未来の道具・その5 ロケット [八谷和彦]
■ [八谷和彦] 過去記事
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八谷さんは、ひとつの作品にかかりっきりになるということはない。
同時平行で作品づくりは進んでいる。
今興味を持っているものは? と聞くと「佐藤さとるさんのコロボックルのシリーズの絵本」という答えが返ってきた。
「この間、読み返してみたら、すごいいい話なんですよね。あと、脳や意識や心の話にも興味があって、「小びと」と「脳」が今僕の頭のなかでくっついている。それで、いま『コロボックルのテーブル』っていうアーティストとしての作品をつくっているんですが。興味が湧くと、作品とか仕事にしちゃうからよくないのかもしれないな(笑)」
■コロボックルのテーブル
http://www.petworks.co.jp/~hachiya/works/FairyFinder.html
次から次へと興味のあるものを形にしていく八谷さん。
でも、ここから先は八谷さんの頭の中にある、本当の“未来の話”だ。
「オープンスカイやったおかげで“ひとり乗りヘリコプター”
http://www.gen-corp.jp/
をつくっている会社の人や、ロケットをつくってるJAXA(Japan Aerospace Exploration Agency:宇宙航空研究開発機構)の人
http://www.jaxa.jp/
と知り合いになったんですよ。そうこうするうちに僕もロケットをつくりたいな、と思いはじめて。」
“つくりたいな”を一気に“つくる”に加速させるのは、人との出会いにも関係あるようだ。
ただ、その後の加速度がビックリするほど速い。
飛行機の模型をつくるところからはじまったオープンスカイのプロジェクト。はじまってまだ3年だ。
その間に出会った人と、今度はロケット。「このぐらいのサイズでこのぐらいのエンジンをつくれれば行ける!」と盛り上がっているところだそうだ。
「“あとはお金だけですね”みたいなことになってます(笑)。
飛行機は年間1000万×3年、ぐらいのプロジェクトなのでうちの会社として無理すればなんとか出せる予算なんだけど、ロケットはその10倍はかかりそうで、もううちの会社じゃ無理だな、ってね。
でも、ロケットの打ち上げってものすごいお金がかかってるんですよ。それを数億でできればめちゃくちゃ安いんですけどね。“やれるといいなー”と思ってます。」
そういいながら、すぐさま一言付け足した
「やれるつもりでいますけどね(笑)」
額が額だけに、やるとなったら、何らかの形で産業化する仕組みを取り入れようとは考えているのだそう。
「さすがに有人ロケットは考えてません。有人のロケットやるとしたらとてつもないお金がかかるから。JAXAでさえそれを成功させていないのにね(笑)。
今考えてるのは100gのペイロード(積載量、つまり衛星の重さ)を衛星軌道に乗せる超小型のロケットを3億ぐらいでやろうっていう計画なんです。有人にしようとすると、30億以上は確実……でもなんとか工夫すれば100億以下でできると思うんですよね……。それってすごいことじゃないですか?」
有人ロケットは考えていないといいつつも、予算をすぐに計算してしまうのが八谷さんのおそろしいところだ(笑)。
ドラえもんが生まれるのは22世紀。21世紀の今、まだドラえもんはいない。
だけど、ドラえもんが出すような道具を確実にかなえている人がここにいる。
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