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148 葛登支岬・三ツ石崎=北斗市茂辺地・三ツ石(北海道)脱線転覆??!! [岬めぐり]

 「北斗市」といっても、これまた地元とその周辺の人にしかピンとこないだろう。例によって総務省のお囃子と音頭にあわせて、1年前に駆け込み合併に滑り込んだ。それも、上磯郡上磯町と亀田郡大野町という、それぞれ郡をまたぐ合併である。郡などは市になってしまえば消えるわけだから、総務大臣風(または、前農相・元農相的その他大勢)にいえば「法律的になんの問題もない」わけである。
 函館駅からJRの江差線の各停に乗り、まず木古内を目指すが、その途中にここを通る。江差線というと支線のように聞こえるが、実はこの線は青森と函館を結ぶ幹線・津軽海峡線でもある。海岸のそばを走る列車の車窓からは、穏やかな函館湾と函館山が見える。
 「穏やかな」と、つい書いてしまう。想像しようにもできないが、この函館湾が台風で荒れ狂う中で、あの事故は起こった。
 1954(昭和29)年9月26日、台風(マリー)15号によって、青函連絡船洞爺丸が遭難し、1100人を超える犠牲者を出した。この事件の第二審海難審判裁決では、「本件遭難は、洞爺丸船長の運航に関する職務上の過失に基因して発生したものであるが、本船の船体構造、青函連絡船の運航管理が適当でなかったこともその一因である。」とされる。
 当時、広島の中学生だったでんでんむしにとっては、北海道も青森もまったく遠い国の話ではあったが、新聞の第一面に大きく船底を上にしてひっくり返った写真を今でもはっきりと思い出すことができる。それからかなり長い間、どこでどう情報のインプットを間違ったのか、漠然とその遭難場所は青森県側だったと思い込んでいたふしがあった。遭難場所の七重浜は、函館市からすぐ西隣、今の北斗市の東端に位置している。
 どんな事故も、人災と天災の間に起こり、いつまでたってもそれがなくなることがない。そして、大きな事故の犠牲のあとに、ちょっとだけいくつかのシステムや認識の修正が行なわれる。そしてまた、事故は起こり、またちょっとだけ改善されて、そして…。
 海難事故が、とくに厳格な審判によってその原因と責任が追及されるのは、大きな権限を持つ船長というリーダーの責任を事故以前の最初から明確に認め、それを重くみているがためであろう。
 洞爺丸の遭難があった年は、どんな時期だったのだろうか。
 この年、公職追放が解除されてすぐ自由党に参加した岸信介がさっそく吉田茂と衝突して除名され、鳩山一郎らと民主党を立ち上げ幹事長に収まっている。その主張は“自主憲法制定・再軍備推進”だった。(注:この部分の記述はWikipediaからの要約によるが、果たしてこの当時から“自主憲法”といっていたのかどうか?)
 この国の政治は、ほんとうにごく一部の人間に委ねられているのか、はたまた政治をやろうという人材がいないのか、そういう人材が出にくい、活躍しにくいような構造があるのか、それが問題だ。それを見抜いていたが故に、松下幸之助は「政経塾」をつくったのだろうが…。
 いままた、その“孫たち”が権力を争っている。
 一国のリーダーは、船長に比べるとはるかに大きな責任を負っているはずだが、その責任が問われることはほとんどない(スキャンダルや失言で罷めた者はあるが、政治家と役人の責任追及はほとんどの場合むずかしいので、ほぼそういってよいと思う)。
 世論調査といういいかげんなものはあっても、海難審判がないからだろうか。民意が得られなくても、「歴史が評価してくれる」とか「後世の歴史家の判断に委ねたい」などと逃げ口上に走る場合もある。しかし、わが国民は死者のことを悪くいわないという“美徳”のためもあってか、その歴史さえもみずから充分な評価判断がまとめきることができないようにも思う。
 そんな迂遠な話ではなく、今のリーダーの行状と考えを的確に把握して、その評価と判断が歴史ではなく、今現在において示され、それが反映されることが重要であろう。せめて選挙で、その是否と明確な審判を常に国民が示すことの意義と効果を、少し多くの人が気づいて確認できたということは、この夏の収穫であったかもしれぬ。
 おっと! これは「岬めぐり」でした。そうですよ。脱線してしまったようだが、転覆する前に戻ろう。

 茂辺地と渡島当別の駅は、なにやらかわいらしい。このあたりの海岸に葛登支岬・三ッ石崎という二つの岬があるのだが、それほどはっきりした目立つ岬でもなく、車窓からの確認もかなりいいかげんにしかできなかったので、つい…。

▼国土地理院 「地理院地図」
41度44分33.80秒 140度35分59.93秒 41度43分58.12秒 140度34分40.75秒
148くずみついし-48.jpg
dendenmushi.gif北海道地方(2007/06/25 訪問)

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タグ:北海道
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