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PSoC Express [PSoC]


Cypress Semiconductor(http://www.cypress.com/)から、PSpC Express 1.1なるツールが提供されています。
これはプログラミングなしでファーム生成、PSoCに書込み、動かすところまでをフォローしてくれるツールです。トランジスタ技術2005年7月号に紹介があリます。
アイコンをペタペタ貼る感じで作っていくので、LEGO MINDSTORMのRCXのプログラミングに近い感覚です。
コーディングに相当するDesign,Simulationで動作確認,BuildしてデバイスのProgramというフローがあります。

せっかくあるんだからということで、太陽電池のつながったバッテリの過充電防止回路を作ってみました。
電池に掛かる電圧が14Vを超えたらバッテリへの給電をカットし、余り電力用負荷へ切り替える。
また、バッテリ電圧が10.5Vを切ったら、バッテリ負荷を切り離すというものを作ってみます。

使用するには下記のアプリが必要です。
PSoC Designer 4.2(C Compilerが有効になっていること?いらない?)
ServicePack2(35MBと52MBの二種類あって、52MBの方が必要)

起動するとこんな感じになります。

かなり途方にくれる画期的さです。

早速作ってみましょう
スケッチブックみたいなやつは後でゆっくり動かすとして...。
画面左下の"Drag Items Below to Console"から"INPUT"アイコンをドラッグします。

すると"Input Driver Catalog"なるウインドウが突然現れ、驚かせてくれます。
ここで入力の種類を選択するわけですが、今回は12Vのバッテリが対象ですので、"Voltage Input"の"0.00 ti 31.00V"を選択します。
"Device Description"に入力の概要の説明が出ます。下のほうには外付け回路の回路図があったりします。
ウインドウ上の"Name"にとりあえず"BATT_IN"と入力して、画面下のOKボタンをクリックします。

次に"VALUATOR"なるものをドラッグします。処理のための要因を設定するものです。
ドラッグすると下記のウインドウが現れます。

"NAME"に"VOLTAGE"入力して(任意の名前でOKですよ)"NEXT"ボタンをクリックします。
小さいウインドウが現れるので、これも)"NEXT"をクリックします。

そうすると"Set Point Definition"というウインドウが現れますので、先ほど出てきた14Vと10Vという条件を設定します。
"Add Set Point"をクリックすると下のようになります。

充電停止の電圧として"Threshold"に"14"、"Hysteresis"に"0.5"を入力してOKをクリックします。
放電停止も同様に"Add Set Point"をクリック"Threshold"に"10"、"Hysteresis"に"0.5"を入力してOKをクリックします。
入力が完了すると下のようになります。

ここでドラッグすると値を変更できます。また、ポイントして(青いバーになる)Edit Set Pointで数値を入力する事もできます。
確認したら"Next"ボタンをクリックします。これでVALUEATORの設定は終了です。

次に"OUTPUT"アイコンをドラッグします。
入力のときと同じようなウインドウが開きます。

ここではデバイスを"Digital Output-DC Switch-12V5A High Side"を選択して、"NAME"を"BATT_OUT"としてOKボタンをクリックします。
同様に"NAME"を"LOAD_OUT"、"SURPLUS_OUT"を作ります。
こんな感じの画面になりましたか?

次に出力条件の設定です。
まずは"BATT_OUT"をポイントして右クリックすると下記のようになります。

"Transfer Function"を選択してください。
出てきたウインドウの左上"Tranfer Function"で、条件判断の方法を選択します。
ここでは簡単そうな?"TableLookup"を選択します。選択した様子です。

OKをクリックすると、条件判断の要素を選択するウインドウが現れます。
ここでは、先ほどのVALUATORであるVOLTAGEを選択して"NEXT"をクリックします。

"Expression Assistant"と"Add Values"のウインドウが開いたと思います。

ここでは何もせずにNEXTをクリックします。

次に開く画面で、出力ON/OFFの設定をします。

左上の"VOLTAGE"の下の電圧の書かれた"箱"をONもしくはOFFにドラッグして指定します。
上の様に設定したら、OKをクリックしてウインドウを閉じます。
"LOAD_OUT"と"SURPULS_OUT"も同様に設定します。(LOAD_OUTは10V以上でON、SURPULSは14V以上でON)

これでDesignは終わりです。プロジェクトを保存してください。

こんな感じで、赤い線で結ばれます。

次はシミュレーションです。
ウインドウ上の方のSimulationタブをクリックしてください。
背景の色が明るくなって、Simulation画面に切り替わります。

これは直感的に判りやすいですね...。
そうです、INPUTの左側のスライドバーをドラッグして電圧を設定すると(左ボタンを離したときに確定します。)、それに応じて出力が変化すると思います。
これで動作を確認したらBuildに移ります。

ウインドウ上の方の"Build"タブをクリックするとデバイス選択の画面が出ます。

ここではCY8C27443のDIP版(上から2つめ)を選択してOKします。
Projectの保存についてのダイアログが出てOKすると、Buildが始まります。
Buildが完了すると、BOM/Schematicタブのウインドウに切り替わります。

画面下のほうに3つのハイパーリンクが現れます。

BOM(Bill Of Materials):部品表
DataSheet:今回作ったものの仕様書
Schematic:周辺回路の回路図

後はProgramタブをクリックして、デバイスに書き込んで(DesignerのProgrammerが起動する)、
周辺回路を組んで終わりです。

至れりつくせりですね....。
ちょっとライブラリが少ないのがタマに傷ですが、今後に期待ということで。
また、Projectのフォルダの中にPSoC Designerのプロジェクトが作られますので、細かい設定はDesignerでもできます。

とりあえずExpressでざっくり作って、後はDesignerでチューニングという使い方でもいいかも知れませんね。

[おわり]

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