知る人ぞ知る、レコードショップ「Jazzy Sport」 [小林雅也]
前回登場してくださったフットサルカフェのオーナー桑原慶氏。彼のカフェでイベントなどをやる際にDJをつとめるというのが、今回ご紹介するMASAYA FANTASISTAこと、小林雅也さんだ。
DJ……。私の人生でもっとも縁遠い人種のひとつである。
おしゃれなイメージだが、妙に威圧感がある。
音楽のことはさっぱりわからない私にとっては、共通言語がないため、よくわからない引け目と劣等感を感じることもある。
ある種のヒエラルキーの頂点に君臨し(なんのヒエラルキーだかわからないが)そのヒエラルキーにおける上位のものだけが話すことを許されている、私とは身分が違う人々……。
取材する前のDJのイメージはこんな感じだった。
取材は彼のスタジオ。が、待ち合わせをしたのは、住宅街にある、昭和のにおいが残っているオーダーメイドの洋服屋さん。
犬を連れて向こうから歩いてくる人がいる。
「もしかして小林さんですか……?」というと、さわやかに軽く手を上げた。
威圧感もないし、なんとも青空がよく似合う。
偏見に満ちたDJに対する人種差別(同じ日本人だけど)、身分差別(身分なんてないけど)してしまってごめんなさい。
彼がマネージメントしているクロマニヨンというバンドに、チャラの曲の関係で仕事が入って、そのスタジオからの帰りだという。片手に機材を持ちながら入っていったのは一軒家。
「ここはどなたかのお家なんですか?」と聞く編集者。
「いや、借りてるんです。屋根裏を改造して、一応防音設備らしきものも作ってみたんですが、途中でやめちゃいました(笑)。子どものときつくった秘密基地みたいなもんですよ」。
この屋根裏スタジオへ上がるのは、日曜大工などで使いそうなはしご。
小林さんは何でも手作りしてしまう。
小林さんの経営するレコードショップ「Jazzy Sport」も床板からレコードの並ぶ棚まで、木を使ってすべて手作りしたそうだ。こちらは“秘密基地”とは全く違い、完成度が高く、温かみのあるデザインだ。
このショップ、一度来たら、音楽の虜になって抜け出せなくなるという魔(?)の館。
「音楽って“自分はこれを聴くんだ”って肩肘張って聴いてる人が多いですよね。僕は音楽をジャンルわけすること自体が無意味だと思っているんですが、例えば女性はジャンルがよくわからない人が多い。そういう人のほうが本物の音楽に対してピンと反応するんです」
音楽に対してたいして知識のない人で、仕事の合間、ショップにフラッと寄ってCDを買ってしまったがために、
“こういう曲ってCDでないですよね”、“そういうのはレコードしかないですね”とやり取りし始め、どんどん音楽にはまっちゃって、ターンテーブルも買っちゃって、ショップに通いつめちゃって、しまいにはDJになっちゃった……、という人もいるらしい。
そんな魔法なら、私もかかってみたい。
小林さん、今イチオシのアルバム、ぜひ教えてください。
そして小林さんからのANSWER。
↓
「cro-magnon/cro-magnon」
「cro-magnon/nbsa+x÷~自然発火~」
http://blog.goo.ne.jp/cro-magnon-nbsa/
「DJ Mitsu the Beats/New awakening 」
渋谷駅から東急ハンズに向かう途中にあるビルの4階「Jazzy sport」で購入可能です。
1Fのサンマルクカフェが目印。
http://www.jazzysport.com/
さて、この小林雅也氏、DJとショップのオーナーというのはほんの一面でしかない。小林さんは「Jazzy Sport」というクリエーター集団の代表取締役。活動の範囲は幅広い。全貌は追々明らかにしていくことにして、次回はその多くの顔を持つ男の誕生秘話を探る。
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