らないときは実らないんだな・・と、いうか。
でもだから気持ちはまだ通じてるんだよな・・というような。
とにかくすごく好きです。
by Sho (2007-03-21 02:34)
心の中で永遠に消えることのない恋愛感情。
そんな相手のいる人は、間違いなく幸せな人だと思います。
僕もその1人ですが、そういう意味でこの作品は「悲恋映画」じゃないと
思っています。nice!ありがとうございます。
by ken (2007-03-21 14:36)
kenさんのコメントで、救われた気がしました。楽になりました。
ありがとうございます。
by Sho (2007-03-21 19:14)
先日はnice&コメントをありがとうございました。
うまく表現できないのですが、映像もストーリーも楽しめる?映画だなあと思いました。
by のん (2007-11-29 22:26)
仰るとおりです。
絵もキレイ、ハナシもキレイな映画だったと思います。
息を潜めるように観ていた記憶がありますねえ。
nice!ありがとうございます。
by ken (2007-11-30 01:28)