トレインスポッティング [2005年 レビュー]
「トレインスポッティング」(1996年・イギリス) 主演:ユアン・マクレガー
どういうわけだかガイ・リッチーのテイストにとてもよく似た作品だった。
ストップモーションを使って登場人物を紹介する件はまさにそのまんま。同じイギリス人の監督としてそんなのアリか?と思ったら、「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルス」は98年の作品だった。なんだよ、パクったのはガイ・リッチーかよ
ドラッグから立ち直ろうとする青年とその仲間たちの話なんだけど決して美談じゃありません。なんたってモンティパイソンの国の監督が作った映画ですからね。まともな話であるわけがない。決め付けちゃ行けないけどさ。同時に女子にはオススメしません。ユアンのファンにはいいかも知れないけど、仮にアナタが潔癖症だったりすると本編の途中で気絶する可能性アリ(笑)。人によりけりでギリギリ笑える。僕は軽く引いたけど爆笑しました。
ところで「アイス・キャッスル」の項でも書いたんだけど、青春映画ってやっぱり僕にはきつくなってきた。登場人物に感情移入しにくくなって来たんだなあ。例えば金、ドラッグ、セックス、酒、クルマ。若かりし頃の激しい欲求はすでにないし(多少はあるけど)、そんなことよりもっと大切なことが世の中にあることを知っちゃったわけよ、中年になって。
僕が中学生のころに「グローイング・アップ」というイスラエルの青春映画が大ヒットした。もちろん僕も観に行って、すごく楽しんだ記憶がある。でもいま観たら「そんなに女のケツを追い回してるなよ!」って言いたくなるかも知れない。「トレインスポッティング」もそういう意味では同じ。「バカみたいにクスリばっかやってんなよ!」って気になる。だから登場人物に肩入れも出来ず、結果「さほど面白くもねーや」に着地するわけです。
さて話は全く関係ないはずのガイ・リッチーに戻してみる。
そうは言っても「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルス」はものすごく面白かった。やはり20代の男友達4人がひと儲けを企むハナシなんだけど、こいつはドラマとしての完成度が高かったんだな。現実にはありえないハナシを完全にフィクションだと割り切って、ジョークの域で繋いで見せた。そこがガイ・リッチーの巧さだったんだ(ついでに言うと撮影と編集のセンスも抜群だった)。他には「スナッチ」しか褒められた仕事はしていないんだけど(あ、BMWのショートフィルム「SUPER STAR」も良かった)、一応彼のテクは一部盗ませてもらったので褒めときます。濡れ衣きせたまんまじゃ可哀想だもんね。
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