032 牛ノ首岬=むつ市脇野沢(青森県)岬と鯛島というよりむしろ鯨島というべきかも…の島の間を通るフェリーから [岬めぐり]
だいたいにおいて、人里離れた辺鄙な場所と相場が決まっている岬めぐりは、免許もなく電車とバスを乗り継いでの個人旅行では、困難が多い。だが、その困難こそが岬めぐりの醍醐味でもある。こんなバカなことをやっている物好きも少ないが、同好の志をもつ人もいないわけではない。とも〜るさんもでんでんむしと同じく電車とバスで行くそうだから、なかにはそういう奇特な人もあるのだ。だってねぇ、そもそも便利さや楽さを求めるだけなら、家でじっとしていればいいのだからね。
旅行会社のツアーでも、この頃ではごくたまに、「三大半島めぐり」とか「最北岬巡り」とか銘打った企画が出るようになった。これはどんなもんじゃろう。
下北半島は、よく“まさかりのような”と形容されるが、まさか今でもまさかりが常識とも思えん。まさかりを見たヤツなど、この頃ではもうおらんのと違うか。そのまさかりの刃の上が大間で脇ノ沢が下の端っこで柄の先端が尻屋崎ということになる。実は、仏ヶ浦も路線バスの便が悪く、個人ではなかなか行きにくいところで、大間から男鹿まで回るというツアーがあったので、これで行ってきたのだ。野生のサルの北限だが、仏ヶ浦から脇野沢までは路線バスもない(と思う)。
脇野沢には津軽の蟹田とここ下北を結んで、青森湾の北側を往復するフェリーがある。まさかりの端の下の端には北海岬というその名もそれらしい岬があるのだが、そこには車でもないと行けないし、もちろんツアーも行かない。こじつけっぽいが、むしろまさかりの刃の最南端ということであれば、この牛ノ首岬のほうがそうなのだ。
ずんぐりと黒々とした牛ノ首岬は、フェリーからよく見える。その沖にある鯛島と呼ばれる小島がおもろいので、みんなそっちばかりに気をとられているが、牛ノ首岬というのもただならぬ気配である。この岬がどうしてそういう名になったのか知らないが、そういわれてみると、なにやらピカソの描く牛のようにも見える。その奥にかすかに人の暮らす気配があるのは寄浪という。
鯛島というよりむしろ鯨島というべきかもしれないが、立派に灯台までのっけた大小二個セットの島は、フェリーが進むにつれて形を変える。
ここをこのフェリーで渡るのは、このときが二度目である。前のときは竜飛から尻屋崎へ行くときに通ったので、今回は逆のコースで蟹田へ向かう。前は八甲田山もきれいに見えたのだが、もう日の暮れ方近くになって雲が厚い。
▼国土地理院 「地理院地図」
41度7分41.68秒 140度48分40.59秒
東北地方(2006/08/08 訪問)
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