THX-1138 [2005年 レビュー]
「THX-1138」(1971年・アメリカ) 監督:ジョージ・ルーカス
難解。
ストーリーを熟知し、かつジョージ・ルーカスの言わんとするテーマを丁寧に読み取るつもりでいないとまったく楽しめない。イコール商業映画としては失格だと思う。
作品の冒頭はちょっとだけ期待をした。というのもファーストカットのエレベーター前のシーンが、色彩といい画郭といい「スターウォーズ/新たなる希望」で、ダースベイダーが反乱軍の宇宙船に乗り込んでくるシーンのカットとまったく同じタッチだったからだ。
これにはちょっと驚いた。人それぞれの中に歴然と存在する「黄金率」を垣間見た気がした。
僕自身も撮影をしているときに、カメラマンとは明らかに違う独自の「黄金率」を持っていることを実感する。
「THX-1138」のファーストカットでそれを見たときには、「この映画の中にジョージ・ルーカスの原点があるかもしれない」と期待をした。しかし他には観るべきものが何も無かったと思う。このあとに「アメリカン・グラフティ」を撮る監督とは思えないほどの出来栄えだった。
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