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近しい人の命日 [日常の一コマ]

昨年の、2005年1月8日。土曜日。
近しい方が亡くなりました。
その人(Yさん)は、彼氏の上司にあたる方で、私自身も直接、面識がありました。
Yさんの印象と言えば、すごくオシャレというイメージ。
50歳代という年齢にも関わらず、ジーパンとボーダーシャツが本当に似合っていらして。
その着こなしぶりは、その辺の若者とほとんど変わらない。スラッと背が高く、足も長くて。

Yさんと同じくらいの年齢の方で、あそこまでジーパンにボーダーシャツが似合う人を、
私は他に存じ上げません。
会議がある日とか、たまにスーツを着ていると、逆に違和感がありました。(苦笑)
そして、みんなと一緒にスノーボードに行ったり、飲みに行ったり。
気持ちのほうも、すごく若い方だったんですよね。

亡くなったその日も、彼氏や他の社員さん・アルバイトさん達と一緒に、
朝早くから、スノーボードをしに出かけていました。
Yさんは「あまり寝ていないから、疲れている・・・。」
ということは口にしていたけれども、特にいつもと変わらないご様子だったそうです。

そして、現地に着いて、みんなでスノーボードをし、
夕方になって、そろそろ引き上げようというときになって、
Yさんだけ、まだ下りてこないので、心配になって様子を見に行ってみたら・・・。

雪の中で、倒れていらっしゃったんだそうです。

すぐに救急車を呼んで、病院に搬送されましたが、すでに亡くなったあとでした。
死因は、ごく自然死に近い形、だったそうです。
どこかに頭をぶつけたわけでもなく、病気に関することが原因でもなく。

「ふっと、心臓が自然に止まったようなので、多分、苦しくなかったと思いますよ。」

そんなことをお医者さんが言ってくれたんだ、と
それを聞いて、少しホッとしたんだ、と
彼氏があとで話してくれました。

私は、お通夜にも、お葬式にも参列しました。
だけど、それでも、何となく実感が湧きませんでした。
確かにそこに、冷たくなって、棺に納められているYさんがいるのだけれども。
そんな空虚な感じでいるのに、なんでか涙だけは、あとからあとから湧いて出て。
前がよく見えなくなったんだけれども。

大分経って、ようやく、少しずつ、
「亡くなったのだな・・・。」と、思えるようにはなりました。

そして、Yさんにまつわることで、ずっと気に掛かっていることがあります。

おととし、私が入院して、大変ご迷惑をおかけしてしまったのに、
直接、ご挨拶に伺わず終いなのではなかったのか、ということ。
簡単な挨拶程度になら言えたような気もするし、全く言えなかったような気もします。

こんな形で、会えなくなってしまう日が来るなんて、思っていなかったから。
いつか、お礼なんて出来ると、そう思い込んでいたような気がします。
本当はもっと色々と、相談にものって頂きたかったんです。
だけど、何となく、ためらっていて。

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私はそれまで、簡単に「死ぬ」とかそういう言葉を使うタイプの人間でした。
死への実感が薄いというのか、色々嫌なことがあったりしたときに、
本当に簡単に、「死んでやる・・・。」なんて、思ってしまったりしていました。

Yさんが亡くなったあとにも、一回、「死ぬ」なんていう言葉を使って、
彼氏を激怒させたことがあります。
今、思えば、もっともなことです。
今の私でも、やっぱり怒るでしょうね。
自分も一回、死にかけているのに、さらに、そういうことを言うなんて・・・。

そんなことを言ってしまった理由は、心配して欲しかったから。気にかけて欲しかったから。
いや。
そもそも、そんな言葉を使うこと自体が、癖になっていたのかもしれません。

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人の死は、前もってわかるときもあるのかもしれないけれど、
そのほとんどが、いきなりやってくる。
残される者の準備が整うのを待ってなど、くれないのですよね。

明日、愛する人が亡くなってしまうかもしれない。
もしかすると、自分が死んでしまうのかもしれない。

もちろん、毎日、こんなことを考えていたら、憂鬱で何にも出来ないけれど。

だけど、「考えていようと、考えていまいと、その日はいきなりやってくる。」
ということだけは、覚えていたいと思う。

だから、今、この瞬間に、生きている自分に出来ることと言えば、
次の瞬間、会えなくなってしまうかもしれない人やモノや出来事に対して、
常に、正直で丁寧でありたいと思い、また、そう行動することなのかな、と思います。

素直に謝れなかった人に、「ごめんなさい。」と言う。
借りたまま返していない本は、返しておきたいな、と思う。
これが最後の食事になるかもしれないと思ったら、
目の前の料理をゆっくりと、味わって食べたいと思う。
面白い芸人さんのコントを見たら、苦しくなるほどお腹の底から笑い転げたい。

そんなことを、色々と考えていたら、
生きているって、ものすごく愛おしいことなんだと、ようやく気づくことが出来ました。

これも、Yさんに教えてもらったことの一つでしょうか。

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心より、Yさんのご冥福をお祈り申し上げます。
生前は、色々と、ありがとうございました。


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コメント 4

たなかちゃん

それは大変、ご愁傷様でした・・・。
と1年前に言えなくてごめんなさい。

爪の手入れが上手にできたとき、
「このまま爪が伸びなきゃいいのに」と思います。
でも固まって細胞分裂しないと、怪我をしても治らないんだよね。

最近、前世とかスピリチュアルワールドが流行っているじゃない?
カモちゃんとは縁があるから、前世でも来世でも出会えた(る)かも知れない。
でもキリンジが兄弟で活躍したり、トリノ五輪が楽しみだったり、
平成の不況下で嫌な事件も多いけれど、この時間は今だけって思う。
来世は、キリンジは兄弟歌手じゃないかも知れない!?
兄弟デザイナーとか、同級生グループとか・・・面白いけど、なんか悲しい。

自分のこの時代に生まれた人生を、最大限に楽しく生ききること、
与えられた命に対して今はそれしかできることが思いつかないや。
by たなかちゃん (2006-01-10 10:51) 

かものはし

Dear たなかちゃん
 コメントありがとう~。
 そうだね。今を一生懸命、そして、そう。楽しく生きたいね。
 で、自分が死んで、先に逝った人たちに再会できたら、
 「こんなことがあった、あんなことがあった。」と笑って報告したい。
 来世でも、たなかちゃんに会いたいね。もちろん、キリンジにも。
by かものはし (2006-01-15 21:02) 

たなかちゃん

うっ・・・まずい。思わず会社で涙ぐんでしまったよ。
そんな聖子ちゃんみたいなこと、言わないでぇー。
来世はさておき、、今年も楽しくヨロシクねん♪
by たなかちゃん (2006-01-16 09:12) 

かものはし

Dear たなかちゃん
 聖子ちゃんみたい、って(苦笑)。
 はい。今年もよろしくお願いします!
by かものはし (2006-01-21 08:01) 

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