赤目四十八瀧心中未遂 [2005年 レビュー]
「赤目四十八瀧心中未遂」(2003年・日本) 監督:荒戸源次郎
娯楽作品じゃない。
一体いつ劇場公開していたのか僕の記憶にないのだけれど、きっと売り上げは芳しくなかっただろうと想像する。
その理由。
まず長い。上映時間は160分ある。
タイトルが難しい。原作を知らない人間にとっては何事かと思う。
スターがいない。主演の大西滝次郎はまったくの新人。寺島しのぶは映画初主演。
しかし観てみると驚く。
これは純然たる文学映画であり、至高の芸術作品でもある。
大西滝次郎と寺島しのぶの演技は絶賛に値し、160分という長さは微塵も感じない。
また兵庫県の尼崎という撮りやすそうで実はまったく絵になりにくい土地を、溜息が出るほど生々しく切り取った荒戸監督とカメラマン笠松則通さんのセンスにも脱帽します。
繰り返しますが娯楽作品ではありません。ただ、「日本映画芸術の極み」と僕は断言します。
行間を読むように、じっくりと観て欲しい。
余談。
主人公・綾を演じた寺島しのぶが、この役を得るまでのエピソードがとても興味深い。
オフィシャルホームページ「アバウト」欄にある車谷長吉さんのテキスト「映画『赤目四十八瀧心中未遂』について」をぜひお読みになって見てください。彼女の女優魂に感動します。
kenさん こんばんは。Shoです。
いぜんからずっと気にかかっていたのですが、
こちらのブログを拝見し、DVD借りてきました。
観てよかったです。
もう少し時間がたってから、又観てみたい感じです。
トラックバックさせていただきますね。
よろしくお願いします。
by Sho (2006-04-22 00:09)
「直木賞」でした。
先程、自分のブログは訂正しましたが、「赤目四十八瀧心中未遂」が受賞したのは「芥川賞」ではなく「直木賞」でした。
失礼いたしました。
by Sho (2006-04-22 01:41)
古い記事にコメントありがとうございます。
この作品は昭和ではなく21世紀の平成に作られたからこそ価値ある作品だと
僕は思います。もっといろんな人に観て欲しい映画でしたね。
by ken (2006-04-22 11:50)