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小さな中国のお針子 [2004年 レビュー]

小さな中国のお針子」(2002年・フランス)

 いいタイトルです。でも原題は「バルザックと小さな中国のお針子」なんだよね。
 バルザックの意味は映画を観れば判ります。ネタバレになるのでここには書きませんけど。
 フランス映画ではありますが、監督はダイ・シージエというこの映画の原作を書いた中国人でした。
 この映画もちょっとした歴史を勉強しなおした上で観ると、俄然面白くなる映画なのでそこを指摘しておきましょう。
 一番肝心なのは、プロレタリア文化大革命(1966~1976)です。
 毛沢東が共産党の宣伝用書籍以外は出版を禁止し、政敵、知識人、資産家らを一掃しようとした権力運動で、劇中登場する主役の青年2人はいずれも資産階級知識人の子供だったために、僻地の山村へ送られ、革命主義の貧困農村で「再教育」を施される設定になっています(この辺りの描写は、まさに今の北朝鮮を想起させる)。
 西洋文化とはまったく無縁の土地で「禁書」を手に入れた青年が、となりの村からやってきた仕立て屋の孫娘「小さなお針子」に恋をする。文盲の彼女に「禁断の書」を読んで聞かせるうちにそれぞれの思いが募り…。
 
 この映画で僕が驚いたのは、近年僕が観た中でもっとも素晴らしいファーストカットだったことと、ストーリーが現代にまで繋がっていたこと。
 ただの恋愛映画じゃありません。かなり面白い作品だと思います。

小さな中国のお針子

小さな中国のお針子

  • 出版社/メーカー: パンド
  • 発売日: 2003/11/07
  • メディア: DVD

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コメント 2

Ren

こんにちは、ずっと気になっていてやっと見れました。フランス映画にしては現代のルーとマオが幸せそうでよかったなぁと思いました。TBさせていただきます。
by Ren (2005-10-17 06:52) 

ken

先日CSで放送されているのをチラリと観ました。
やっぱりファーストカットがキレイだなあ、と思いつつ、外出した記憶が(笑)。
by ken (2005-10-17 16:39) 

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