044 野付半島＝野付郡別海町野付（北海道）トドワラは「ここはなんだろう？」「いつかここへ行ってみたいものだ」というような地形

　こどもの頃からの地図好きなので、よくそれを眺めながら空想の翼を広げていた。そういうとき、「ここはなんだろう？」「いつかここへ行ってみたいものだ」というような地形がいくつかあったが、野付半島はその筆頭であった。
　波と風と海流と潮汐とによって、長い年月をかけてきた自然の造形は、ふしぎな形をみせてくれ、知らない者にもなにかそこにはあるのではないかという、あらぬ期待まで抱かせてしまう。
　そうだ。伊能図ではどうなっていただろう。伊能中図を引っ張り出して、それをGoogle マップと並べてみるというのは、われながらいい思いつきだった、と自画自賛。

　伊能図では、トドワラの辺りまで幅のあるはっきりした陸地として描かれている。湾曲した岬の先端まで、これまたはっきりとした赤い道が記されている。かつてはここにもかなりの集落があったことを示している。
　Google マップでは、広範な地域が沈下して、湾になっている。トドワラというのが、もともとトドマツの原生林だったところが水没して枯木だけが残った、という経緯を示しているが、その現象は現在も進行中で、もうそれらしい枯木も数えるほどになっており、この分ではいずれ数年のうちにはなくなってしまうかもしれない。

　初めてここを訪れたが北海道のオフシーズンでまだ、雪が残りはるか国後はぼんやりとして、原野はあくまでも荒涼として広がっていた。Googleではもっと先端のほうが赤くなっているが、アツケシソウだろうか。今度は、花咲くベストシーズンに、この先の竜神崎から灯台まで、あるいはまたナナワラの辺までも歩いてみたいものだが。

▼国土地理院　「地理院地図」
43度33分28.36秒 145度19分47.93秒

北海道地方（2005/04/25　訪問）

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